黄金バット [DVD]
笑う怪人「ワッハマン」。「あさりよしとお」ファンなら誰でも?
知っているあのキャラクターの原点がここにある。
どこか哀愁漂う「笑う怪人」黄金バット。
単なる「ヒーロー」に過ぎないアニメ版とは違う不思議な存在感の
ある謎の男として描かれています。笑い方もこもった感じが独特で
(声優は同じ人なのですが)より不気味さが強調されています。
「1万年の眠りから覚めた」…そうせざるを得なかった男の執念と
狂気を感じさせる俳優「ミスター黄金バット」(OP字幕)です。
そして硬派なアクション。
スピード感はあるがやや軽いアニメ版と違い、重量感のある
「肉体派ヒーロー」を感じさせる殺陣。
上記「ワッハマン」の元ネタが本編や予告に多数存在し、少年時代の
「あさりよしとお」氏に与えたインパクトの大きさもあわせて知ることが
出来ます。
また「興行成績が悪かった」と言い切るには異論があります。
作品評価と興行成績が有った故「次回作」としてアニメ版が
企画されたのであり、2作目が制作中止になった理由は
主にコストや時間の問題ではないかと、私は推定します。
世間全体には「映画からテレビへ」という時代の流れがありました。
手塚治虫氏が始めた「TVアニメ低コスト制作体制」が定着し、
その影響力を無視できなくなった東映が「生き残りを掛けたコストダウン」
を計ったのでしょう。
モノクロ映画ならではの独特の存在感とあわせて、
とにもかくにも必見の名作です。
アニメソング史(ヒストリー)I
選曲に不満を持っているレビュアーの方もいらっしゃるようですが、少なくとも1に関しては文句のない選曲だと思います。何より全ての曲がオリジナル原盤によるものなのが素晴らしい!こうしたオムニバスアルバムの決定版的なものとして「テレビまんが主題歌のあゆみ」がよくあげられますが、実はカバー版だったり後期版だったり、あるいはレコード用に新たに録音し直したりで、放送されたものとはアレンジの違う曲がかなりあるんですよね(ルパン三世に至ってはなぜかEDが収録されている)。「テレビまんが主題歌のあゆみ」を補完する意味でもこの「アニメソング史」は価値のあるものだと思います。みなしごのバラード、すきすきソング、アクビ娘のうたなどの名EDが収録されているのもポイント高い!
帰ってきた黄金バット
不惑を迎えた作者の世代は、「黄金バット」の背景にある60年代末のカウンターカルチャーに対しては、言わば「遅れてきた世代」である。学生運動にしても、ヒッピー文化にしても、自らが深くのめり込むにはまだ幼く、それにも拘らずその余韻は物心がついた時には充分残っており、そこから強い影響を受けている。それにべったりとのめり込んだひとつ上の世代は、一部の人間を除けば、そこで大きく傷つき、時間の経過と共にその時代と距離を置くことになるが、この世代は決定的に傷つくことがなかったが故に、逆にわだかまりなくそれを回顧することができるし、実はその時代の感覚を持続的に引き継いでいる。この作品は、そうした「遅れてきた世代」による、ひとつ上の世代に対する鎮魂歌であると共に、失われることのなかったあの時代の感覚を継承しようという試みである。あの時代の息吹を覚えている人々には、間違いなく「はまる」作品だ。
39108 (通常盤)
ずっと気になっていた吉井和哉。イエモン時代の後期に一度聴いて以来、どこか一回人生が終わってしまった人のような、人生を見切ってしまった人のような気がしていた彼を再びTVで見て、また聴いてみたくなりました。楽曲の哀しさにくらべて詩は結構前向きなところに不思議、というか彼の魅力を感じました。