マボロシの鳥
想像していたよりもかなり良い内容だったと思います(少なくとも中学生の作文うんぬんでないということは、最初の数ページで分かりました)。
ただ、二つだけどうしても納得いかなかった箇所が。
一つは表題作「マボロシの鳥」に出てくる「言葉でいったいどれだけのことが伝わるのか」というところ。
それは太田さんが、普段からメディアで口にしていることでもあります。
わたしは小説という媒体を使って太田さんがそのことにどう向き合うのかを、楽しみにもしていました。しかし、じっさい今小説では「言葉」を使ってそのことを表現していただけでした。
それでは、この小説は言葉を使った最高峰の物でしょうか? わたしの個人的な感想では、世の中にはもっと感動でき、考えさせられる小説はたくさんあると思います。今の太田さんよりも、言葉を使ってより多くのことを他人に伝えている人が実際にいるということです。
そして二つめ。それは「人類諸君!」という短編です。
ヴォネガット風のSFを、講談調に著しているのですが、正直ギャグが笑えないのです。
もしかしたら、素人には分からない意図でわざとなのかもしれません。
マボロシの鳥のメタ的な部分も、語り口は談志さんのエッセイぽいのですが、なぜか笑えないのです。
談志さんのエッセイはふしぶしにユーモアがちりばめられて、読んでいる最中はニヤニヤしっぱなしです。もちろん小説とエッセイは違うのでしょうが、芸人太田光である以上、もうちょっと笑いにもこだわって欲しかったなとも思います。おそらく、談志さんよりも太田さんの方が読書量は多いと思いますが、文章でも談志さんが面白いのは何故なのでしょう?
太田さんは小説を書くなら、それを現実経験の差ということにはしないでもらいたいです。小説は生まれてからずっとベッドの上で生活せざるおえない人でも、その人の精神だけは宇宙の裏側まで飛ばす力があると思うので。戦争を体験しないと本当の戦争が分からない、は文学で克服できるんだという気概を、太田さんの次回作に期待しています(できれば固有名詞をぼかさない長編で)。
最後に良かったところも。
やはり、本が好きだと言うところ。ただのパスティーシュや、知識のひけらかしではなく、こういう本が好きなんだというのが伝わってきたので、この本をきっかけに元になったであろう本を手に取る人が増えるんじゃないでしょうか。本から本に繋がっていくという、本好きになるきっかけとして最高のことが表現されていたのだと思います。
アイス・エイジ 〈特別編〉 [DVD]
日本語吹き替え版が竹中直人さんと山寺宏一さんと太田光さんなのですが、
これがみんなはまり役で、物語の盛り上げに一役買っています。
物語のラストはしんみりとしつつ、安心感で見終わることができ
子供と親が一緒に楽しめる作品です。
子供はお気に入りで、セリフまで覚えてしまいました。(^-^)
たのしい中央線
版元も著者も、そして読者も、まさかこんなタイミングで高田渡が亡くなるとは予想していなかったに違いない。この本に収録されたインタビュー「タカダワタル的吉祥寺」は、高田渡の最後の“肉声”として、永遠に語り継がれることになるはずである。本の体裁は軽めのムックのように見えて、奇しくも発行と同時に古典となった。高田渡の発言に腹を抱えて笑うのが、なによりの供養になるだろう。合掌。
100曲クラシック=ベストが10枚3000円=
演奏家が無名だからだめって・・・
あなたが知らないだけでしょ。
一般にはそれほど知られてないかもしれないけども、指揮者のヴィトやヴァイオリンのダール。オルガンのリュブサムなど、本当の実力派がそろっているではありませんか。
もともとエイベックスのクラシックはNAXOSレーベルが元になっているから、ここに上げられている演奏者は信頼できるものですよ。
ただやっぱり、ほかの会社から音源買い取って切り取って、CCCDにして自社の製品として売るAVEXの方針はいただけませんね。
アイス・エイジ 【日本語吹替版】 [VHS]
4歳の子供が大のお気に入りで、毎日飽きずに繰り返し見ています。冒頭に出てくるリス(?)が好きみたいで、ケラケラ笑っております。そして氷穴を滑り落ちていくシーンは、何度も見ては大喜びです。私としては、この作品は是非日本語吹き替えにて見て欲しいと思います。山寺宏一、竹中直人、爆笑問題太田と、どのキャラもハマリ役といった感じで素晴らしかったです。親子で見ても、子供にプレゼントしても、もちろん大人が見ても、楽しい作品には間違いありません。