吉田満 商品

吉田満 新編 - 特攻体験と戦後 - 〈対談〉 (中公文庫 し 10-5)

『出発は遂に訪れず』の島尾敏雄氏と『戦艦大和ノ最期』の吉田満氏の表題をめぐる対談集(対談日は1977年6月6日)。この時期、静かに味読したい一書であり、「極限をくぐりぬけた二人の作家」(帯より)のこの肉声は、実に多くの気づきと箴言に満ちている。(また、特攻体験の一般性と個別性についても種々考えさせられた。)歓迎すべきタイムリーな再刊(新装版)と云えよう。「日本、あるいは日本人というものが持っていた優れた面と、非常にこの、なんていうのか、非常に片寄った面とがですね、大和の最期には、両方が極端に出ているような感じで」(70頁、吉田満氏の発言)。「それはほんとうにあの時、戦中から戦後にかけて、日本人が苦しんだ、何のために、何を願って苦しんだのか、ということですね。あの時、終戦の混乱の中で、一ぺんに、いろんなことが全部捨てられた。日本人は世界の中でどう生きるのか、どんな役割を果たそうとするのか。そんな問題も、いっさい棚上げされてしまった。なにかそこに重大な欠陥があったんじゃないかという感じが、三十数年間続いているということなんです」(90頁、同)。「その中からやはり水中花みたいな、非常にきれいな人間像が出てきたりなんかするんですね。・・・ そういう一見美しく見えるものをつくるために、やはり歪みをくぐりぬけることが必要というふうなことになると、ぼくはやはりどこか間違っているんじゃないか、という気がしますね。ほんとうはその中にいやなものが出てくるんだけど、ああいう極限にはときには実にきれいなものも出てくるんですね。そこがちょっと怖いような気がしますね」(112頁、島尾敏雄氏の発言)。「三十年たったいまとなってみれば、それはそれなりに、面白いといったら語弊があるけれど、面白いところもあった体験だなあ、と、そういうことが分かってきた。いってみれば、そんなに深刻なことでもないという気持ですね。それは、やっぱり、違った形で日常の中にもそういうことはあるんであって、人間の体験ですからね。・・・ つまり異常は日常と繋がっているという認識ですかね。・・・ 僕の気持の中では、後生大事にそれしかないというんじゃなくて、戦争はその後もずっと起こっているわけなんです、自分にも周囲にも。ただ表面の形が、戦争状態でなければ戦争状態でないような状況を現わしていますけれど、もう本質のところは、似たようなことなんじゃないですか。もし神というものがいるとしたら、その神の目から見たら、戦争の状況も、このいまの状況もそう違わないんじゃないですか。そういう目から見たら、まあ人間どもがなんかやっている、というふうな」(148~9頁、同)。「わたしは二十二年にカトリックの洗礼を受けたんです。・・・ やっぱりこういう特攻体験と戦後生活とかいう課題を背負っていますと、なにか自分が途中で妥協したり、結論を逃げたりしないためには、大きな、簡単にそう妥協を許さないようなでかいものが、どうしも相手にないとね。・・・ ある大きな実在みたいな、あるいは存在する実体みたいのがね。・・・ 戦争体験によってそういう大きな課題をあたえられたんだから、それを追求する無限のエネルギーみたいな、ちょっと妙ないい方ですけど無限の活力をあたえてくれるものがほしい」(152~3頁、吉田満氏の発言)。「カトリックというのは、人間をよく知っている。実によく知っている・・・・・・。・・・ 知っていますよ。二千年間人間を調べ尽くしたんだから」(155頁、同)。なお、本新版は旧版に、吉田満「島尾さんとの出会い」、橋川文三「戦中派とその「時間」」、吉本隆明「島尾敏雄-戦争世代のおおきな砦」と鶴見俊輔「吉田満-戦中派が戦後を生きた道」の四篇を新たに加え、加藤典洋氏の解説(百田尚樹『永遠の0』と対比して本対談を論じている)を付したものである。 新編 - 特攻体験と戦後 - 〈対談〉 (中公文庫 し 10-5) 関連情報

