前田慶次―天下御免の戦国傾奇者 (歴史群像シリーズ)
由緒ある「歴史群像」シリーズに、遂に前田慶次が登場、それも初見でわかるように表紙はもとより、中身においても漫画「花の慶次」の美麗イラストをふんだんに使っていて、隆慶一郎の原作だけでなく、マンガ・パチンコなどから興味をもった幅広い読者層を取り込もうというサービス精神が見て取れる。
内容構成でいうと、慶次郎に関して現存する資料や(伝)遺品などについての写真が豊富で非常に書籍としてはビジュアルが綺麗だ。関連して傾奇者への理解を促進するための、風変わりな鎧兜の写真紹介など、歴史初心者にも優しい配慮もある。
強いて言えば、逆に前田慶次郎その人にかんする記述や調査分析については、1500円という価格の割には薄いような印象も持ってしまう点があり、星は1つ減ずる。良い意味で、慶次に興味を持った初心者から、原作・漫画を読破した中級者には、ちょうどよい読みごなし感があると思う。
一夢庵風流記 (新潮文庫)
正直、どの前田慶次郎利益が正しいのかは判りません。
ただ、私的には隆慶一郎氏の書く前田慶次郎利益が一番好きです。
文武両道、そのくせそれをおくびにも出さず、風の吹くまま気の向くまま、
海を渡るのもヒョイと。
ただ自分の思ったことを実行する。それが難しいのはいつの時代も同じこと。
それをしている手本としてこの本を読みました。