うちのホンカン(1) [VHS]
喧嘩をして、口を聞かなくなった八千草薫さんと
大滝秀治さんの夫婦が、どうしても伝えなければならないことがあり、
ホワイトボードに書きあって伝えるシーンが馬鹿におかしい。
コント55号のコントのようである。
社長室はいりません やずやの少数盛栄経営
私はやずやとつきあい始めて17年。
最初の10年は出入りの広告代理店。
この10年は同じ早朝勉強会仲間。
今は仕事のつき合いはないが、
昔、求人広告や会社案内を作成させてもらった。
当時の年商は10億〜30億。
創業から20年は年商数千万円程度だったが、
夫婦40代の時から急成長した。遅咲き。
地方の創業企業としては大成功だ。
ところが1999年、創業者の夫が死んだ。
誰もがヤバイと思った。
創業者が死ぬと大半の中小は終わる。
が、妻と社員と子供達が奇跡の成長を遂げた。
10年でザッと10倍の300〜400億。
いったい、何が起きたのか。
酢が当たったとか通販広告マーケティングがうまいとか、
経営計画書を書いたからとか言われるが、
それも全部該当するが、
この本で新たな理由らしきことを知った。
それは、現会長は、生まれて数週間で母を亡くし、
父も小6で亡くしている。
再婚した育ての母・・とは、これは私の推測だが、
たぶんうまく行かず・・(これは間違いでした)
結果、祖父母に溺愛して育てられた。
つまり、実の両親とは、非常に縁が薄い。
これが強烈なトラウマとなり、
逆に社員やお客、取引先への愛や想いが強い。
矢頭美世子は、人を育てるのが使命天命生きがいという。
それは、昔の自分を救いたいのだ。
トラウマを抱えた、しかし、
前向きに生きる女性におすすめする。
創業者夫婦が初めて語る「やずや」の秘密著者
新座頭市物語 折れた杖 [VHS]
勝新太郎はこれ以前に『顔役』という映画を撮っているが、座頭市のメガホンは本作が初。
後のTV版座頭市で見られる凝った構図や編集、起承転結よりもインパクトのある構図を優先する演出スタイルが素晴らしい。
また台詞もリアリズム重視の聞き取りづらいなど(だが、それらが決して作品の完成度の足を引っ張っていない)本作は勝新ならではの美学に貫かれた一本と言えよう。
惜しむらくは、本作は国内では2009年8月時点で未だDVD・ブルーレイ化されていないこと。
僅かに残ったVHSのレンタルを探すか北米で画質・音質はそれほど良くないもののDVD(但しリージョン1)が発売中なのでAmazon.comなどで注文するなどしてしか観ることは出来ない。
決して万人受けする映画ではないが、役者バカ・名アーティストとしての勝新太郎に惚れ込んだファンなら必ず満足出来よう。
東京シネマ酒場 あの名作と出逢える店を酔い歩く
おしゃれで個性的だった恵比寿ガーデンシネマの元支配人による居酒屋めぐりエッセイ。映画と酒場をテーマに、いまはなき夕刊紙「内外タイムス」での連載をまとめた。居酒屋一軒の予算は3000円前後、公共交通機関を使い、下車駅からお店までの歩数を記録することというのが連載の条件だったそうで、お店は値段、雰囲気、ともに中年以上のおじさんたちが行っても安心してくつろげそうな店が並ぶ。その紹介も、まるで練達の落語家のような語り口、テンポがあって楽しい。うんちくらしきところもいやみがない。「ここ美味いんだ。古いんだ。好きなんだ」、小津の映画のセリフのようなフレーズの数々。「酔客同士の話というものは他愛がないからいいのであって、酔いもさめるような話は、これを避けることになっている。…万年筆のライトブルーのインキは国産品のパイロットに限る。こういう話で良いのである」。ま、せいぜいむずかしくでも毎日新聞はどう生き残るか、くらいとかね。酒場時代の山口瞳のようです。紹介のまくらや、話のきっかけとして語られる映画業界の裏話、有名無名問わず、映画に関わる愉快な人たちのエピソードもこの人ならではの内容。宣伝部や制作部といったマスコミ向けの派手な世界だけでなく、街々の映画館へのセールスマンだったころの、映画屋さんたちの生活ぶりが興味深い。月に10日ほどある地方セールス、「旅の前には蕎麦を控え(長野県内全域で供される)、焼き肉を控え(松本市内で集中的に供される…、カラオケを控え(群馬市内で20曲は唄)…」、夜中にベッドでこのくだり読んでいて声を出して笑ってしまった。どれを食べてもおいしい店というのは実際あるが、この本、どこを読んでも面白い。
「千の風」の世界
「千の風になって」がヒットチャートの1位になったこともあり、日本中にこの曲が届きました。今またここに、3つの朗読と変化にとんだインストゥルメンタルと合唱が収録されており嬉しい限りです。
演奏では、幸田さと子さんのとてもよく歌うヴァイオリンの演奏に惹かれました。伸びやかで透明感のある音色がどこまでも遠くへ届くようなヴァイオリンです。「千の風」の世界を一番理解して音にのせていると感じました。フルートの赤木りえさんの演奏も同様に素晴らしいものでした。
名優大滝秀治さんの朗読はいつもながら味わい深いものがあります。新井満さんの詩よりも原詩に近い訳ですね。
11歳の宮城とわさんによるオリジナルの英詩の朗読によって、原詩のよさをあらためて知る方もおられると思います。世界中の多くの人がこの詩によって幾度となく感涙されたことでしょうから。
少し気になった点は、藤原真理さんの演奏において藤原さんか編曲を担当された上田益氏の好みだと思うのですが、新井満さんの旋律とは少し異なり、上昇音型で1ヵ所半音上げて演奏されています。音楽的に変化をつけられる意図も理解しますが、新井満さんのオリジナルのほうが素直で聴く者には心地よいと思います。個人的には惜しいと感じました。
愛する大切な人との永遠の別れという悲しみのどん底にいる方に是非聴いていただきたいアルバムです。少しでもその方々の心に安らぎが訪れますように。