ウォンバットのにっき (児童図書館・絵本の部屋)
丸っこくて愛らしいその体と、表情が読みとれないくらいちっこい目。
なのに、おまえはこころのなかで、こんなことを思っていたのか?
寝るの、すき。
にんじん、すき。麦もすき。
砂浴びをする。穴を掘る。
ときにへんなやつと戦う。ものをかじって破壊する。
欲しいものは横から棒の無理を突っこんで、当然の要求として通す。
ああ、ウォンバットのペットにされた人間たち。
共存なんていう甘い幻想は、彼のまえでは粉々だ。
逆説の目線が、ユーモアを醸しだして秀逸。
なるほどなあ。
日々の暮らしや常識の枠にがんじがらめの人間様は形無しだ。
気楽に生きる極意は案外簡単なことなのかもね。
ウォンバットがっこうへいく
小1の息子のベッドタイムストーリーにと、何気なく選んだ本でした。
読み進むうちに続きが気になって、寝るのが遅くなってしまいました。
びっくりするほどデキの悪い新入生(ウォンバット)が、彼なりに成長していく様子が、
オーストラリア特有の大らかさの中で、明るく自然に描かれています。
どんな子でも自尊心や成長する力を持っている、ってことを、明るく楽しくさりげなく
教えてくれる非常に良いお話です。
市内の小学校の図書室にもれなく寄贈したい、と思いました。