僕達急行 A列車で行こう [DVD]
瑛太が観たくて選んだ作品。
森田芳光監督の遺作だったのですね。
鉄道ファンにも、いろいろあって、松山ケンイチ扮する小町は、音楽を聴きながら車窓の風景を楽しみ、瑛太が演じた小玉は、パーツとか、機械音とかが好き。お互いに決して自分の主義を曲げないけれども、認め合う感じが良かったです。ラストシーンは、それを特に感じます。こういうサバサバした友人関係っていいですよね。
社会の中で生きていくうえで妥協も時に必要だけれども、と言うか……ほとんど妥協ばかりですが、せめて、趣味くらいは、信念というか、自分を貫き通したいなって思う昨今です。
内容的には、特に感動する部分もないのですが、二人が着ていたパステルカラー、ピンクとブルーのセーターに象徴されるように、春の陽だまりのような映画です。
「青春18切符」を使って、時間を気にすることなく、目的もない旅に出たくなります。
僕達急行 A列車で行こう (集英社文庫)
この小説の場合は映画の方が原作になるので、気になる方はまず何はともあれ映画を観ることをお勧めします。
まあ、内容はほぼ映画に沿って展開されるので、評価はイコール映画の評価ということになりますよね。それで
『僕たち急行』を記憶に留めたいと思ったら手にとれば良いのではないでしょうか?値段も最近の文庫本にしては
比較的良心的ですし。
映画のようにガンガンと電車が出てくる訳では無いですが、映像でうっかり見逃したり、勘違いしていた人間関係や
心理描写などがおさらいできるので、純粋にお話として楽しめると思いますよ。個人的には小町くんと小玉くんの
不思議な共同生活のシーンなどは、何となく好きです。
まあ、映画で指摘されているとおり、話としてはうまくいきすぎるきらいはありますけど、昨今流行った裏切りや人間
の汚さ、他人を信用しないことを強調する作品ばかりでは、あまり良いニュースの無い世情とシンクロしすぎて、自分の
心まで荒廃してきそうなので、たまにはこんな安心できる作品も必要なのではないでしょうかね。
電車云々が注目されがちな作品ではありますがそればかりではなく、私としてははこんな人間ドラマもありかなと結構
楽しみました。
僕達急行 A列車で行こう [Blu-ray]
2人の鉄道男子が主役の作品。会社員の小町(松山ケンイチ)と、鉄工所2代目の
小玉(瑛太)は、電車の車内で偶然出会い、それから仲のよい友人同士だ。
2人の共通の趣味は、鉄道好きだが、仕事に趣味にと人生を楽しんでいるが、
オタクの弱点である異性との関係に悩んでいる。デートの最中でも、自分の世界に
入り込んでいる2人のオタクは、女心が分からずに途方に暮れる。彼女の告白よりも
気動車の動力音に興味がいってしまう場面では、笑いが出る。
鉄道を主題にしている作品だが、そのインパクトは弱く、都内そして近郊を走る
鉄道、そして、九州の鉄道が複数登場するぐらいで、肝心の人間ドラマも薄い感じがした。
作品に登場する鉄道オタクは、紳士的な連中が多く、自分の主張で固まった者ではなく、
相手の意見も尊重する大人のマニア的な連中なので、好感的に見える。
全体的にはのんびりした雰囲気の作品で、安心して鑑賞出来るのは、本作品の魅力かも知れません。
(少し退屈ですけど・・・) 作品中に登場するHOゲージの大型のレイアウト(鉄道模型)。
アレ・凄いと思いました。高額な大人の玩具という感じで、西鉄の車両も走っています。
九州の会社の社長の持ち物だが、業者に組み立ててもらった物らしく、壊れても自分で修理が出来ない。
関東人からすると、西鉄の車両の鉄道模型なんて珍しいと思いました。西鉄の車両と京急の車両が
平行で走っている場面では、変な感じ。
僕達急行 A列車で行こう <豪華版> (初回限定生産) [Blu-ray]
素朴で不器用だけど爽やかな後味の残る青春コメディ映画。趣味が取り持つ縁で若いサラリーマンがどんどん人脈を広げ、仕事もとんとん拍子に進んじゃううというパターン。(笑) 鉄道オタク青年(鉄っちゃん)たちを主人公にした鉄道版「釣りバカ日誌」です。
ただし、主人公は「釣りバカ日誌」のハマちゃんほどには浮き世離れしていません。常識的なサラリーマンであり、人のいい町工場の二代目だ。仕事はできるが、ガツガツはしていない。熱くなることがないのか、熱くなってもそれが態度には表れない。それは女性に対する態度も同じで、来る者は拒まないが、それが嬉しいんだか迷惑なんだか。付き合っていた女性が去っても追うようなことはなく、去るに任せてしまうようなところがある。(とはいえそれでも、しっかりと傷ついてはいるのだ。)こうした主人公たちのキャラクター造形は、きっと今の20代後半ぐらいの人たちの等身大の姿なのかもしれませんね。
登場人物の名前がすべて特急の名前だったり、九州ロケの美しい風景、軽やかな会話や心地よい効果音など、すべてが旅情を喚起させて楽しい。主演の松山ケンイチ、瑛太をはじめ、出演者は皆、好演。森田監督の早すぎた遺作が、さらりとした幸福感に満ちた佳作だったことが何より嬉しい。
松山ケンイチの会社での社長(松坂慶子)を取り巻く常務(西岡徳馬)や部長(菅原大吉)たちのコントめいたエピソードなどは、かつての森繁久彌や三木のり平らの「社長シリーズ」へのオマージュたっぷりでした。だから、本作の配給は東宝かと思ったくらいです、いや、前述の「釣りバカ日誌」の松竹かとも。エンドクレジットを見ると東映でした。(笑)
テンポ良く始まった物語も、途中少々ダレ気味にはなりますが、効果音を大げさに使ったり、ナンセンスなギャグが各所に配置されていたり、短所もどこか許せてしまう暖かさがありました。
シリーズ化して欲しかったけれど、ホントに残念です。合掌。