暴言で読む日本史 (メディアファクトリー新書)
本書は、歴史の教科書でも出てくる有名な20の暴言、例えば、
「平家に非ざる者は、人に非ず」
「日出づる処の天子、日没する処の天子に〜」
などを切り口として、歴史を紐解いていく内容です。
その暴言が発せられた時代背景や、その人物が丁寧でユーモアのある説明で書かれていたので、
自分が知らない時代のことも、興味深く読めました。
作者の説明が論理的で、説明の根拠が明確なので、
その暴言が、本人の自負から発せられたのか、政敵が半ば創作したのか、
などの結論も納得できました。
この本で、歴史を多角的に知ることの面白さを感じました。
歴史を学ぶ意義の一つは、例えば、
「現代の報道や政治家の言葉も、鵜呑みにすると、過去に犯した歴史の失敗を再度、犯すことになるのでは?」
と疑問を抱くことにあるかもしれません。
作者の近代の歴史認識に異議がある人もいるかもしれませんが、
歴史を別の角度から眺める点では、誰が読んでも有意義な本です。
国語入試問題必勝法 (講談社文庫)
清水氏の作品の特徴である「パスティーシュ」。もともとの意味はフランス語の美術用語で「模造品」を意味する。英語で言えば"Pasted"で、「こね合わせた」「ペースト状の」というような訳になる。これを文学作品に当てはめると、「文体模倣」「模写」「パロディ」ということになるのだろうが、清水氏はそれをさらに拡大させて、人間生活のあらゆる事象にユーモアを交えて味付けした文章と、ウィットに富んだ斬新な切り口で迫っている。
確かに国語入試問題必勝法などというものは存在しない。あるはずがない。でも、存在しないものを、ユーモアとウィットにあふれた文章で、あたかもあるように見せるのである。本当はあるかもしれないと思わせるのである。これこそが清水氏の世界なのであり、面白さなのだろう。
世にも奇妙な物語 映画の特別編〈特別版〉 [DVD]
『雪山』...飛行機墜落によって吹雪く雪山に取り残された男女5人。生存の為極度に剥き出し
になった生存本能が鳥肌が立つぐらい恐ろしや。。本編とは別に持たせたサイドストーリーを
挿入し絡み合わせる事でラストの恐怖がより引き立つね、巧い。透明感溢れる雪山の中で更に
透明感溢れる矢田亜希子さんの演技にゾクゾク。。。
『携帯忠臣蔵』...討ち入りに迷う大石内蔵助の元に何故か携帯電話が(笑)。それは300年後
の未来人からの通信だった!?とゆう、どうにも突飛なお話(笑)。このアンバランスな設定を
異色のコメディタッチで描いてます。中井貴一演じる腑抜けな大石様が実に可愛い(笑)。
でもオチで魅せる帰結には一種の感動がある。。
『チェス』...武田真治が演じる過去にコンピュータに敗北したチェスの元世界チャンピオン
が奇妙なチェス戦を挑まれる事に!?夢なのか、うつつなのか判らないような幻想的な雰囲気が
醸し出されていて惹きこまれますね。。終始サスペンスに徹すると思いきや...
『結婚シミュレーター』...あれ?奇妙だな?眼から水が止まらない...
蕎麦ときしめん (講談社文庫)
清水氏の小説に出会う前にも私はいわゆる 名古屋本にハマッていた。この本も単に「外国人 から見た日本」的に面白いものだと思い買い求めた。 しかし、確かにどうしようもないほどデフォルメされた不思議の国名古屋を紹介する場面もあったが、「蕎麦」=東京社会、「きしめん」=名古屋社会に見たてての風刺物語だったのだ。あたかも蕎麦のようにしゃっきりと独立独歩な東京社会に比べて、きしめんのつゆの中にどっぷりつかったようなぬくぬくした名古屋社会。 きっと作者は名古屋を愛しているが為にこの小説を書いたのだろう。