シャム双子の謎 (創元推理文庫 104-11)
謎の提出と解明についてだけだと評判の悪い本作だが、ダイイング・メッセージについては、SIXだけでも短編を書けるのではないだろうか。さらにそれをを地道な推理の積み重ねで次々ひっくり返していくのだから、やはりすばらしいと思う。ただ、最終的に真犯人を示す手がかりは弱く、せいぜいその可能性が最も高い、という程度にしか思えない。その意味では「読者への挑戦」を入れていないのも納得できる。それでも後になって考えてみればなるほど、そういうわけで…というところはあって、それはエラリー自身が説明してくれるのだが。
小説としてのおもしろさということで言えば、他の人も書いているとおり国名シリーズ中でもベストの1つだろう。
Siamese Dream
GishがSmashing Pumpkinsの未来を約束させた作品であるなら、第二作目となるSiamese Dreamは、三十年分の音楽をひっくり返した作品。
Gishの成功からわずか二年、Smashing Pumpkinsはその土台をすでにボロボロにしている。ドラマーは重度の薬物中毒に、ベースとギターの恋人関係が最悪の形で解消。ボーカルであり、ほとんどの曲を担当するBilly Corganは二作目というプレッシャーに悩みながら、この作品のレコーディングではドラム以外のすべての楽器を受け持った。
超孤立無援の中、天才プロデューサーの名をこの作品でほしいままにしたButch Vigと、Billyのコンビが花開いた。
Gishで取り出さされたBillyの精神世界を語る詞に、Nirvanaの反対をいく複雑に絡み合い、完璧なハーモニーを創り出す楽器パート達が完全に機能したのが、Billyがたった一人でレコーディングをしたこの作品だから、皮肉だ。
このアルバムは全世界で1000万枚を超すセールスを記録して、三曲目、Todayは名曲中の名曲。余談ながら、この曲、某ヒップホップグループの一曲で、そのギターイントロが、使われてる。