ワルシャワ蜂起1944(上): 英雄の戦い
ワルシャワ蜂起について書いているのは四分の一に満たないです。20世紀のポーランドに
ついて書いている本と言ったほうがよいでしょう。この本を読んでもワルシャワ蜂起の詳細が
具体的に書かれていないので残念でした。ワルシャワの外で周辺で何が起こっていたか書いて
いる分量のほうが多い位です。
幾つか誤りがあります。親衛隊のラインハルト・ハイドリッヒの階級を上級大将としていますが
大将でしょう。
モンテカッシーノの戦いでポーランド軍が大活躍し、まるでそのせいで勝ったように書いていますが
確かに参戦し善戦しましたが彼らが最大の勝因ではないでしょう。
ワルシャワ蜂起についてもソ連軍を待たずに単独で蜂起したのは何故か、はっきり書いていません。
ロンドンの亡命政府が焚きつけたのではないか位書いても良かったと思いますが、曖昧にしか
書いていません。それどころか亡命政府に対してかなり味方して書いているように感じました。
著者は英国人なので仕方ないかもしれませんが国内に留まっていたポーランド人はそういう英国人を
どう思うか訊いてきたいですね。
追記:ワルシャワ蜂起について1,000ページかけて書いて欲しかったです。
ショパン:ノクターン(全曲)
今までピンとくるノクターンの演奏に出会えなかったので、ここのレビューを読んで買ったら大正解でした。当分ノクターンはこれで大満足でしょう。レビューされた方々、ありがとうございました。
フィールドはショパンを「病室の天才」と呼んだそうですが、僕に言わせれば、ノクターンは「亡国の音楽」です。晩年のシューマンの音楽にもその匂いがある。マリファナより危険なので発禁にする必要があるかも知れません。
ワルシャワ・ゲットー ~ユダヤ人強制隔離居住区~ [DVD]
1.「ポーランド」の「ゲットー」から「奇跡的」に脱出に成功して生き延びた「少女」の記録を映画化した作品である。
2.「80歳過ぎ」まで長生きした、その「少女」本人が、映画の合間にしばしば「インタヴュー」の形式で登場して説明を付け加えてくれるので、非常に「歴史」の勉強になる。
3 他方、「実話」の映画化という意味で「歴史」の勉強になるだけで無く、「サスペンス映画」として見た場合にも、結構ハラハラさせられる作品であり、「監督」や「脚本家」の「力量」が窺い知れる「名画」と言って良い。
4. 「前世」での「悪行」に因る「悪因縁=悪いカルマ」の結果であるかどうかは別として、「常識的」には全くの「理不尽」な理由で「殺戮」された「600万人」の「ユダヤ人」に関する「歴史的・知識」を得るには「最適な映画の一つ」である。
5. 「シンドラーのリスト」・「戦火の奇跡」と並び、「現代の若者」に、是非見ておいて欲しい映画の一つである。
地下水道 [VHS]
第2次世界大戦中のポーランドが舞台。
1944年夏のワルシャワ蜂起を描いた映画。
ドイツ軍に攻め込まれ、地下水道から脱出しようとするゲリラ部隊の悲劇を描いたカンヌ映画祭受賞作品だ。
ストーリーはよくある全滅ものだけど、映像がすばらしい。
モノクロの画面。
地下水道の暗さ。
汗や体にかぶった汚水が懐中電灯の光を反射して、奇妙な艶がある。
影が生き物のように動いて不気味。
美女の白い肌が闇の中に浮かびあがって妙になまなましい。
昔から、地下迷宮モノ? に弱い。
映画では「第三の男」、「サブウェイ」など。
自分は地下水道にもぐってみたいとは思わないけど(ワニがいるらしいし)、東京の地下鉄大手町駅の長い地下通路を歩いていると、ダンジョンにいるような気分になる。
地下モノ好きには、ぜひ、オススメ