大野雄二ベスト〜コロムビア・エディション〜
仮にも『コロムビアエディション』を標榜するからにはもっとこの会社しか音源を所有していないようなマル特重要曲を優先して収録すべきではなかったか。何を今更な「ルパン3世」のテーマ(そりゃまぁ確かに重要な曲ではあろうけども)より「マグナムダンス」のオリジナルバージョンとかの方がミュージシャン大野雄二を聴くには相応しいし、劇中でも多用されたファンもそれなりに納得できるナンバーでもあったろう。「マリン・エクスプレス」、メインテーマよりも現在どういう訳かゴダイゴのシングルコレクション2でしか入手出来ないレアなトラックになっている劇中BGM「序曲」の方をこうした作曲家本人の名を冠したアルバムへ配置してファンの耳に入り易くするのが音楽配信会社の責務であると考えるがいかがなものだろうか。確かに既に収録時間はほぼ限界ではあるが別に1枚で収めねばならぬという決まり事があるワケでもなかろう。2枚組でも内容さえよければファンは購入するものである。それはこのAmazonへ寄せられたいくつもの声を見れば自ずと理解できる事でもある。
気まぐれ本格派 BOX1 [DVD]
70年代に一世を風靡したユニオン映画の石立鉄男シリーズの最後の作品となる「気まぐれ本格派」であるが、残念ながらその他の作品に比べて見劣りがする。映像や編集も丁寧で、ホームドラマとしては決してレベルの低いものではないが、石立鉄男のキャラクターが一人歩きし、空回りしている感がぬぐえない。いつもながらのテンションの高いパフォーマンスであるが、それを受ける脇役陣が弱く、魅力がない。不必要な登場人物が多く、フォーカスが定まらないのも問題だろう。それまでほとんどの作品で監督を務めていた千野皓司氏が抜けたのも大きな要素かもしれない。それまでの作品があまりにも優れていたために相対的という意味で星三つとしたが、それはあくまで石立作品の中でという意味で、普通のホームドラマとして見れば、十分楽しめる作品だろう。