あかずの間(廉価版)
まさしく「ヴィジュアル・ノベル」で、一応選択肢はあるのだけれど、ストーリーがダイナミックに変化していくということはなく一本道です。
誤った選択肢を進むと効果覿面で、主人公があっさり死んでしまいます。
アメリカン・コミックの漫画家、ジーン・コーランのおどろおどろしい絵や、心霊ホラーっぽい題名とは全くイメージが異なり、内容はSFホラー。
モンスターの正体は余り真新しさがないアイデアなので、ミステリやSF小説のファンだとほとんど序章でわかってしまいますが、小説としても中堅どころの出来ですので、最後までそれなりに楽しんだプレイが出来ます。
あえて人物の絵を登場させないで、背景やアニメーションCGでビジュアル的な盛り上げをする点はさすがです。
プレイ時間約2時間程度で、手軽に楽しめる作品でした。
超高層のあけぼの [完全版] [DVD]
霞ヶ関ビル建設を賞賛する
産業タイアップ映画なので
鹿島建設と三井不動産、および、関連企業の
宣伝色が強すぎるとの批判はあると思います。
川久保潔のナレーションが説明口調のため
劇映画なのか、産業記録映画なのか
見ていて、よくわからなくなります。
ただ、2時間40分の長丁場を飽きさせません。
36階建てを決定するトップ会談を
俯瞰でとらえるカメラワーク。
圧倒的迫力のビル建設シーンを美しく彩る
伊福部昭の重厚かつ壮麗なサウンド。
本大作の主演”H型鋼”の魅力を引き立てる
豪華配役陣も見ものです。
まるで東宝映画な、池部良と新珠三千代の夫妻。
唐突に出てきて意味不明な、丹波哲郎。
おしゃれに蝶ネクタイをしていながら
セリフが全然ない、内田朝雄の設計事務所会長。
天才クレーンオペレーター(田村正和)の恋人を演じる
えらくブサイクなヒロイン(これでニューフェイス?)。
中村伸郎の建築学者、
伴淳三郎の出稼ぎ労働者とその妻(利根はる恵)、
北林谷栄のダム建設現場の飯場のおばさん、
菅井一郎の土建屋のオヤジ、
根上淳の少し嫌味な不動産会社役員……
いずれも適材適所な好配役です。