世界はどのようにしてできたか―自然科学と信仰
科学と宗教はあたかも相反するかのようにいわれて久しいけれども、古くから、実は神の存在を信じる物理学者は多い。
生命科学の研究に携わるものとして、私自身、人間の英知を超えた、あまりにできすぎた生命システムの神秘には驚かされる事しばしばである。
そんな中、物理学者が物理学的理論の見地にたった天地創造の解釈、生命の不思議、を書いた本をずっと読みたいと思っていた。かといって物理学的素養には乏しいので、あまり専門的な立場から書かれてもとっつきにくいのだが、この本は、私のような物理学素人にもわかりやすく、とても興味深かった。そして、神を信じるか信じないかにかかわらず、地球や人間のような生命体の存在が、いかに物理的、数学的に希有な事象であるか、というのがよくわかった。宗教や霊的な話が非科学的である、と思われている方も、是非一読してみてほしい。