主に70年代の初期からブリティッシュ・ハードロックをベースに、母国アイルランドのアイリッシュ魂をこのバンドに注ぎ込んだ永遠のカリスマベーシスト、フィル・リノット(フィル・ライノットとも言われる)の最後のアルバム。このフィル・リノットという人も、天才ならではの独特の雰囲気と言うか、世界観を持っていて、それが上手く歌詞に表れているし、その圧倒的なステージパフォーマンスも観る者を常に楽しませてくれた。実は、このバンドには二人の「卒業生」がいる。それは、才能溢れるギタリストのゲイリー・ムーアとジョン・サイクスであって、ゲイリーは前のバンドでフィルと一緒に活動していた頃から頭角を表し、お互いがそのバンドを別々に脱退してからも交流はあった。そして、一度きりのセッションで「BLACK ROSE」('79)という名盤を作り上げた事でさらに、ゲイリー自身も一皮向けた感じがするし、ジョンは、無名の頃から同じ母国出身のゲイリーとフィルの二人を尊敬し、目標としてきたのだが、この最後のアルバムでのギタリストにジョンを指名する事によって、最初で最後のセッションとなったのだった。その最後に相応しく、今までの、素朴で親しみやすいハードロックから一転して、ジョンの才能をフル活用しての意図なのだろうか、張り詰めた緊張感の中にも非常にパワフルで、大胆な演奏が、それまでのシン・リジィファンをアッと驚かせた。その後の二人はゲイリーがソロで、ジョンが4年後にホワイト・スネイクで活躍してる事はすでにご承知な方もいるだろう。だが、フィルはその3年後の86年にドラッグ中毒により永遠の眠りにつく事になるのは実に寂しい結末だが、後にゲイリーと、ジョンがそれぞれのスタイルでシン・リジィを再結成させたりして、フィルの根底にあるアイリッシュ魂を受け継ぐ事になる。 Thunder & Lightning 関連情報
始めてこのバンドのことを知ったのは中三のころで、一番初めに買ったのがこのベスト版でした。なんといっても最後のディディケイション、感動的です。他のベスト版と比べるとコンパクトな上にジョンサイクスがリードギターを弾いていた時期を除く代表曲はほとんど収められていますので非常に聴きやすいです。Thin Lizzy の歴史を追いつつ、このベスト盤から好きな時代のアルバムを攻めていくのも良いかもしれません。ジョンサイクスがいる頃のアルバムはまた一味違って良いのですが、まずはこれを聴いてThin Lizzy にどっぷりはまってください。 デディケーション~フィルに捧ぐ 関連情報
1979年リリースのなんと言ってもゲイリームーアがフル参加している事が重要なアルバム・・・フィルとゲイリーの仲は色々あるようですが、この2人が手を組むと本当マジックが生まれます!!全編通して聴く事が出来るゲイリーのギターがとにかく素晴らしい・・・バンドアンサンブルを考え抜いたギターワークはこのアルバムならでは!!スコットゴーハム(G)とのツインギターもうまく機能しており、THINLIZZYサウンドを作り上げています。ブライアンダウニー(Dr)の職人的なドラムもまた見事!!4曲目「ウェイティングフォーアリバイ」はシングルとして発表されたナンバーで、彼らの魅力を凝縮した1曲・・・ギターソロがカッコいい!!なんと言ってもこのアルバムの聴きものは、ラストを飾るタイトルトラック「ブラックローズ」・・・7分にわたる壮大なロック叙事詩!!いつ聴いても鳥肌モノの曲で、このメンバーでなければ完成されなかった曲でしょう・・・フィルとゲイリーの共作、素晴らしすぎる!!ギターの掛け合いが、またいいんですよね!!ハードロック史上に輝く名盤!!!!! Black Rose a Rock Legend 関連情報