剣 傑作選 DVD-BOX
今はなきディレクTV、時代劇チャンネルで全話視聴しました。
いずれも重厚な傑作でありながら、1時間なのでテンポも良く、時代劇ファンならば必見の傑作です。
シリアスな話だけでなくコメディタッチのものもあり、そのバラエティさにも注目。
本来ならば手放しの5点なのですが、全話フィルムが残っているにもかかわらずなぜ傑作選なのかと。
権利関係がクリアできなかったのでしょうか?
全話のパッケージ化、期待しています。
日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕
現在の日本経済はデフレである。なぜ日本がデフレに陥ったまま長い間、脱出できないのか、どういった策を講じれば日本がデフレから脱出できるのかわかりやすく語られている。復興構想会議も官僚も日銀関係者も、日本経済の現状認識からして、まったくなっていないことが鼎談を通じて明らかになっている。
復興構想会議も経済素人の安住財務大臣も官僚にいいようにコントロールされているという意見が出ている。田中秀臣の知り合いの高級官僚は自分たちの権限を増やせるという理由で、東日本大震災の発生を喜んだという。さらには物価の安定と金融システムの安定に責任を負っているはずの日銀総裁がハイパーインフレーションの可能性を発言している。官僚や日銀の人間にとっては国民、特に被災者の姿が視野に入っていないのだろう。そんなふうに解釈したくなってくる。デフレ不況下の日本国民にとっては雇用こそが最重要の関心事であるはずだが、日銀の関係者は国民の雇用にはさして関心を払っていないのかもしれない。
田中秀臣は、今は国民全体に広く恩恵が行き渡る金融政策を実施するのが望ましいと言っている。金融政策は裁量権の点で政治家や官僚にとってはあまり特にならないと指摘している。田中秀臣は金融政策を重要だと考えている。ただ被災者救済のためには原田泰が言うように財政政策で被災者に給付金を出すのも有効だと言っている。
日本は20年間、名目GDPの成長率がほぼ0であるとの指摘がされている。デフレに慣れてしまっている日本人も増えているかもしれませんが異常事態ですね。今の若い人たちはバブル時代を通過した世代とは明らかに違う感覚を持っていると観察されている。
TPPについては現時点では重要な課題ではない。そもそも日本は貿易については以前から開国同然だったという指摘も出されている。TPPは大げさに捉える必要もないし、緊急性もない。
「テイラー溝口介入の実像」の部分では、日銀は量的緩和を実施するべきだと主張していた中原伸夫、岩田規久男の名前が挙げられている。為替介入は金融緩和を伴わないと効果がない。しかし日銀は金融緩和を十分に実施せずデフレ脱出はならなかった。
田中秀臣は、実は社会資本整備審議会の委員であり御用学者だという。現在、日本は少子高齢化を理由に社会資本の整備予算を削減されているという。道路など公共投資の話題にも少し触れられている。
脱線してしまいますが、私は、日本の公共投資はちぐはぐだと考えています。日本の道路の実延長は合計で120万kmですが、車道幅5.5m以上の道路の延長は33万3574kmしかないのです。(2009年4月1日現在『日本国勢図会2011』(p405)より)日本は欧州等とは異なり馬車使用の歴史が浅く短いので、車道幅の広い道路を十分開発しないまま現在に至っている。そして、そういう道路計画のちぐはぐさに気がついている日本人はあまりいないようだ。それから日本国内の学校の校舎の数は小学校22000、中学校10815(2010年5月1日現在『データで見る県勢2012』(p322))ですが現在、日本国内の単年度(一学年)あたりの子どもの数は110万人から120万人程度ですので小学校、中学校ともに校舎の数が現在では過剰になってしまっている。だから今後は小中学校については校舎の削減が必要になってくる。今後の日本は、公共施設の削減なり、公共施設を他の目的に転用するような開発が必要になるでしょうね。日本は大型公共工事主導の開発の時代がもう終っている。
逸れたので元に戻す。
『日本建替論』には田中秀臣の論文も収められている。1923年の関東大震災発生後からしばらくの間(主に1923年9月1日から25年中ごろまで)の日本経済の置かれた状況と当時の経済学者や言論人の言説の検証である。当時の日本にはデフレ誘導的な清算主義者とリフレーション政策の必要性を説いたリフレ主義者が存在していた。清算主義者が当時の主流でありリフレ主義者は少数派であった。石橋湛山は朝鮮半島、台湾島等の当時の植民地の放棄をも主張し通貨膨張政策(低位インフレーション政策)を説いた。現代日本でも似たような構図が出現している。福田徳三を論じた箇所も興味深い。福田徳三は関東大震災の被害を単に有体物の損失とは解釈しなかった。福田徳三は人命が喪失したことと罹災者が失業したことを損失と捉えた。さらに福田徳三は罹災者に粗末な避難住居があてがわれたことをも問題視していた。そして震災発生後に失業者の詳細な調査を実施し、失業者の総数を念頭に置いた復興策が必要であると政府に要求した。私には福田徳三に関係する知識がないのでくわしくはわかりませんが、福田徳三は東京市民の実質的な市民権の行使が可能になることが復興の実現と捉えていたのかもしれない。
君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!? 特別編
読んでいると自信がついてくるというか、頑張るぞ!という気持ちがふつふつと湧いてくる。いきなり海外!とはいかないけど、まずは自分のまわりを良く見ることから始めようと思いました。
君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?
若い人で海外に飛び出したい、と思っている人は是非読んでもらいたいと思います。
それは、海外駐在経験をした自分も同意できることが数多く本書には述べられているからです。
経験した者だからこそ、本書に共感できる点が多々あるのかもしれません。
なにより海外で働いている人、学んだ人たちの多くは、その経験や存在も価値なんだ、と思います。
その人達の経験を書籍において、少しでも共有させてもらえることにも、本書の価値です。
40代となった自分は、今から再び海外で働く希望は持ち続けていますが、叶うかどうかはわかりません。
この本にもっと若い時に出会っておけばよかった、という思いもあります。
一方で、この本を読むことで、未来に自分の子供に託したい、という願いを明確に持つこともできました。
今年、出会えて良かった本の一冊です。