Nightmares & Fairy Tales: Once Upon a Time...
アナベルという人形の語る、彼女の持ち主が体験してきた、惨劇。
2002年初夏より季刊ペースで刊行されている連作です。
脚本は「GloomCookie」のSerena Valentino。
そして絵は当時無名に近かったFSc(Foo Swee Chin)。
本書は初のTPB(単行本)で、第1~6話が収録されています。
第1~3話は病んだ精神を持つ女性をめぐるお話。
第4話は白雪姫を題材にした佳作。
これら最初の4話はサイコホラー的な要素を強く打ち出しています。
そして第5話では現在のアナベラの持ち主であるグウェンという少女が登場。
重要なエピソードであるとともに、
子どものころ誰もが抱く不安を見事に描いた、
このシリーズの傑作のひとつです。
第6話はシンデレラのパロディ。
アナベラがグウェンに昔話を語るというスタイルはここから始まりました。
それと同時に、作品のトーンも柔らかになっていきます。
いびつさ、痛ましさとともに詩的な美しさを感じさせる作品。
ひとりの夜にオススメします。
ヴァレンティノ [DVD]
ハリウッドで活躍したのはわずか5年。ドラマティックにしてスキャンダラスな「ルドルフ・ヴァレンティノ」。演ずるは20世紀を代表するバレエダンサー「ルドルフ・ヌレエフ」。50代半ばで世を去ったこちらもドラマティックかつスキャンダラスな人生。二人のルドルフ、どちらも愛称『ルディ』。
監督は先日84年の生涯を閉じたケン・ラッセル。「チャイコフスキー」「マーラー」「リスト」など芸術家の生涯を独特な切り口(というよりは換骨奪胎)と、イマジネーション溢れる(過激にして美しい)映像表現で描く。
ラッセル監督がいったい二人の「ルディ」をどう捌いてしまったのか。鑑賞以前におかしな心配をしてしまう。どちらの「ルデイ」にも思い入れがなく、ラッセルファンという方が一番心穏やかに、監督に身をゆだねることができるのでは?
31歳の若さで亡くなったヴァレンティノ。葬儀には何万人ものファンが押し寄せた。映画はモノクロの押し寄せるファンの波から始まる。棺に入ったヴァレンティノ(ヌレエフ)の顔がアップで写る。カメラが引くと同時にカラーに変わり、ヴァレンティノのハデな死化粧があらわになる(笑)。尋常ならぬ華美な葬儀場。 真っ赤な花で作られた大きな「ハート」!(後のシーンで登場)
棺を囲んで「このスターの死をどう有効に宣伝に使うか」の相談。外からはファンがなだれ込む。破れた壁を棺のふたで乱暴に修理。もう無茶苦茶!!。
死を悼む女性が登場。そして過去のシーンへ。邸宅の中、タンゴを踊る二人の『男性』。ヴァレンティノとニジンスキーという設定。バレエダンサーのタンゴは見応えがある。美しいー!タンゴが一段落すると、「ニジンスキーさん」が普通のバレエを少し披露。すごく嬉しそうに眺めるヴァレンティノ(ヌレエフ)。二人の関係を暗示しているのはいうまでもない。 後半、「ピンクのパフ」が乱れ飛ぶシーンがあるが、これも男色を意味するのだという。
葬儀。過去。過去のロケとスタジオ撮影現場。交錯しながら、ヴァレンティノの出演作品に、その時々の女性、その他事件を絡ませドラマティックにしてスキャンダラスな短い人生をたどる。ぶっとんだコミカルな雰囲気濃厚。バレエ『牧神の午後』のポーズをとりながらの写真撮影。重婚罪での獄中ヴァレンティノに迫り来る恐怖(コミカル)。矢継ぎ早に場面が変わりイメージの洪水。全編豪華絢爛装飾過多。随所で使われるタンゴの曲と踊りが官能的なムードを醸し出す。(ヌレエフのダンスはスゴく得した気持ち!)
徐々にハリウッドに食いつぶされていくヴァレンティノの悲哀を見せる。イタリア出身、オレンジ農園が夢だったのに・・・。
ヴァレンティノの「ファンを虜にした性的魅力」と「ナイーヴさ 」。ヌレエフは特に後者を上手く演じていたと思う(魅力はある程度自然に出る)。
ついにヴァレンティノは無謀な戦いに挑む。相手はハリウッドのシステム、マスコミ、ファン(全て今日持ち上げたかと思えば翌日には手のひらを返すような存在)。その象徴としてのボクシングのシーンは大勢の観客、ダンスとパワフルな映像で圧巻。
前半なんとなく戸惑い気味だったヌレエフも、中盤過ぎからはもう腹をくくって大熱演。二人のルディに拍手!(実はとまどったのは私かも?ストーリー順に撮るわけでもないのだろうから。)
そしてヴァレンティノは力つきる。(実際は胃の病気で亡くなったとか。) オープニングのハデ葬儀とは打って変わって静謐なエンディング。
「天国に今夜星がひとつ新たに現れる〜♪」オープニングとエンディングに流れるとても美しく穏やかな曲。ハリウッドのスターとバレエ界のスター。二人のルディ。幾多の重圧を受けながら駆け抜けた人生。二人のスターは空の星になった・・・。ケン・ラッセル監督も星になった・・・。
みんないつかは星になる。好きなようにかけぬけよう!どうせいつかは星になる〜♪
[ルチアノ バレンチノ] LUCIANO VALENTINO オフィスサンダル
社内履き用として購入しました。
適度に高さもあるのにヒールが太くて安定しているので、社内履きなどに使用するにはいいと思います。
オフィスの中では突っかけ状態で履き、外にランチしにいくときは紐を踵にかけて履いています。
形は気に入っているのですが、底面がビニールなので、調子に乗って歩きすぎたりして足に汗をかくとかなりにおいます。
きちんとお手入れをすれば、かなり使える靴です。
FASTER [DVD]
私も映画館で観ましたが、
さすが!福山雅治の「桜坂」を手がけたマーク・ニール監督の手による作品。
ドキュメンタリーとして、レースやレーサーの素顔に密着しつつも、重苦しさを感じさせることなく、
カット構成さえもスピード感を伝えてくるような迫力がまさに圧巻でした。
レースの記録を残す為の映像ではなく、一人一人の記憶を呼び起こすこの作品は、
全MotoGPファン必見のDVDです。
バレンチノ [VHS]
往年のハリウッドスター、ルドルフ・バレンチノを、バレエ界のスーパースター、ルドルフ・ヌレエフが演じる異色作。当時のハリウッドの猥雑な風俗がケン・ラッセル監督のけばけばしい映像美で表現され、ヌレエフの過剰な演技とセクシーさが妙にマッチしています。
ヌレエフファンとしては、彼の癖のある英語と、スーツ姿と、バレエ以外の官能的なダンスが堪能できて必見。英ロイヤルバレエ団の名プリンシプル、アンソニー・ダウエルとの(男同士の)タンゴは非常に端正でありながら官能的。またボクシングでの決闘シーンは異様な迫力があります。映画業界やジャーナリズムに翻弄され、ファンが抱くスター像と本当の自分との間に引き裂かれつつ、もがき抵抗する滑稽で哀れな姿は、ヌレエフ自身の体験!と重なっているかもしれないと思わせるものがあります。最近では、マイケルジャクソンの名声ぶりと、そんな彼の不思議すぎる奇行が重なります。マイケルジャクソンの生き様を思うに、映画の中のバレンチノの奇行(そしてヌレエフの演技ぶり)が分かる様な。。。。。
かなり癖のある映画なので星4つにしました。私にとっては不思議と重みのある映画の一つです。