隣人13号 SANTASTIC ! BOX [DVD]
フィギアのデキは良さそうだし、特典映像にも興味深々。だったら、このBOXセットは買いでしょう!!
原作のいいとこ取りとしてストーリーラインは大きく変えず、登場人物を大幅にカットして分かり易くしている。原作の力、脚本の良さに助けられた部分もあるでしょうが、井上靖男監督、PVで磨いた映像感覚なのか、初監督とは思えない凄い映画でした。いきなりの冒頭の深層風景を描いたシーンの嫌悪的な美しさ!!
主人公を小栗旬(おとなしい本来の人格=村崎十三)と中村獅童(強暴な別人格=13号)が二人一役で演じている。この、主人公が1人二役ではなく二人一役、つまり別々の俳優が演じる。この演出を考えた時点で、この映画の半分は成功したといっていい。バイオレンス描写は、R-15指定だけあってホントやばいですが、原作のイメージほどは血の量は少なかった。その点が唯一の不満といえば不満かな。
それにしても、中村獅童のキレっぷりは凄かった。小栗旬の気弱そうで飄々とした感じも役柄にぴったり。そして赤井を演じた、新井浩文。すごいねホントこの人、昔本物のヤンキーだったのかと思うほど。その赤井の妻を演じたPAFFYの吉村由美もいい味を出していた。あと、13号が赤井の子供を脅すシーンがあるのだけど、そのときの子役の表情が迫真に満ちてた。あれは絶対、マジで中村獅童が脅したね。(笑)
DRIVIN’WITH MY HOMIES 2
漫画家、井上三太氏が“ドライブに合う曲”をコンセプトに選曲したコンピレーションアルバムの第二弾。ニュージャックスイングやヒップホップ、R&B、ソウル等の名曲が収録されている。漫画の中にも登場する架空のラジオ局の放送ということで、ラジオのリスナーとしてゲスト参加している“おぎやはぎ”と DJとのやり取りも含まれている。ノリの良い曲ばかりだけでなく、ドライブ終盤にも合うような落ち着いた曲も収録されており、選曲はすばらしいと思います。ニュージャックを聞いてみたい方、ドライブに合うCDを探している方にオススメします。
JUST FOR KICKS/ジャスト・フォー・キックス スペシャルBOX (完全限定生産) [DVD]
「子供の頃、新しいスニーカーを履いたら、早く走れるような気がした」
そんな子供時代を過ごした僕らは、スニーカーは人生において何をおいても大事なものになった。
「今日、履くスニーカーは決まっている、でも、このスニーカーに合う服は何だろう」
と1時間もスニーカーと服のコーディネートで悩むラッパー。
「俺は、ひとつのスニーカーは、1回しか履かない。だから、364日履けるように、500足はストックを確保している」
と強迫観念のように、新しいスニーカーを欲するスニーカージャンキー。
「欲しいスニーカーがあったら、パリだろうと日本だろうと行く。他の人は馬鹿だと思うだろうけど、好きなんだからしょうがない」
とスニーカーが人生の中心であることを肯定するストリートファッションのカリスマ。
「スニーカーを集めてばかりで、ちゃんと仕事とか将来のこととか考えないでどうするんの。あたしとスニーカーとどっちが大事なの?」
という彼女の問いに対して、
「君だよ。君のスニーカーを選んでいるときが一番幸せなんだ」
と答えた彼に対して「嘘吐き」と鼻で笑われるスニーカーおたく。
「おれは、これからはアディダスしか履かない」
とナイキのスニーカーをごっそりとくれた僕の知人。
まるで、自分のスタイルを表明するかのように。そう、スニーカーとは、自分のスタイルであり、どのスニーカーを履いているかによって、僕らはそいつのアイデンティティを理解するのだ。
RUN DMCが「MY ADIDAS」という曲を歌った。
その瞬間、RUN DMCのアイデンティティがADIDASのスニーカーに宿った。
RUN DMCのスタイルがADIDASになった。
ADIDASを履けば、RUN DMCのようにかっこよくなれる。
マイケル・ジョーダンがエアージョーダンを履けば、それがNIKEのスタイルになった。
数もメーカーも増え続け、どれを選ぶかでスタイルを表現する僕ら。
物質主義すぎると言われたところで、そういう世界が僕らにはリアル。
別にスニーカーに興味なくても、普通に面白い。
TOKYO TRIBE3 (5) (バーズコミックス デラックス)
・リリックがダメダメ
作者はラッパーではないので限界はあるかもしれませんが酷いです。韻を踏んでるところをご丁寧に点で強調してるのもどうかと思います。
・絵が荒れすぎ
あまりキッチリした描線の漫画は好きではないんですがこれは所々荒れすぎです、描くのが嫌なのかな?とか思ってしまいます。
・魅力の無いキャラクター
メラ、ジャダ、スリーピー、ドン・チーチ、仏波、など前作は印象に残るキャラが多かったですが今回はどこかで見たようなのばかりです、ブタダさんだけは強烈でしたが。主人公もかなり残念な感じです。
・打ち切りエンド
バタバタしてます、ラストはそれっぽく纏めてありますがかなり強引です。
・ヒロインが微妙
女性書くの得意ではないんでしょうね。記号的な美人の目をちょっとズレた位置にペタッと貼り付けたカンジで不気味です。3は濡れ場がやたら多いので輪をかけてつらいです。
・恋愛描写
稚拙の一言です、使い古されたパターンの切り貼りで読んでいて苦痛なレベル。
・加齢臭
やっぱり80〜90年代の曲とかファッションが好きなんでしょうね、それはいいと思いますがちょっとそっちに偏りすぎに思います
・アメリカのヒップホップシーンでの東西抗争を日本に置き換えているんでしょうが電車で30分もかからない距離で東とか西とか言われても・・・
不満点ばかり書きましたが4巻くらいまでは面白かったです
凝ったアングルや魚眼パースを効かせた臨場感のある背景は良いと思います
是非続編もやって欲しいです
井上三太
切なく、ぶちきれていて、狂気を開放している。そんな、作家という印象を受けました。
しかし、とてもセンスのいい作家です。主題は多岐に渡り、一見、支離滅裂な印象受けますが、それを作り出している作家の側にきちんとした価値判断があると思われるので安心して読み進めることができます。彼の作家としてのセンスは犠牲という意味のビクティム(victim)を「ビクチム」と書くところに現れているでしょう。
ノーマルとアブノーマルの境界をいい具合にぼかし、無化するというやり方は、新しい時代の価値観の誕生を思わせます。非常に優れていると感じました。