フランケンシュタインの花嫁―三浦悦子人形作品集 (Pan‐Exotica)
人形の全体図がを見たいという方にはお勧めできませんが、写真集としてはとても素敵なものだと思います。 撮影者の手法によって、一人一人の魅力や個性を上手に一枚の写真に収めている……と、私個人は感じました。 購入して良かったです。
フランケンシュタインの花嫁 [DVD]
世間では、前作よりもこの『フランケンシュタインの花嫁』(1935)の方が評価が高い。続編としてのスムーズな展開や、プレトリウス博士が見せる小人達の合成技術の素晴らしさ、怪物の花嫁の奇抜なデザインセンス等、前作以上に素晴らしい点が多々見受けられる作品である。
とはいえ私の好みはかなり偏屈であるので、世間の評価に従うならば、いわゆる娯楽的な怪奇映画としての完成度は本作は非常に高い。前作と合わせて見ることをお薦めする、怪奇映画の古典的名作である。
フランケンシュタインの花嫁 (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]
死体から新たな生命を創り出すという驚異の実験に成功したフランケンシュタイン博士(コリン・クライブ)だったが、自分の創り出した「怪物」に殺され、怪物もまた、村人たちから追いつめられ、燃え盛る風車小屋の中で、命を落としたかに見えた。しかし、二人とも奇蹟的に命をとりとめ、怪物は再び逃亡する身に。一方、フランケンシュタイン博士のもとには、プリトリウス博士(アーネスト・セジガー)と名乗る人物が現れ、「怪物」の「花嫁」を創るという、さらなる狂気の実験を持ちかける…。
前作『フランケンシュタイン (初回限定生産) [DVD]』の興行的成功に気をよくしたユニバーサルが、その4年後に製作した続編。ホエール監督は、当初、続編に全く乗り気ではなかったものの、創作上の全権限を与えるというユニバーサル側の条件提示によって演出を引き受けたという。そういった意味において、ホエールの映画監督としての刻印が最もよく現れている作品とも言われ、第1作以上の出来、ホエール作品のベストと評価する向きも多い。
前作がユニバーサルの30年代、40年代のホラー路線を決定づけた記念碑作品的1本と言われるだけあって、正統的なホラー(恐怖)作品であったのに対して、続編である本作は、ずいぶんとユーモアが加味されている。その結果、「神になろうとした男」というテーマが、中心に据えられてはいるものの、重みはなくなったような感じがする。全体としてみると、「神になろうとした男」たち(今度はフランケンシュタイン博士に加え、プリトリウス博士も)の執念と挫折を描いた悲喜劇と言った趣だ。プレトリウス博士を演じるアーネスト・セジガーの怪演が作品全体のユーモア味を決定づけている。コリン・クライヴが、神に真向から挑戦するかのような切羽詰った感じなのに対し、セジガーは、神をからかってやろうという感じの茶目っ気がある。自分の創った、壜に入った小さな生命体を嬉々としてフランケンシュタイン博士に見せるあたりは(この場面の特撮はとても良く出来ている)、そういったセジガーの茶目っ気が一番出た名シーンだ。彼の怪演が、この作品を前作の重苦しいホラーとは違う、ヒステリー気味の喜劇のような味にしていることは間違いない。
そういった「神になろうとした男」たちの物語と並行して描かれるのが、怪物の心の旅である。前作では、誰からも畏れられ、忌み嫌われる「物体」でしかなかった怪物が、盲人と出会うことで、初めてやさしい扱いを受け、精神的、人間的な成長する様が感動的に描かれている。特に、盲人とのささやかな交流は、後に、メル・ブルックスが『ヤング・フランケンシュタイン [Blu-ray]』でもパロディにしたほどの名場面だが、ユーモラスであると同時に(怪物は葉巻をくゆらせ、ワインをがぶ飲みする!)、社会から疎外された者同士の束の間の心の触れ合いといった感じで、怪物の流す一筋の涙に、思わずこちらも涙してしまう素晴らしさだ。ボリス・カーロフのパントマイム的仕草と限られたセリフだけでの情感豊かな表現力は、彼の俳優としての力量を再度確認させてくれる。もう一人の怪物―タイトルロールである―エルザ・ランチェスターの花嫁も、とても短い出演(1分にも満たない)ながら、怯える小動物のように、大きな目をギョロリとさせて強い印象を残す。儲け役というと失礼だが、役得だろう。
すでに述べたように、前作のような一貫したホラー・テイストではなく、全体としては、正直、脚本も粗くて、チグハグな部分も目立ちバランスが悪い。しかし、そういった一貫性のなさが欠点とはならずに、前作とは違う、不思議なごった煮的魅力になっている。
本DVDは、VHS、LD時代のマスターではなく、新たにリマスターしたマスターを使ったもの。ある程度レストアはされているようだが、全体的に暗く、グレインも粗く目立つ画質。音声も、ノイズがあるが、製作年を考えれば良好だろう。特典には、スコット・マックイーンによるコメンタリー、ジョー・ダンテがホストを務めるメイキング"Creating The Bride of Frankenstein"(約38分)、予告編(約1分30秒)、フォト・ギャラリーが収録。怪しげなパブリック・ドメイン(権利切れ)DVDが、数社から発売されているが、映画ファンであれば、正規盤である本DVDを買うべきだろう。
フランケンシュタインの花嫁 [DVD]
実に斬新で興味深いホラー作品、映画「フランケンシュタイン」は少女とフランケンシュタインの場面などホラーながらに感動的要素もある名作としても有名だが、今回の作品「フランケンシュタインの花嫁」も内容が実に興味深い!、ネタバレになるので内容は一切レビュー出来ないが、これ、本当に着眼点が興味深いです、B級ホラーという低俗な枠に捕らわれない内面描写も含んだ作品だという点からも高く評価をしたいですね!。