BOSSA
まさにジャケット通りの「夏のアルバム」。今回もアコースティック風な曲だけでは無く、打ち込み多様。クールなハウス風の1曲目からレゲエ調の2曲目の流れが堪らない!前作『フレンチ・キス』と本作は彼女の明るい面を全面に押し出した傑作。歌詞もありがちなのでは無くて、ガーリーで少しトリッキーだったり。aikoとか好きならこの時期の加藤いづみも絶対イケルだろうな。「カンパリソーダと7号線」は上馬あたりのイメージがあるんだがどうなんだろうか。
TVアニメ「花咲くいろは」イメージソング集 湯乃鷺リレイションズ
結城アイラが好きで集めているのですが、このアルバムはイメージソングアルバムということで結城アイラが参加していることに気づきませんでした。
全体的に春っぽい柔らかで爽やかなセットリストになっていて、聴いていてとても晴れやかな気分になります。Snowやmarbleの曲もとても良かったです。
花さき山 (ものがたり絵本 20)
子どもの頃に読んだ時にも感動したけれど、大人になって読み返してみると、子どもの頃よりももっと深い感銘を受けました。
昔と捉え方が変わったことは、おそらく「自己犠牲」ということでしょう。
子どもの頃、私は重度の神経症でした。
両親に認めてもらえなかったため、「人に誉められること」が何よりも大事でした。「自己犠牲」ということに、「私はいい子だ」という、どこか歪んだ自己満足、ナルシズムを感じていたのだと思います。
でも今は違う。人は関係ない。それを、最近ようやく体感できるようになってきました。
「自己犠牲」は、実は「犠牲」なんかではなかった。
それは、ただ「自分の心に花を咲かせる」というだけのことでした。
「犠牲」というより、それはむしろ自分を本当の意味で愛し、大切に慈しむことなのだと思います。
そしてそれは、図らずも、他人の心にも花を咲かせることでした。
自分を真に愛することは、図らずも、他人をも真に愛することでした。
大人が読んでも、子どもが読んでも、何度読んでも、胸に熱く迫る。
滝平二郎氏の素晴らしい切り絵については、今更何も言うことはありません。
「モチモチの木」と共に、この絵本は心の宝。
こういう本を、まさしく「名作」というのでしょう。
桜咲く街物語
いきものがかりの演奏を聴いていると、彼らの音楽のコンセプトが非常にしっかりしていることに気がつきます。とりわけ、曲自体が親しみやすいうえ、それらの「サビ」がアップテンポからバラードまで、さまざまなバリエーションの中で実に覚えやすく作られていることなど、音楽を聴く者に大きな安心感を与えてくれているようです。
このことは特に、大半のナンバーの作曲を担当している水野さんの力量によるところが大きいと思うのですが、テクニックに走らない素直な吉岡さんのボーカルにも好感が持てました。その中でも、春の情景が鮮やかに浮かぶ大ヒット「SAKURA」やポップな感覚が溢れた「HANABI」、アップテンポのメロディが星空に映える「流星ミラクル」等のシングル曲に留まらず、無くした恋を綴ったバラード「君と歩いた季節」、さらに山下さん作の、恋に破れた孤独な自分を花に例えた「ひなげし」(「雛罌粟」と書くシブさ)などには、このバンドならではの独創性を感じ取ることができます。まさに、星5つでも足りないくらいでしょう。
サウンド的にも、バンドサウンドを基調としながらも、時折みせるアコースティックな響きや、要所に聴かれるハーモニカの音色など、さまざまな工夫がこのグループを印象づけていると感じます。
また、パステル調のジャケット表紙や歌詞のページも、これらの音楽をうまく表現しているようでさわやかな印象ですね。