その一つのHITACHIは原子力分野から半導体、ＩＴソフトウェア、スーパーコン、家電、新幹線、医療機器、建設機械、エレベータ、金融など事業領域は幅広く、これだけの会社は世界にはない。
規模、事業領域などでＧＥと並び称される唯一の企業は日立であり、今となっては収益力で圧倒的な差をつけられているが、医療・バイオや自動車事業など次なる戦略を着々と打ち出している。

総合力は否定され日本型経営はあたかも古いかのように揶揄されてきたが、その象徴である日立が外圧を借りずに自らの手による改革で真化を発揮する日が近いかもしれない。技術のマネジメントに本格的に目覚めたことで、そう感じられるのである。

本書からではないが、日経新聞の論説委員が、日本を代表する会社にトヨタと日立をあげていたが、ノーベル賞級の技術者はＮＴＴと日立で２分しているといわれ、昨年の技能五輪国際大会で金メダルはトヨタが２個で日立が１個であり、否定する理由は見当たらない。