ミッシング [DVD]
この事件に無知な状態で見たら、全く面白くなかった。事件について調べて概容を頭に入れて見たら、とても面白かった。
日本語字幕ではだいぶ台詞が省略されてるので、吹替えが大いに役立つ。そういう意味でDVD向きの作品です。英語字幕などでニュアンスを再確認とか、分かりにくいところを何度も見るとか、色々できるしね。
主演のレモン&スペイセクは素晴らしいし、他の俳優達もいいのだが、やっぱり映像的に感じさせる物があまり無いので、事件に興味ない人に訴えるものがあるかというと、疑問ですね。
クーデター前の平和な状態と後の状態、保守的な父とリベラルな息子夫婦などの対比が映像的に示されれば良かったのですが、それは無かった。やっぱり言語による情報にかなり依存しないと面白くないので、「映画的」なんて言いそうなシネフィルにはウケが悪いでしょう。
(平和の象徴らしき)白馬を軍が発砲しながら追い回す幻想的なシーンも単体では美しいけど、作品全体の中で見ると、「こんなことやる暇があるなら、もっと本題を映像的に分かりやすく表現してくれよ」と思ってしまった。
DVD時代が来て、はじめて大きな価値をもつ作品という気もする。値段も安価なので購入する意義は大いにある。ネットでもこの事件について調べられるしね。
告白 [DVD]
この映画のもととなった史実を私は全く知りませんでした。これは1952年チェコスロバキアの共産党書記長ルドルフ・スランスキーと13人の党高官たちを国家反逆罪で裁いたプラハ裁判の顛末を描いた映画とのことです。当時の外務副大臣だったアルトゥール・ロンドンの手記「自白‐プラハ裁判煉獄記」が原作で、ロンドンをモデルとする主人公ジェラールをイブ・モンタンが、そしてその妻リーズを実生活でもモンタンのつれあいだったシモーヌ・シニョレが演じています。
ジェラールはある日突然反逆罪で国家当局に拉致されます。彼は共産党にとって都合のよい自白を強要され続けるのですが、2時間以上もある作品の内およそ8割が、食事や睡眠も満足に与えられない苛烈な尋問生活の場面で占められています。拘束した相手に対し、牢獄内を休みなく行進させ、尋問の席では自己の尊厳を踏みにじるような罵声を大声で浴びせ続けるという当局側の手順は、見沢知廉の「囚人狂時代」(新潮文庫)で描かれた日本の刑務所とまさに同じ拷問ですが、剥き出しの神経に錆ついたやすりを長時間かけ続けられるかのような塗炭の苦しみの連続に、私の神経も完全にまいってしまいました。スターリニズム共産主義の恐怖を、見ている側が疲労困憊するまでとことん味わわせる映画です。
そしてこのプラハ裁判は、共産党内のスターリン主義者とトロツキー主義者との派閥闘争という図式のみならず、「容疑者」の大半がユダヤ人であるという人種差別の様相をやがて呈してきます。
裁く側も裁かれる側も、平和で平等な労働者の国家を建設するという理想を掲げていたはずです。しかし暴力によって獲得したものは、維持と管理をする上でも永遠に暴力を頼りとせざるをえません。そんな哀しくも恐ろしい現実を容赦なく見せつける作品です。
FINAL FANTASY XII PLAY ARTS ガブラス (ノンスケールPVC塗装済みアクションフィギュア)
いいわぁコレ。
鎧や兜、模様がついてるがただ色が塗られてるだけじゃなくてちゃんと立体的になってるし
色合いも絶妙で渋く、そして雰囲気がよく出ている。
特に兜(顔)の部分は複雑な形状になってて何枚もの素材が重なってて出来てる。
覗き込んだ時は感動した。ここまでやるんかいと。
実はプレイアーツなる物は初めて買ったんだけどすごく満足。
いわゆるアクションフィギュアってどうしても関節部が気になるから嫌いだったんだけど
この全身鎧のカブラスならあまり気にならないし他のキャラも買ってみようかと思いました。
兜の下方向にのびる角と肩のガードが当たって動かしにくいが
なんとかずらせた。二つの武器はひとつに繋げられる。スバラシイ…。
戒厳令 [DVD]
☆南米ウルグアイのモンテビデオで、アメリカ人の射殺死体が発見される。国際開発機関の交通、通信担当技師として米国から派遣されたサントール(イヴ・モンタン)だった。都市ゲリラの革命グループに誘拐され、ジャーナリズムは色めき立つ。調査で彼の正体が暴かれる。ワシントンの国家警察学校の教官で、左翼勢力弾圧のベテランであった。政府は戒厳令を発令。特殊軍事警察を出動させる。革命グループは政治犯釈放を要求するが、政府は応じなかった…。という、物語。監督は『告白』『Z』等の、政治サスペンスを作り上げ、名声を高めた、フランス映画界を代表する巨匠、コスタ・ガブラス。オープニングから事件のカギとなる状況経過の様子をニュース・フィルムのような緊迫感たっぷりの映像を駆使しながら描き、生々しい迫力を盛り上げている。コスタ・ガブラス監督らしい、リアリズム・タッチの演出も作風に現実味を与える。ドキュメンタリー風の描写が醸し出す、クーデター&戒厳令の大規模な場面と退廃的な魅力も尋常ではない。事件に関わった人物たちの回想と過去を交互に平行しながら繰り広げられる、地味な積み重ねと野心的な画面構成を試みた複雑にして、綿密な手法もお見事。一切の妥協がない、冷酷非情な雰囲気もよろしい。賛否両論の結末も身の毛がよだつ。サントールを演じた、イヴ・モンタンが素晴らしい名演技を披露している。製作総指揮はジャック・ペラン。スケールの大きな最高の社会派大作である!☆。