まず、邦題がダメだという意見が多いが、これは原作が「The Invention of Hugo Cabret」(邦題「ユゴーの不思議な発明」)という小説なのだから、日本の配給会社にそれ程罪はない。(映像特典で原作者の作家さんが出てきて喋ってる。)それに、ラスト・シーンの大団円を観れば、ヒューゴ(とイザベル)が「作り出した」幸せな人間の輪がハッキリと描かれているはずだ。 内容は映画の先人達、特に特撮の父・メリエスへの愛情と尊敬に溢れた素敵な作品である。現在、CG技術を使った映画の多くはSFなんだが、本作のように過去の時代を背景にしたヒューマン・ドラマで最新技術を贅沢に使うというのも、中々新鮮な方法論ではないだろうか。 手品・興業師から映画監督になったメリエスは、映像技術をショー・ビジネスに結びつけ、現在のハリウッド的な映画作りの源流に位置づけられる人だが、彼の時代の温かみのある特撮の再現と現在の最新映像技術の組合せのバランスが、スコセッシ組の一つのメッセージとなっているようだ。(特に、手間をかけた精密機械人形や動物の扱いは、最初からCGでごまかすことも可能だったはず。) 映像特典もオススメで、上記のような製作陣のコダワリやメリエスという人物(=映画監督廃業後にオモチャ屋をやっていたというのは本当なんだそうな)についても補足情報が多く、何よりもサシャ・バロン・コーエン(鉄道公安官役、「ボラット」の主役俳優)のインタビューが腹を抱えて笑えるので、必見だ。 ヒューゴの不思議な発明 [Blu-ray] 関連情報
想像していた内容と違っていてそこが面白かった。映像も面白い、世界観が見ていて引き込まれて行く。最後の結末をどうするのか見ていてわくわくしてきましたよ。でもつまらないと言う人もいるんだろうなぁ。 ヒューゴの不思議な発明 [DVD] 関連情報
ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット(3枚組) [Blu-ray]
日本の宣伝会社のCMとかだと、スコセッシがハリポタやナルニアみたいなファンタジー映画を撮った!みたいな雰囲気が押し出されていたが、主人公達は全く魔法の国などに行って冒険などしないし、タイトルにあるような不思議な発明も主人公達は全くしない。これは子供が見ても全く面白くないだろうと思われる。大人向けの童話なのだが、しかも大人でも映画知識がそこそこないとこれまた全く楽しめない内容になっている。いわばスコセッシによるニューシネマバラダイスであり、映画マニアならば次々再現されていく初期無声映画の名シーンは感涙もの。要するに不思議な発明とは映画のことであり、映画好きによる映画好きのためのファンタジーである。そりゃあのスコセッシがここまで無邪気に映画愛を見せつければ評論家も点数が甘くなるだろう・・・。窓口のひろそうな映画のふりして、実際はかなりターゲットを限った層に向けて作られている。そのターゲット内の観客には楽しめるが、ターゲットから逸れた観客には何が面白いのかさっぱり分からないであろう。 ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット(3枚組) [Blu-ray] 関連情報
ヒューゴの不思議な発明 オリジナル・サウンドトラック (Howard Shore / Hugo - original soundtrack) [日本語帯・解説付輸入盤]
映画を観た時、ストーリーだけでなくBGMも印象に残りサントラが発売されていたので即購入致しました。落ち着いたゆったりした曲やどこか切ない感じの曲など、それぞれ印象深く、聴くだけで"ヒューゴの不思議な発明"の世界観に入っていけます。また目を瞑れば映画のシーンが浮かんできます。1930年代のパリの駅は音楽で表すと、こういう感じなのかと想像しやすいのではないでしょうか。Zazが唄うED曲も魅力的で、映画を見ていなくても癒されたい方やクラシック音楽に浸りたい方にお勧めかな?買って損はないと思います。個人的にお勧めなのがThe Thief(泥棒)The Magician(手品師)Coeur Volant(飛翔する心)です。 ヒューゴの不思議な発明 オリジナル・サウンドトラック (Howard Shore / Hugo - original soundtrack) [日本語帯・解説付輸入盤] 関連情報
分厚い本で驚いた。本をあけたとたんに、白黒映画のフィルムが周りだしたようだった。黒鉛筆で、白黒で表現された絵が素晴らしい。子供の表情、目。一ページが映画の一こまで、数ページで、映画のワンショット。 話自体も、白黒映画初期の歴史のような感じで、白黒映画時代への憧憬と、オマージュという感じだった。 映画が、楽しみ。 ユゴーの不思議な発明(文庫) (アスペクト文庫) 関連情報