イーオン・フラックスはアメリカで長い間主要紙の新聞紙上で連載されてきた漫画。アメリカ人にはスパイダーマンやバットマンと同じような存在。ただ日本ではこの漫画はさほど有名ではなかった(というか、ほとんど知られていなかった)ので、映画をいきなり見た人にとっては「なんだ、これ?」という感想になるかもしれない。映画は生命の有限性という難しいテーマを扱っただけに単純な娯楽とは一味違ったものになった。桜の画像など、映像に日本的な美意識を求めた監督についても評価が分かれるだろう。そのような難しい状況のなかでシャーリーズ・セロンの演技は嫌みや気負いがなく、よくやっていたように思う。オリジナルの漫画に親しんできた人にとっては☆4つ、そうでない人には☆3つというところか・・。 イーオン・フラックス プレミアム・エディション [DVD] 関連情報
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シャーリーズセロン主演のSFアクション映画。元はアメコミが原作だそうですが、スーパーヒーロー物ではなく、マトリックスのような「支配する者VS反体制組織」といった舞台背景の映画。シャーリーズセロン演じるのは反体制側でもピカイチの戦闘能力をほこるメンバーです。主なアクションシーンはもっぱら彼女が担当。SFらしい近未来的なコスチュームで柔軟かつアクロバティックなアクションを次々披露してくれます。この人の場合、元々非常に気品のある容貌なので、どんなことをしても決して泥臭くならないし、ある種、現実離れした独特のオーラは、この映画の雰囲気にピッタリなのではないでしょうか。ストーリーの方はSFとしてはよくあるタイプ。言ってみれば普通の近未来SF映画…ではありますが、適所に見せ場、盛り上がりポイントが設けてありますので、そこそこ面白いです。多少のご都合主義や、放り投げっぱなしの伏線は気にせずに、気楽に観ることをオススメします。ちなみに、この世界観が気に入った方には、原作アメコミもDVD化されているのでそちらもさらにチェックしてみるのもアリかもしれません。 イーオン・フラックス スタンダード・エディション [DVD] 関連情報
反政府組織の女性暗殺者を、『モンスター』でアカデミー賞を獲ったシャーリーズ・セロンが演じて話題になった、SFアクション映画。物語の世界観や設定は、特別に目新しいものではありませんでしたが、ただのSFアクション映画と思って観ていたら、ストーリーに倫理的なメッセージが込められた映画だったのが意外でした。黒髪のシャーリーズ・セロンは美しくかっこいいですが、SFアクションとしては『マトリックス』の後でもあり、取り立てて新鮮味はありません。主人公が属する反政府組織も、敵対する政府側も、とてもこじんまりとした感じがして、スケール感がないのも残念。なぜ、反政府組織が、そこまで政府に敵対しているのかもよくわかりません。(時々、行方不明になる人がいる、だけではちょっと・・・。)ストーリーの核心になる倫理的なメッセージも、今までもよくあるテーマでした。とにもかくにもシャーリーズ・セロン!という感じなので、ファンの人なら、そこそこ楽しめる映画ではないでしょうか。 イーオン・フラックス [Blu-ray] 関連情報
人類の98%が死滅し、外界から隔離された都市で人類が生き延びている近未来の物語。衣食住の心配の無いユートピアで、だけど人々は無気力に生きている。頻繁に起こる行方不明事件にも疑問すら持たず・・・。すべての疑念と謎を、反政府組織の最強の戦士イーオンが徐々に紐解いていく。もともとはアニメ作品だったそうだけど、オリジナルを見ていない私には充分楽しめる内容でした。「ノイズ」で”か弱い地球の女性”を演じていたシャーリーズ・セロンが、今度は”最強の戦士”を演じている映画の出来が楽しみです。 イーオン・フラックス (竹書房文庫) 関連情報
観賞に際し、余計な予備知識は一切無しの白紙状態で臨むため、今回は、ア二メが原作だし、きっと"御手軽な勧善懲悪ヒーロー物"なんだろうって、大して期待もしてませんでしたが、予想と全然違ってSFながら意外にきちんとした内容(・・・設定が隔離された狭い世界の話なので、スケール感みたいな物は無く、こじんまりとしたB級カルト作品って感じですけどね)だったので、最後までしっかりと観続けることが出来ましたよ・・・南アフリカ出身のシャーリーズ・セロンを始め、主な出演者がヨーロッパやオセアニア出身ばかりなのと、ロケ地ベルリンのアバンギャルドかつミニマルな建築物や景観のクールさ、監督カリン・クサマが日系3世だからなのか、ちょっと鼻につくほどの和風テイスト(・・・キンキラ障壁画っぽい室内装飾に畳や和傘、和服っぽい作りの衣装、"日の丸"その物の街中の壁画やらダサい駅前商店街のチープな"お花見装飾"的な桜の樹etc.そこかしこに出てきます! そもそもセロンのいでたちからして忍者っぽいし、ほとんど無表情の端正な顔立ちは"能面"さえ思わせます)など、ハリウッド臭がほとんど感じられないので、なんかヨーロッパ製のアート系映画を観ているような気分にもなります・・・残念ながら現在は廃盤になってしまった、グレーム・レヴェル作曲のダークでどこか『マトリックス』っぽい無機質&硬質な音楽が全編に亘って繰り広げられるサントラ[geneon/GNCE-3048]も中々良い出来なので、手に入れる機会があればぜひ御手元に、というオススメ盤です!何と言っても、ほとんど全て(・・・映っている95%だそうな)のアクションをスタンドイン無しでこなしたセロンの頑張りが光ってます! 永年のバレエで鍛えあげたしなやかで美しい肢体が最大の魅力だが、彼女同様アカデミー主演女優賞を受賞しているフランシス・マクドーマンド(・・・テリー・ギリアムの映画にでも出てきそうな奇妙なキャラ)や、助演賞ノミネーターのピート・ポスルスウェイト(・・・こちらは『砂の惑星』ぽい雰囲気)にソフィー・オコネドー(・・・サイボーグみたいにクールなセロンに対し、"熱ぅい"人間性を発揮)などなど重要な役どころに芸達者で豪華な布陣を敷いた出演陣に混じって、ドイツの"怪優"クラウス・キンスキーの息子ニコライ(・・・あのナスターシャの弟です)が出てたり、映画冒頭の印象的なシーン、セロンとのディープ・キスを偽装してカプセル受け渡しをした"モニカン連絡員"役を演じたのが、撮影当時、実際にセロンのプライベートなパートナーだったスチュワート・タウンゼントだっていう楽屋落ち(・・・ラスト・クレジットに彼の名は出てこず!)があったりで、結構マニアックな楽しみ方の出来る一篇でもあります・・・ イーオン・フラックス【日本語吹替版】 [VHS] 関連情報