シークレット・オブ・マナ・ジェネシス/聖剣伝説2 アレンジアルバム
他の方々が書かれているように音源を最新の物に差し替えただけでアレンジはほぼありません。
大抵アレンジアルバムと名のつく物は、原曲のアレンジぶち壊しで全く別ジャンルの曲にされてたりしてガッカリすることが多いですが、このアルバムはその心配はまずないです!
本当に当時の音をクリアにした感じですが、あくまでコンピュータの音であって、生演奏のようなリアルな音とはちょっと違う気がします。そこがゲームミュージックっぽさを完全には損なわせていない要因かと思われます。
ただクリアになって一つ一つの音が聞き取りやすくなった分、曲によってはちょっと物足りなさというか、スカスカに聞こえてしまうことがあります。
当時は最大同時発音数など数々の制約が作曲家たちを苦しめたでしょうが今では気にする必要もない分、当時泣く泣く削った和音とかをバンバン詰め込むなり2ループ目からアレンジを入れるなりしてほしかったなと。
聖剣伝説2 オリジナル・サウンド・ヴァージョン
普通、ゲーム音楽というのはまずいくつかのテーマとなるメロディを作り、それをアレンジした、つまり使い回した曲を貯めて、曲数を増やすことが多いと思いますが、このサントラはちょっと違います。アレンジによる使い回しもいくつかありますが、数は少ないですし、原曲とは別物と言っていい程の変貌を遂げているアレンジ曲も存在します。つまりこのサントラはほとんどが独立した曲ばかりだということです。
そして何よりすごいのがその全ての曲がそれぞれ素晴らしいメロディ・構成を持っているということです。出し惜しみなし、聴き所を持たない曲は一つとしてありません。「天使の怖れ」「夏の空色」「遠雷」「森が教えてくれたこと」「予感」等は奇跡的と言っていいような出来映えです。中でも「少年は荒野をめざす」は個人的に、ゲームに限らず全音楽史上最高の楽曲だと思います。その楽曲群を支えているのが、赤尾氏による独特のクリアな音質です。スーファミ音源とは思えません。
ただ、菊田氏のこれらの楽曲は、そのポップさ・リズムの独特さゆえアクションRPG、特に聖剣伝説というゲームでだけ成立するという気がします。しかし普通のRPG等向きの曲を書ける能力、柔軟さの片鱗を、次作において垣間見せています。なにしろこの人は天才なので。
これだけ出し尽くしても、次作である聖剣伝説3や双界儀、LOST FILESで、また新たな奇跡的メロディを多数生み出しています。全くこの人は奇跡の人です。コンシューマー復帰がいたく望まれます。
完全に菊田ファナティックの書いたレビューですので参考になるかどうか解りませんが、ゲームの方をやっていない方でも関係なく聴けるものだと冷静に思うので是非手にとって頂ければと思います。
攻略編と2つで1つの本。こっちは主に武器や防具、道具、モンスターが書いてあります。
武器とか「この剣はこんないわれがあるんだよ」とか詳しすぎて聖剣ワールドとは関係なさそうな解説まで入っています。これも読んでておもしろいですが。