言わなければよかったのに日記 (中公文庫)
著者は深遠なテーマを書くイメージがあり、敬遠していた。しかし、こんな本があったとは。
例えるなら「バカボンのパパ的」本です。抱腹絶倒間違いなし!間違いなく「即買い」だ。
私はこの本を読んで以来、「行かなければよかったのに日記」とか「買わなければよかった
のに日記」など、タイトルを真似てしばらく日記をつけていたなぁ・・・。
三島由紀夫が最も怖れた作家、というのも少しわかった。(←えっ、意味が違う?)
楢山節考 [VHS]
深沢七郎が中央公論新人賞をとった「楢山節考」を原作にした作品です。
で、見ていて一番気になったのは、この村人達は本当に食うのに困っているのだろうか?ということです。食い扶持を減らすため婆さまを遠くの山に捨てに行く、という棄老伝説を題材にした話にしてはそこまで村の人たちは困ってないんじゃないの?という感覚が抜けませんでした。
原作に書かれていたエピソードは忠実に描かれていて普通に見れました。あとは今村監督の脚色なんでしょうか?原作にないものもけっこうあります。
最後の、緒方拳が自分のおっかあを楢山に捨てに行き、帰り際雪が降り、そして思わずおっかあに向かって叫ぶシーンは、原作と同じく、なみだ滴ります。
深沢七郎外伝―淋しいって痛快なんだ
私は、必ずしも深沢七郎の良い読者ではない。『楢山節考』こそ読んでいるが、そのほかの著書は「積読」の状態である。しかし、『風流夢譚』事件などのことは知っていたし、興味をくすぐられる作家の一人である。
本書を読み、深沢の生き方を表現するには「気まま」という言葉が合うのかなと思った。「自由」と言うと“責任”が付いてくるし、「わがまま」とも違っている。小説家としてデビューするまではもちろん、『風流夢譚』事件後の放浪、「ラブミー農場」や「今川焼」とその時々で、好きなように生きているように見える半面、やることはしっかりやっている。例えば、「ラブミー農場」では、金を出しておしまいというわけではなく、自分で農作業をしている。しかも、最も好きな作業というのが、たいていの人が嫌う「草刈り」というのだから、責任感からやっているのとは違っている。「今川焼」でもきちんと修業をしている。
著者は1970年代後半から深沢を担当した編集者だけあって、単に調べただけでなく、自分の目で見て、感じたことも交えながら、上記のように深沢の過ごした日々を分かりやすく描いている。
深沢のギターの腕前や同居人(一時期は2人)がいたことも初めて知ったし、決して貧しくはないその出自、また佐久総合病院とのかかわりなど、深沢の人となりが浮き彫りになっている。川端文学賞は辞退したものの、谷崎賞を受賞したことについて書かれた部分では、『風流夢譚』事件以後も、深いところで“反骨”の魂を秘めていたその人生観に迫っている。
全体の3分の2が深沢の生涯であり、残りの3分の1は、著者もかかわった死後19年目の新刊、同居人のその後、彼の遺品など、その死後の顛末について書かれている。
なお、深沢七郎の生誕100年となるのが2014年である。。
深沢七郎が中央公論新人賞をとった「楢山節考」を原作にした作品です。
で、見ていて一番気になったのは、この村人達は本当に食うのに困っているのだろうか?ということです。食い扶持を減らすため婆さまを遠くの山に捨てに行く、という棄老伝説を題材にした話にしてはそこまで村の人たちは困ってないんじゃないの?という感覚が抜けませんでした。
原作に書かれていたエピソードは忠実に描かれていて普通に見れました。あとは今村監督の脚色なんでしょうか?原作にないものもけっこうあります。
最後の、緒方拳が自分のおっかあを楢山に捨てに行き、帰り際雪が降り、そして思わずおっかあに向かって叫ぶシーンは、原作と同じく、なみだ滴ります。
楢山節考 [DVD]
83年度カンヌ映画祭でパルムドール。
現代日本映画の様なウソ臭さはまるでなく、リアルな古代日本が描かれており
演技、台詞、生活背景、ロケ地や小道具、すべてにおいて優秀で、
なおかつ登場人物の心理描写も優れています。
ラスト30分の展開は釘付け。
脚本だけで無く、演技や映像美も兼ね備え、
それでいて「観る者を楽しませる」エンターティメン性も兼ね備える、
黒澤・溝口・小津らと並べても何ら遜色の無い素晴らしい映画。
われわ日本人から観ると「普通」に見える「うなぎ」が
カンヌを取ったことは、正直微妙な感じがするが、
楢山は本物。映画ファンは必見。