Yosemite
アンセル・アダムスのヨセミテへの特別の思い入れ、愛情と一言では言えない深い情熱があふれていて、力強い写真集です。そして、アダムスがこの作品集で伝えたかったこと、つまりヨセミテを保護しなければならないということを感じとることができると思います。 Autumn Moonという最後の写真などは空がとっても澄んでいて、心がすーっとしていく感じがします。アダムスにとってヨセミテが特別の場所であったように、私たちにとってもヨセミテは自己発見や啓発の場所として大切なところであるような気もします。日本に住む私達はそう簡単に訪れることはできないけれど、自然保護のシンボル的土地として考えることができると思います。また、ただ自然を楽しむだけでなく、ヨセミテが訪れる人に与えるものは何だろうかと本当に考えさせられます。
Micheal Fischerの序論もアダムスとヨセミテの関係をうまく著しているし、最後のアダムスのライティングからもヨセミテへ固執する姿勢がよく読み取れます。個人的にはもう少し写真集が大きかったらよかったと思います。
オールカラー完全版 世界遺産(5)アメリカ大陸 歴史と大自然のタイムトラベル (講談社プラスアルファ文庫)
この本を星5つで受け入れることができるだろう人は…
「世界不思議発見」系の(TV)番組が好き。旅行したつもりが好き。「(自然)世界遺産」興味がでてきた!Wikiでみてみよう。うーむ、文字だけではさっぱりだ…。ガイドブックを買っても…旅支度をするわけじゃないしな…」と今までにアメリカ大陸の国立公園や遺産に心惹かれる何かがあったものの、時が経てばそんなことを忘れてしまっている人。どこか旅行に行きたいな、どこにしようかな、とぼんやりと考えている人。
↑これに、当てはまらず、歴史を本職で研究されている方、歴史に精通されてる方は素通りしたほうがいい本であることは確かです。
地球の歩き方とこの本の大きな違いは、著者の文章力。
訪れてみたい!というワクワクする気持ちをさらに盛り上げてくれるのは、この本のほうが地球の歩き方のガイドよりも、格段に上です。
「(歴史の)初心者」をターゲット読者として捕え、さらに「読んでもらうこと(目を通すのではなくて)」を意識して書いておられます。あまり深くディープな研究者同士で現在も争われていそうな論点については「まだなぞは解明されていない」とさっくりと切ってあって、それも、初心者に親切です。懇切丁寧にどちらの説が正しいとか、本の中で意見の主張が始まったら、興ざめしたと思うので、感謝です。
「遺跡の説明をしてくれるガイドさん」としての力は、ガイドブック以上です。旅先でもう一度読み返したくなる本はきっとこちらです。
もちろん、この本が地球の歩き方の代わりになることはありえませんので注意が必要です。
この本1冊だけ持って、何も予備知識なく、飛行機に乗ったら大変なことになります。(ツアーに参加されるなら問題ないですが)
旅の支度に実質役立つコメントは4行くらいです。(苦笑)各章の後ろに、最寄の都市、空港名、空港から陸路移動で何時間という記載が載っているだけで、その他の情報は写真と遺跡の説明にページが費やされています。
ただ、一箇所についての説明は10ページ未満で終わりますので、ものすごく濃い内容を期待している人も要注意です。
本の最後に日本、アメリカ大陸の年表が載っているのもいいですね。
私が単に義務教育卒業後、歴史に無関心になってしまった脳みそを持ってしまって知能が低いせいだとおもいますが、
日本の歴史と比べるっていうのは、いいですね。いままで一つ一つが分離したイメージだった非日本の文明が、一本の線でつながるのに大いに役立ちました。
行ってみたい都市が増えました。
それだけが懸念すべき、ところですね。(苦笑)
ツアーに参加するので自分で旅行をプランする必要はなく、遺跡や国立公園のことを大まかに、だけど具体的なイメージが沸くくらいに知りたい人はこの本を。
現地の地図や、旅程の立て方が重要で、遺跡の内容には重点は置いていなく「観れば満足だから」という人は、地球の歩き方1冊で十分です。