フランス・ルネサンスの人々 (岩波文庫)
手元にある92年発行の文庫版初版は、もういたるところが擦り切れてボロボロになっています。何度読んでも新たな発見がある本だと思います。日本人が、「外国」の、それも「大昔」のことなんて勉強していったいどうなるの?というような批判、僕自身も、耳にタコができるほど言われてきました。簡単に言えば、渡辺一夫先生のこの本は、そのような批判をする人にこそ読んでいただきたいのです。 【パリッシーは、神学や哲学を論じはしませんでしたが、正しいものと信じたればこそ、いずれ新教を奉ずるに至るのでしょうし、他人ができる以上自分にもできるはずと考えたればこそ、あらゆる苦心をして陶器の製作に従事し成功したのでしょうし、間違いだらけの自然科学的知識が横行しているのはいけないと考えたればこそ、有名な公開講演も行うことになったのでしょう。そして、その一筋の道の果てには牢死があったのでした。無辜の民とは、こういう人だけに与えられる名称にしてほしいものです。】(「ある陶工の話」p.87)【ポステルはシャルル9世に向かって、「私はフランスからシナまで通弁なしに行けます」と豪語したと伝えられています。これはポステルの博学を証拠立ててもしましょうが、更に別なものをも証拠立てます。すなわち、言葉という人間にあたえられた尊い宝を通じて、いかなる異民族のいかなる異なった思想の異国民に対しても、人間への信頼をもって接し、知識の力によってあらゆる誤解を解決しうるという強い自信がポステルにあったということです。】(「ある東洋学者の話」p.182)【その後フランスは、政治問題や階級問題や私利私欲やらが絡みついた血みどろな宗教戦争にはいってゆきます。それから四百年後の今、神の名によって、人間同士の殺戮の口実を作る習慣は、徐々に薄らいできたように見えますし、これだけを見れば、「文明」の歩みも確実と申せるでしょう。しかし、人間圧殺の口実は、いくらでも作製できるのであり、次から次へと作られる口実が忘れ去られるには、《異端者》が何回となく蝋細工のように作られてゆき、贖罪記念碑もいくつとなく建てられるのが、いわゆる《現実》なのかもしれません。願わくば、我々の一人一人の心のなかに、それが長く、高く、堅固に建てられねばなりますまい。しかし、これは大変にむずかしいことらしいのです。】(「ある神学者の話(a)」p.222-3)日本人が、「大昔」の「フランス」の人びとの感情のひだ、生きざまに深く深く入り込み、そこから日本あるいは世界の現状を見つめ直し、咀嚼し直し、自分の生き方を決定していった、その貴重な実例こそ本書であり、それを勉強する「意味」を示してくれます。何度読んでも勇気付けられる、価値ある一冊です。
フランス・ルネサンスの人々 (岩波文庫) 関連情報
ナインスゲート デラックス版 [DVD]
ジョニーにしては、めずらしくアクの強い役です。特に、冒頭の高価な本を手に入れる手段や、バルカン氏との会話のやりとりでは、屈折しているキャラクターである事がよくわかります。個人業という事と、希少本ブローカー(めずらしい古書を探し出す)であるという職業が、自分の能力だけが頼りという世界だからかもしれません。観る前は、えらいおっさんに観えましたが、やっぱり若かったです(笑)ジョニーの場合、髪がちょっとでもひたいにかかちゃうと、もう、途端に青年になっちゃうし(笑) 口は達者だけど、ケンカの腕は…(笑)ディーン・コルソという嫌われ者が、追いつめられていくのを観ている楽しさがあります。もっと、嫌な奴を演じても良かったような気がします。何か観ているうちに、コルソがいい奴に思えてくるんですよ(それは、ファンだから/笑)でも、冗談ではなく、ジョニーって、悪役が出来ないような気がします。それが、もしかしら、役者として唯一の欠点かもしれません(^^ゞ■個性的な女たち/目的がはっきりしているので、やる事も早いデルファー夫人(レナ・オリン)いきなりだもん(笑)◆やたらめったら腕っぷしの強い、謎の女(エマニュエル・セイナー)コルソの窮地には、まるで、ナイト(!)のようにあらわれて、コルソを助けるキャラクター。コルソ時々はむかってみるが、やられっぱなし(笑)◆コルソへの皮肉の聞いた言葉が楽しい、ケスラー男爵婦人(バーバラ・ジェフォード)コルソ、時々、小僧扱い(笑)いかにも、フランス人的な、気難しさがあって、良かったです。■日本人には理解しにくい世界/やはり、アメリカやヨーロッパには、キリスト教が土台にあるので、悪魔の祈祷書という反キリスト教的なタブーをおかしているという感じがあるのでしょう。そこが、本当はこの映画を観る者に、恐怖心を与えるはずなのですが、日本人が観てもイマイチその怖さがよくわからいのだと思います。悪魔を信仰する教団とか、万能の力を手に入れるとか、いい歳をした大人が何をやってるの?って思っちゃうんですよ(笑)
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挑戦者たち -トップアクターズ・ルポルタージュ-
本レビュー時点でもう4〜5年前のインタビュー集になりますが、演劇好きな方や、好きな役者が載っている場合は買ってもいいと思います。インタビュアーは非常に真摯であり、役者もそこそこ本音をしゃべっているように見えるからです。このインタビュー集はあくまで「過去の切り取られた一瞬」ではありますが、一流の役者と言われる人間がその時々に何を考えて仕事に臨んでいるのかかいま見える一冊です。
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黒い家 [DVD]
本作品『黒い家』は邦画の数少ないサイコ・サスペンス・ホラー映画の傑作です(同じ森田監督の『刑法第三十九条』も秀作品です)。物語は…昭和生命保険会社に勤める若槻(内野聖陽)が、担当する事になった客・菰田幸子(大竹しのぶ)とその亭主(西村雅彦)。この夫婦…普通の客ではなかった。金の為なら我が子も殺し、更に金が欲しけりゃ亭主の両腕をも切断して、邪魔になる人間達は片っ端から殺すという…サイコパス(反社会的性格異常者)の夫婦だったのです。この客を担当する事になった保険屋・若槻が、菰田夫婦に精神的に追い詰められて逝き、最後には菰田幸子に命をも狙われ‘生き地獄,を味わう事になる!!…という超危険な物語なんです。本作品の最大の見所は、大竹しのぶ&西村雅彦のブッ飛び過ぎの怪演と、心理的に崩壊寸前の極限状態を熱演する内野聖陽の芝居に尽きます。STORY的にも、森田芳光監督らしい‘ハラハラドキドキ感,を魅せてくれます。この映画の恐ろしさは観なきゃ分かりませんね!。監督・森田芳光×内野聖陽×大竹しのぶ=?…知りたい人は本作品『黒い家』をご覧あれ!。観て損はしない作品ですよ!(兎に角、大竹しのぶの演技が凄すぎる)。☆追記‥監督・森田芳光が鬼籍に入ってしまった事が非常に残念です。今頃は、天国で森田監督は松田優作と芝居の話しでもしているのかなあ〜。以上です…お粗末でした。
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ふらんす亭 伝説のカレービーフと玉ねぎ(中辛) 180g×6個
辛いのが苦手な人が食べられる 上質の中辛辛口が好きな人が食べても もの足りなさはないもう少し量が多ければ申し分ない(個人的な感想です)
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