ピュア百合アンソロジー ひらり、 Vol.8
『ひらり、』は毎回好みに合うものが多く、今回の掲載作もどれも良かったです。「花と稲妻」(袴田めら)、「女の子の設計図」(紺野キタ)、「泣き虫王子様」(大沢あまね)、「きらきらのなつ」(ささだあすか)が特に好みのど真ん中でした。こうして挙げるとあれもこれもと際限がなくなりそうなくらい。
掲載作家は18名。400ページ。明確に他誌との作風の差別化もできていて、競合する百合漫画誌でお仕事をされている作家さんも『ひらり、』の雰囲気に合った作品を描かれているように思います。
ひらり
歌詞がすごく良くて、昔の恋を思い出してしまいました。
「恋は頑張るものじゃないのに・・・」そう、わかっていても頑張ってしまうんですね。
本当にいい曲です。もう1曲の「泣いてもいいですか」もフレンズとはまた違う魅力があります。
ひらり
スカート、ひらり
歌が下手だ、ダンスが下手だ、そういう評価はごもっとも。
しかしそれこそがこのアイドル達の特徴であり、毎日劇場に通い、彼女達の歌が上達する姿、ダンスが上達する姿をファン達は見届けて行くのです。
最初からオーディションの時に「レッスン料は無料!」を謳っていて、入った後に本格的な練習に入る事が前提であり、むしろ選ぶ基準として上手い人は落としてるんじゃないかと言うぐらいです。
この独特な「コンセプト」がわからない人達は買うべきでも評価すべきでもないでしょう。
また曲自体は完成度が高く、悪い曲ではありません。
世間では秋元プロデュースと重なって、おニャン子二世的なイメージを持つかもしれませんが、雰囲気としてはそれより前と言ってよく、非常に郷愁漂う雰囲気をかもし出します。
制服もスカートの短さはありますが、基本的に清楚な感じにまとまっています。
そもそもおニャン子ものように若者に受けるアイドルグループは既にハロプロが担っているので、今更AKB48を同じ路線で売り出す事など無理で、若者度外視、最低20以降、30も越える人達が狙いと言っていいでしょう。
その点ではルックスでも完璧に背が高くて美形などと言うのは逆に選んでないのかもしれません。
とにかく、彼女達は元々メジャーで大ヒットさせるようなグループではなく、一発屋どころか一発も当ててないのですからこのようなグループに興味のない人には関係ないと言っていいと思います。
わかる人だけ買う商品です。
ひらり、別冊 部活女子アンソロジー ほうかご!
実物を見ると印象が強いです。Amazonに掲載されている画像よりうんと発色の良い表紙で肌色感あります。そして厚い。418ページ。
ひらがな四文字の誌名やロゴデザインから連想する萌え四コマ的な雰囲気が少し加わっていて『ひらり、』本誌に比べると少女漫画感は少し減ってポップな印象に。あ、四コマ云々は雰囲気の話です。全掲載作20本のうち四コマは3本のみ。『ひらり、』でも描いている作家さんは『ひらり、』のままの雰囲気での部活話になっている気がするので、本誌ファンとしても安心して読めると思います。「加瀬さん。」や「ふし研」と犬丸の演劇ものといった『ひらり、』シリーズそのままの出張版もありました。
舞台となっている部活は陸上×2、美術部×3、理化部、映研、バレーボール、フィギュア、水泳、文芸、演劇×2、麻雀、バスケ、茶道、ふし研、猫、馬術、天文、柔道×2。『ひらり、』からの出張シリーズ3作も含めてどれも読切として楽しめます。
特に好みだったのはバレー部ものの王嶋環「天使は傷だらけ」、(模型の)フィギュアもの四コマの三国ハヂメ「ひとめあなたに」、美術部ものの吉田丸悠「ドラムカン百景」、馬術部ものの藤こよみ「じゃじゃ馬ならし」でした。