吉田満 戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)

言葉には、パワー(力)がある。 人の生き死をも操作出来るほどの強力な。戦友が壮絶なる死を遂げるなか、何故に著者は“生”を勝ち取ることができたのか? 何度も、安逸な道(死)を選びそうになりながらも。 目には見えない大きな力の存在を感じさせる。宿命(今世は、○○という道を歩むと、あの世で自ら書いたシナリオ)を上書きして、運命(自ら運を切り開く)にアップデートしたからに他ならない。極限の中、生き抜き、戦後、リーマンとして働きながら、著書を出版する。 発狂もせずに。 普通の神経ではない(考え難い)。 宿命通りの人生を歩かず、それをカキコして、開運する方法論があるんじゃねぇ?神に愛されてないと、人生の分岐点に立った時、シナリオ通りの道を選ぶ。 神に愛されていると、ますます幸せになる道を選び進むことができる。 神に愛される生き方をしよう(カルマを解消してダルマにしちゃう)。 戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫) 関連情報

吉田満 東京原発 [DVD]

原発に関して全くの素人、「メルトダウン」なんて言葉、これを見るまで知らなかった・・・原発の仕組みや、何故大量の水がいるのか?どうして海沿いに立てるのか?本当に無知だった。これはそんな馬鹿な私に、分かりやすく説明してくれる。おバカ知事と思っていたら、おバカ発言の中から、見ている私達に、(考える 理解する 恐怖を知る)事を教えてくれていた。確かにB級の映画かもしれない…今じゃ作れないかもしれない(現実すぎて)映画を嘘の産物と言う前に、考えながら観て欲しいし、考えさせられた…最期の瞬間まで手を抜かず警告を発した所がまた上手いと思った。(見てたお陰でニュース報道があらかた理解できた)  東京原発 [DVD] 関連情報

吉田満 ポールダンシングボーイ☆ず<初回限定盤> [DVD]

ストーリーとしては、ポールダンスの先生と詐欺事件につながりがあったところが肝なくらいで、展開を追うのも退屈。演技もまあ…「知ってた」ってやつですか。イケメンがいっぱい出てくるところ、そして彼らがクライマックスでちょっとだけふんどし姿を見せてくれるところ以外にこれといって特筆すべきものはないかな。 ポールダンシングボーイ☆ず<初回限定盤> [DVD] 関連情報

吉田満 戦中派の死生観 (文春学藝ライブラリー)

著者は、学徒出陣で海軍入りし大和に配属され、沖縄への特攻作戦に参加。かろうじて生き残った戦後、自身の体験を「戦艦大和ノ最後」に書くが進駐軍の検閲により発禁処分となった経歴を持つ。(経緯は江藤淳の著書に詳しいし、小林秀雄や青山次郎が出版に力を貸し一部を改変してやっと出版にこぎつけたことはこの本から伺えるが)この本は、戦後すぐの文章から病中に口述筆記し絶筆となった「戦中派の死生観」まで、本人が出版社の求めに応じ全体の構成を考えていたものが死後実現。今から25年も前の本だが、その後の日本が著者の突き詰めようとした日本と日本人のアイデンティティを明確にしたとは思えないし、最近はむしろ後退し戦前の(真の自覚した個人が不在の)空虚な言葉が独り歩きする愛国心が亡霊のように出てき、改憲を口にするのが少し歴史をかじった(アメリカに押し付けられたと)人達に流行る平成十七年の今、戦争の只中で生死の竿頭にあった著者が書き記したこの文書に対ししっかり答えを出す努力が私たちに求められていると思う. 戦中派の死生観 (文春学藝ライブラリー) 関連情報




Loading...


ここを友達に教える