大震災の後で人生について語るということ
ポスト3・11の人生設計とは――
私たち一人ひとりにできることは、「個人のリスク」を「国家のリスク」から切り離すこと。著者はそう結論づける。
そして、そんなことがもしも可能だとしたら、それは、ポスト3・11の現在が、最後のチャンスなのだ、という。
そして、そうしなければ、いつか、「この大切な故郷(くに)を守るひとはどこにもいなくなってしまう」のだと。
大震災後、橘氏が、やりかけの仕事を全て断って、呆然と過ごす日々ののちに、たどりついた、「その先に進む」ための思索が、まとめられている。
その結びに、「大切な故郷(くに)」という言葉が出てくることに、私はまず驚き、感慨を抱いた。その思索を、橘氏らしい実際的な分析とともにたどることで、読者一人ひとりもまた「その先に進む」手がかりを得られるはずだ。
黄色いバカンス
TVアニメ「ぱにぽにだっしゅ!」のテーマ曲。
アニメ監督は、あの「Neko Mimi Mode」で話題となった「月詠」の新房昭之。今回も期待に違わず、非常に凝ったOPとEDを見せてくれます。
曲調は、サーフミュージック的なバンドサウンドを基調に、フィンガー5を思わせるようなコーラスを配置。
グループサウンズを聞いて育った世代にはたまらない、レトロテイスト満点な楽曲です。
中途半端な古さというのは失笑モノですが、さすがに'60~'70年代まで遡れば、かえって今聞くと新鮮な印象があります。
でも、歌うのは今ドキの声優の可愛い声ですし、所々にシンセ音の遊びがあったりして、ちゃんと現在のアニメ音楽シーンから浮かないような配慮がなされています。
アニメのOPでは、この曲にサイケデリックな色調の映像をあわせており、より一層のレトロテイストを打ち出していて格好良いです。
曲のタイトルはザ・ピーナッツの「恋のバカンス」からでしょうか。あと、ハロプロ(つんく)の「黄色いお空でBOOM BOOM BOOM」が元ネタの一つだと思います。
「黄色」と「ミツバチ」を関連づける発想が同じですし、本曲にも「ブンブンブブブン」という歌詞が出てきますので。
当分、新房作品のOP/EDからは目が離せそうにありません。
世界にひとつしかない「黄金の人生設計」
橘氏の本はこれが一冊目です。
海外投資を楽しむ会のホームページで知り、とりあえず注文してみました。
独特の語り口は鋭くて、かつ、笑えます。
しかしながら、著者の切り口はまっとうで、現実が過激だったのねという印象をうけました。
無知は最大の罪といいますが、知らなければいけなかったことがここにたくさん
詰まっています。これ以上、無知でいてはいけないと気持ちを奮い立たされました。
ここ、10年ほどのうちに、友人、知人がせっせと若いうちから住宅購入だ、生命保険だ、
結婚、出産だと「着実に」まともな人生を築いていくのを見聞きしていましたが、
ここ数年は、景気の停滞や住宅ローン、離婚の危機、子供の教育費用云々などで
まるで人生反転したかのような人々を多くみるようになりました。
この本を読んで、なんでそういう人がここのところ続出しているのか理解しました。
個人的には、不動産購入、生命保険というのはまるで関心がなく、運と縁あって、海外で生活
をすることになり、もし、大きな資産を日本で購入していたらこうは暮らしていなかった
だろうと思い当たりました。安定、安心を求めるのは人の常ですが、よくよく
知識をつけてからよい決断をしないと、それがかえって手かせ足枷となり、身動きの
とれないまま不本意に人生を終える状況へと自分をおとしいれてしまう・・・
安定、安心というもの自体、実は幻のようで、自己責任で人生を生きていくよう
腹をくくる覚悟をうながす本でした。素晴らしいの一言。
日本だけがなにも危機的状態にあるのではないと思いますが、この本を読んで、
今いる国の現実と比べても、あきらかに日本では先進国の国民として持つべき
権利を勝ち取ってきていないと思いました。
なによりも肝心なのはまずは「知る」ことだと痛感しました。
日本は大切な祖国です。離れてはいても、みんな幸せに無事で暮らして欲しいと思いました。
著者のジャーナリスト魂というか、良心と情熱に敬意を表します。
数年が経っていますが、それでも尚、読んでおかれることを強くお勧めします。
臆病者のための株入門 (文春新書)
個人的に好きな作家である橘玲さんが書いた新書である。最初に「株式投資はギャンブルである」という言葉で度肝を抜かれるが、だからといって、株式投資がいけないと言っているわけではない。株式投資というゲームに参加するのであれば、証券会社の投資セミナーなどに参加して甘言に乗せられる前に、自身の金融リテラシーを高めて、きちんと投資のリスクと中間搾取されるコストなどゲームのルールを認識した上で参加すべきというのが全体としてのメッセージ。もちろん、この本の中でもファイナンス理論のほんの触りの部分などが分かりやすく解説されているので、一読することによってゲームの基本的なルールは習得できるようになっている。「3ヶ月で○億円儲けた」的な安易な書籍が氾濫する中、このような正統派の本の存在は希少であり、ぜひ株式投資初心者に読んでもらいたい一冊。