2004年のフジロック、深夜のルーキーステージで多くの聴衆に期待を抱かせた感のある彼ら。「天才のススメ」に続くメジャーデビューのこのアルバムもその勢いと彼ら独自の斜に構えた感じが伝わります。一曲目「条件」豪快なギターにのっかる梅澤学慈のなんとも人間臭い良質で心のこもった歌声に、バンドの高らかな「日本語ロック宣言」のようなものを感じます。本人たちは自称“目白系文学ロック”と謳っていますが、文字通りナヨナヨしていて(?)上品な感はせず、もっと重心が低く、泥臭い感がします。歌詞も、梅澤流のレトリックを感じさせるものから“バンドやってもてた~い”なんてストレートすぎるものまで豊か。なんとなく生活感が漂っていて万人が共感できる目線だと思います。真心ブラザーズ、ニーネ、アナログフィッシュあたりが好きな人ならすごく気に入るかと思われます。 ダルマに目を入れて 関連情報
誰もがみうらじゅんのジャケで「期待」を胸にこのアルバムを手に取るだろうが、中身はその期待を遥かに超えるもの。古くは、バーズ、トム・ぺティなど、最近では、ウオールフラワーズやライアン・アダムスなどに通じる、王道の音づくりに、「日本語のロック」ならではの歌詞(近いセンスの人としては柳原陽一郎あたりか)。サ二ーデイサービスの『東京』よりも、オザケンの『LIFE』が好き、というような人にこそオススメです。 台風の芽 関連情報