照葉樹林 商品

照葉樹林 稲作文化―照葉樹林文化の展開 (中公新書 (752))

「照葉樹林文化―日本文化の深層 (中公新書 (201))」「照葉樹林文化 続―東アジア文化の源流 (2) (中公新書 438)」の後に出版されたもので、前2冊をふまえた上での5名の先生方の対談形式の本。序説1 照葉樹林文化と稲作文化2 稲作文化とは何か3 稲作文化の歴史と現状という内容で、序説以外の3項目は全て対談。内容はとても細かく、それぞれ副題がついているがここには書ききれない。日本だけではなくて、アジア各地の食文化が話題になっているので大変興味が持てた。 稲作文化―照葉樹林文化の展開 (中公新書 (752)) 関連情報

照葉樹林 照葉樹林文化とは何か―東アジアの森が生み出した文明 (中公新書)

本書の照葉樹林文化からは離れているかもしれませんが、中国南部の南寧を訪れたことがあります。北京の漢民族と南寧の人たちとの距離よりも、日本人と南寧の人たちの距離の方が、短いと感じました。直感は学術的ではありませんが、学術の理解に直感は必要だと思われます。南からの文化が、日本の文化の何割を占めるというような定量的な結論が出せるかどうかはわかりませんが、少なくない比率だという感触を持っています。そういう感触を持って読むと、楽しく読むことが出来ます。百聞は一見にしかずとか、現地、現物といいます。本書を読まれた方は、どこか現地に行かれることをお勧めします。観光、視察などの枠を気にすることなく、現地をくまなくみるのがよいかもしれません。私は南寧では、ある案件の会合を5日間したほかは、民族博物館を訪問しました。 照葉樹林文化とは何か―東アジアの森が生み出した文明 (中公新書) 関連情報

照葉樹林 照葉樹林文化―日本文化の深層 (中公新書 (201))

 本書はシンポジウムの内容をまとめたものです。議題となる中心となる重要な部分は『栽培植物と農耕の起源』(岩波新書)において言及・提案された照葉樹林文化についてです。シンポジウムのメンバーは、中尾佐助(栽培植物学)、吉良竜夫(植物生態学)、岡崎敬(考古学)、岩田慶治(文化人類学)の4人と、司会の上山春平(哲学)で構成されております。本書の議題の提案や全体のまとめは上山氏がなされたものですが、哲学という専門分野に拘らず本議題にかかわることに詳しく、氏がいなければ本書は成り立たなかったであろうと思います。それはそうと、上山氏もそうですが、各氏共に専門分野はともかくその他の分野についても非常に詳しく、議論を読んでいてああプロフェッショナルとはこういうことを言うのだなあという感想を持ちました。 さて、内容に関してですが、弥生時代に始まる稲作文化こそが日本文化の原点であるという定説を保留し、稲作が伝わる以前である縄文時代にまで日本文化の源流を遡上する試み。それを照葉樹林分化に求めております。確かに、稲作というものは様々な祭祀にも関係しているし、人口増加とそれによる文化の発展に寄与する部分は大きいのでしょう。しかし、だからといって、それ以前の文化がなかったことにはならないのですから、捉え直しに意味がないなどとはとても思えないというわけです。 本書を読むにあたって必要な事前知識ですが、特にこれといったものはないでしょう。しかし、それでは理解はできても、植物名が沢山出てくること、気候帯の議論があるので植物生態学の基本が必要であることなど、全体を読んでいて若干わかりづらいかもしれない部分はありました。私自身は大学で生態学を学んでいるので問題なく読めましたが、もしかしたらそこら辺はイメージしにくいのかも知れません。そこで、このシンポジウムのきっかけとなった『栽培植物と農耕の起源』(岩波新書、1966年)は読んでおいた方が良いかもしれません。また、植物について知りたい場合ですが、様々な出版社から多くの図鑑が出ていますが、その多くは実際に生えている写真だけのことが多く、本書で言及される実や塊根などについては文字情報だけで写真は載せていないことも多いようです。そこで、写真はありませんが線画で実や塊根も載せてある『学生版 牧野日本植物図鑑』(北隆館、1967年)をお勧めします。初版は非常に古く、記載数も多くはありませんが、重版を重ねて現在も使われている基本となる図鑑です。また、植物生態学については残念ながら新しい本は知らないのですが、『植物たちの生』(岩波新書、1972年)は古いけれども網羅的でわかりやすい本です。また、人と森との関わりについては、『森の文化史』(講談社現代新書、1981年)がありますので、興味があれば読んでみてください。 照葉樹林文化―日本文化の深層 (中公新書 (201)) 関連情報




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