ゲゲゲの鬼太郎 60’s+70’s ミュージックファイル
この二枚組のCDはアニメ版「ゲゲゲの鬼太郎」の第一、第二シリーズのBGMのなかか
ら、マスターテープに残っていた全119曲すべてを収録したものです。第一シリーズで
の使用が確認されているものの、発見することができなかった数曲をのぞく、すべての音
源を収めています(楽曲解説によると、その数曲とは「吸血鬼エリート」の回でエリート
が弾いていたギター曲、「笠地蔵」の回でのコーラス曲、おじいさんが笠を売り歩くシー
ンの音楽です)。
両シリーズは1967年10月、68年5月に録音した同じ楽曲を使っていました。つまり両
シリーズの音源は同じなのです。そこでこのCDは一枚目を第一シリーズ(モノクロ
版)、二枚目を第二シリーズのイメージで編集しています。
さらに二枚目のCDにはソングコレクションとボーナストラックを収録しています。ソン
グコレクションは『ゲゲゲの鬼太郎』のために録音された5曲を、オリジナル版フルサイ
ズで収録しています。一方ボーナストラックはボツになった第二期のオープニングを「ゲ
ゲゲの鬼太郎 TVサイズ別SEミックス」と銘打ち、再現しています。
本CDと関連して注目したいのはあの有名な「ゲゲゲの歌」が、テレビアニメ化が難航し
ていた鬼太郎を救ったことです。「ゲゲゲの歌」とは正式にはLPレコード『少年マガジ
ン マンガ大行進』(1967年7月発売)の収録曲として水木先生がつくった、「墓場の
鬼太郎」のイメージソングです。鬼太郎のテレビアニメ化の話はその3年前からありまし
た。しかし「墓場の」という原題がお茶の間にあわないという理由から頓挫していまし
た。そこで「墓場」から、イメージソングの歌詞に登場する「ゲゲゲ」に変えることで、
問題が解決したのです。TVアニメーション『ゲゲゲの鬼太郎』の放送がはじまったのは
翌年1月のことでした(武良布枝さんの『ゲゲゲの女房』にもくわしい記述があります)。
【ソングコレクション】
「ゲゲゲの鬼太郎」
「カランコロンの歌」
「鬼太郎ないない音頭」
「鬼太郎メキシコオリンピックマーチ」
「鬼太郎妖怪クリスマス」
綿の国星 [DVD]
DVDはひっそりと出ていたんですね。LBサイズで音声がモノラルは正直ショボイですが、おことわりに「差別表現が・・・」とあります。擬人化であっても少女の扱いにはマイナス要因なのでしょう。古い作品ですのでアラを捜したら切りが無いですが、声優陣は素晴らしいです。特に羽佐間道夫さん野沢那智さんが輝いています。
日経おとなの OFF (オフ) 2011年 09月号 [雑誌]
日経おとなのOFF2011年9月号は、おとなのミステリ案内として70ページ近くの特集を組んでいます。まず東川篤哉さんの「謎解きはディナーのあとで」を例に挙げ、導入、状況説明、問題解決を踏まえた本格ミステリだと解説し、東川さん、辻さん、有栖川さんの鼎談、僕はこんなミステリを読んできたに入ってきます。そして、三者の推薦するミステリが、緋色の研究、奇岩城、三つの棺を始め18作紹介されていますが、日本人の作品には、異論のある方もおられるかなと思います。次いで、ミステリ作家の系譜、基礎用語、このトリックが凄いが紹介されていますが、物足りない方は、成書が沢山出ていますから、そちらをどうぞ!
次に、東野圭吾さんの2大ヒーローの研究として、加賀恭一郎、湯川学のプロフィール、代表作が紹介されています。そして、古今東西の名探偵30人のプロファイリングと履歴書が紹介されています。
そして、パトリシア・コーンウエルの主人公ケイ・スカーペッタの食卓として作品に登場する料理を、アルポルトのオーナーシェフ片岡さんが再現しています。これが最大の読み物の一つかな?そして、もう一つの読み物、2011年上半期ベスト10です(国内、海外、そして、ランク外のお勧めも掲載されています)。私は、ジェノサイドと犯罪に挑戦してみようかな?
最後にミステリの舞台を巡るとして、ベイカー・ストリート221Bを嚆矢に13ヶ所の内外の観光案内、ミステリが紹介されています。
初心者向けですが、面白い記事満載で、この手の特集としては、よくまとまっていると思います。
旅のエッセイ教室―地球の書き方、歩き方
最近の旅本コーナーでの、紀行文の氾濫に食傷気味となっている人は、この本を手にとってもらいたい。少なくとも巷の自費出版本に見られるような自己中心・自己完結の紀行文と違い、編者・第三者の講評を受け入れた文章は、「人に読んでもらう」事を考えている。個人で旅の話を発表しようとする人は、読者を想定して文章を作成するべきである。この本が世に出る理由はそこにあるかもしれない。朝日カルチャーの教室の作品集ではあるが、仲間内だけに通用するネタで満足している同人雑誌のレベルは既に卒業している。続編を期待したい。