小公女 (新潮文庫)
『小公女』と言えば、日本では何といっても日本アニメーション製作の
アニメ『小公女セーラ』が有名ですが、私もアニメ版を観てから原作を
読んだ一人です。
その感想は、アニメ版は基本的に原作に忠実に作られており、アニメも
素晴らしかったですが、この原作もやはりクオリティーは相当高い、価値
ある作品であるということです。
原作とアニメ版の主人公セーラは、誇り高く感情を内に秘めるという点は
同じですが、その描かれ方は多少異なっています。
アニメ版のセーラはどんな意地悪をされても決して人に対して攻撃的に
なることもなく、かんしゃくを起こしたりもしない、まるで聖女のような
少女でしたが、この原作のサアラはあまりの生活の辛さに自制がきかず、
かんしゃくを起こして人形のエミリーにあたったり、気がきかない友人
に腹を立て、冷たい皮肉を言って後で後悔したりしています。
私は個人的にはアニメ版の聖女のようなセーラよりも、原作の、人間の
汚い部分も見せてくれるサアラのほうがより魅力的だと思います。
いずれにしてもこの作品は、少女だけではなく万人におすすめできる紛れも
ない名作であり、アニメ版のほうも本当に素晴らしいので、こちらもやはり
おすすめしておきたいと思います。
日本アニメーション 世界名作劇場 主題歌・挿入歌大全集 II
作品によって収録曲数がぜんっぜん違います。 購入前に一度詳細確認を。 あしながおじさん目当てで買った私は満足ですが。
…「懐かしさ」が無くなってきたアニメの歌達なので、正直微妙な評価です。 (セディ辺りから毎週は観なくなったもんな…)
世代によって評価は全然違うでしょうね。
セーラのOPとED。リアルタイムで観てた小学生の時も嫌いだったなあ。歌詞も変ー、と思ってた。
今考えると暗いよ歌詞も曲も。そりゃセーラは可哀相な物語だけどさ。フローネのOP聞いてみろ、この子も作中結構可哀相な目に遭うけど、OPだけ聞いたら南の島でバカンスしてるようにしか聞こえないんだぞ。(笑)
そしてあしながおじさん。堀江美都子。 歌が上手いって無意味だって思う位上手い。←え?
安定した高音や表現力には既に腹が満杯。←え?
OPの「すべてはこれから」なんて歌詞は、「甘い!普通すぎる!」思ったものですが、2番の同じメロディーの所は好きだなあ。手紙とひっかけられてさ。
しかし圧巻は挿入歌の「おろかな日記」。 曲も素晴らしいし歌詞も作品世界を良くあらわしているし(「絹の靴下」「私になんて興味が無いのですか」)、
最後、「約束するね〜」…ああこんな風に歌えたら、幸せだろうなあ〜。
…すみません、この全集、買ったものの堀江のあしながおじさんしかきいてないです。
しかし「若草の招待状」「夕陽と風とメロディ」何なんだろうこれ。
「新田恵利歌下手〜」とか笑ってたのは覚えてるけど、作品を歌詞で表現しようって気があったのか作詞家。
←ねえよ。
Little Princess (Oxford Bookworms Library)
今の今まで「小公女」を読んだこともなければ、アニメ
で観たこともありません。
しかしながら、この作品は子供の物語でありながら、
大人の利己主義が描かれています。
それでも懸命に生きようとするSaraに感動します。
名作とは幾つになって読み始めてもいいものだと
感じました。
次回はオリジナル版に挑戦したいです。
小公女(プリンセス)セーラ DVDメモリアルボックス
フランシス・ホジソン・バーネット原作の「小公女」を、(かつて存在した)世界名作劇場という番組枠において、アニメ化された作品が本作です。
もちろん本作以外にも「小公女」は各種媒体にて映像化されており、アメリカ映画の「リトルプリンセス」やテレビドラマ「小公女セイラ」などがありますが、私にとって、そして、おそらく日本人の大多数の方々にとって最も親しみを覚え、そして感動させられたのが本作、「小公女セーラ」だと思います。
本作は「セーラの性格が原作と違っている」などの批判がされているのは確かなのですが、良い意味での「脚色」だと私には思えました。
原作や映画やドラマでのセーラは、いじめや逆境を乗り越える「強さ」に重点が置かれており、少々(映画やドラマでは「かなり」)我が強い性格として描かれているのですが、本作のセーラは、その「強さ」を保ちつつも、小さい子やいじめられている子への「優しさ」に重点が置かれて描かれております。 その「優しさ」は、いじめの標的が自分に移されることも厭わない程、気高く強いものです。
さらに、セーラの優しく、芯の強い性格の土台となっている、持って生まれた「小公女」としての使命感とプライド、亡き父母へ誓った操を守ろうという悲壮な決意が、物憂げな表情や名声優、島本須美氏の穏やかで朧げで、かつ慈愛に溢れる台詞回しによって、より一層強く感じられます。
これら以外にも「脚色」と呼べなくもない点が何点かあるのですが、日本人の美的感性や倫理観、道徳観に一番よく適う「セーラ」は本作以外に私は見つけることができませんでした。
女性の方々だけでなく、男性の方々(特にも、苦難の中で孤高を貫かんとする方々)にも、是非とも本作をご覧になって戴きたいと存じます。必ずや、セーラが我々の強い味方となってくれる筈です。
巷では毒々しい言葉や態度ばかりが目に付いてしまう昨今では、本作は「時代遅れ」、「綺麗ごとすぎる」、「筋が単純すぎる」といった言葉が浴びせかけられるでしょうが、逆に、このような頽廃の時代だからこそ燦然と輝くべき「小公女」の姿が本作「小公女セーラ」には体現されているのではないでしょうか。
せめて、本作をご覧になった方々の心の中で、この清らかな天使が生き続けられますよう祈念しつつ...。
リトル・プリンセス~小公女~ [DVD]
劇中のセーラを見ていると、どんな逆境でも強く生きることの大切さ、
どんな試練にあっても人間としての思いやりを持つことの重要性を
痛感する。
しかもセーラのリーダーシップから現代の病める社会に必要なリーダー像の
基本形を見出すこともできるように感じる。
ミンチーが権力者でセーラは、その対抗勢力のよう。
しかも、その武器は「正義・倫理」を基本にした雄弁さと
行動力にある。
さながら、ローザパークスの少女バージョンのようにさえ感じさせる。
最後はハッピーエンドで幕を閉じるが、それは結果論であり、
あの正義感と行動力で、すでに、どのような事態に遭遇しようとも
セーラは勝利者なのである。