呪みちるさんの作品は青空の悪魔円盤だけが手元になかったので、今回TRASH UP‼︎さんからこのように傑作選として出してくださったのは本当にありがたいです。どれも傑作ばかりでしたが、中でもリューゲルと怪人赤マントが最高におもしろかったです。第二弾の傑作選も楽しみでなりません。 人造人間の怪 呪みちる初期傑作選I 関連情報
一部の読者には根強い支持のある実力派ホラー漫画家・呪みちるの、初期作品の復刻単行本第二弾が、ようやく発売されました。毎度のように当初の予定より大幅に遅れて待ちくたびれたけど、無事発売されて安心しました。この作者の単行本は、どれも内容は良いのにすぐに絶版・プレミア化という嘆かわしい状況が続いてるのですが、地道に復刻本を出し続けてくれるトラッシュアップ社には本当に感謝です。本書の発売も、とても意義のあるものだと思います。今回の第二集「火星高校の夜 呪みちる初期傑作選II」には、今は亡きソフトマジックから出た「青空の悪魔円盤（著者の初単行本）」「押入れのウーリー（2冊目の単行本）」からの抜粋4本に、単行本初収録作品（いずれも2001年までの初期作品）4本を加えた、合計8本が収録されています。巻頭にカラーイラスト1点、巻末にホラー愛好家・餌食姫氏の作品解説があります。第一集「人造人間の怪 呪みちる初期傑作選I」と比較して目玉的作品には欠けるものの、本作も良質な作品集に仕上がってると思います。グロテスクで生理的恐怖をすもの、正統派怪談風、幻想ホラーなど、バリエーションも多彩。前作が気に入った人はもちろん、広くホラーファンに勧められる内容だと思います。絵が恐ろしくも美しいのがいいですよね。初期2冊から抜粋された作品の中では、残酷な中にも宇宙の神秘やロマンを感じさせる「夜空に消える」が凄く好きですね。新録作品では、奇病で爛れた肉体や気色の悪い毒虫など徹底してグロテスクな表現で迫る「地獄の色」「怪談乳房榎茸」が、特に印象に残りました。しかし昨年発売されたばかりの「人造人間の怪～」が、もう品切れというのは何とかならないのでしょうか・・・。小さな会社なので難しいのでしょうが、ほんと再販頼みますよ。ソフトマジック本だけでなく、ぶんか社からの3冊目「口裂け女あらわる!―昭和怪奇伝説」にも悪魔天才（サタンキング）風間丈シリーズを始め代表作が入ってるので、ぜひこちらも再刊を望みたいです。 火星高校の夜 呪みちる初期傑作選II 関連情報
この人のホラー漫画には、取り返しのつかないことが起きてしまう恐ろしさと、心をかき乱され続ける切なさがある。そして、奇想と構成の素晴らしさ！「青空の悪魔円盤」以来のファンですが、掲載誌を追うのが大変な氏の漫画を１６年のキャリアから集めたこの分厚い本はもはや奇跡のような存在です。狂ったように読みふけり、読了後即第２集を心待ちにしているところです。著者と編集者にひたすら感謝。 ライオンの首 呪みちる作品集 1996-2012 関連情報
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