The Strawberry Statement [VHS] [Import]
この、胸の奥からこみあげてくる熱いものは、何なのだろうか?
いま、リバイバル公開中の『いちご白書』を観た。
正直、観に行く前は、「あの時代」の空気を捉えた優れた映画のひとつだろう、という程度に考えていた。
そもそも自分は、学生運動など体験していない世代だし、大学生の時もそんなものに興味もなかった。
だから、こんなにこの映画に共鳴してしまうとは思ってもいなかった。
『いちご白書』は、学生運動の映画なのだが、それ以上に、何よりも素晴らしい「青春映画」だったのだ。
主演のブルース・デイヴィソンとキム・ダービー(『勇気ある追跡』!)の若い二人のはつらつとした演技。監督、スチュアート・ハグマンの青臭いくらいの演出。その才気ばしったカメラワークと、実験精神横溢する編集テクニック。あの時代を彩った、甘酸っぱい音楽の数々。
すべてが瑞々しく、若いパワーと歓喜のエネルギーにみなぎっている。
あの、怒りに打ち震えるクライマックスの凄まじさの前にも、決して色褪せない青春の輝きが、この映画の中には満ち溢れているのだ。
オープニングを飾った、バフィー・セント・マリーの素敵な素敵な「サークル・ゲーム」が、ラストに再びかかった時、不覚にも落涙しそうになっている自分がいた。
もう少しで、思わず拍手をするところだった。しちまえばよかったのに(笑)。
この映画は、世界のどの国でもまだDVD化されていないという。
しかし、今回、晴れてニュープリント上映したからには、来年早々には国内DVD化するのでは?と勝手に期待しているのだが。いや、するでしょう。ゼッタイ。
その時に、この熱い思いをあらためてレビューに叩きつけよう。
その時まで、もうしばらく、この思いを胸の奥にしまっておきます。
堂本剛 ベルリン
テレビ番組でベルリンの撮影風景を見てから気になってました!
実際、手にとって見てみると・・・すっごく素敵な物に仕上がっていて見ごたえタップリでした☆
また雑誌PSでの連載ページが第1回から最新まで載っていて、その歴史を一気に見ることが出来るのも
お得だと思います♪
是非ファン以外の方、幅広く手にとって見てもらいたい!!
そんな一冊です!
佐渡裕 指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 武満徹:フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 [DVD]
佐渡、念願のベルリン・フィルデビュー盤ということで、おめでたの意味もあり期待を込めて購入。
しかし、メインのショスタコ5番は演奏がやや緩慢でオケに締まりがない。曲の性質からして、もっとキビキビ、ダイナミックに演奏して欲しかった所だ。本人には申し訳ないが退屈な演奏だった。最近のベルリン・フィルのDVDというとラトルのブラームスも観たが、やはりオケのまとめ方が段違いであり、力量の差を感じた。佐渡の今後の成長を期待したい。
一方、新鮮な驚きを与えてくれたのが武満徹のFrom Me Flows What You Call Timeで、10種類ぐらいの珍しい打楽器を魅惑的に奏でていた。
今後、この曲を何度も聞き込むかと言われると微妙だが、この曲がこのディスクの最大の聴きどころであるのは間違いない。
評価としてはショスタコ2、武満4の総計3としたいことろだが、NHKによるすぐれた画質、音質によりプラス1とした。
ON THE STREET CORNER 2
ア・カペラとは『無伴奏で』という音楽用語ですが、
このアルバムはOn the Street Corner 1の続編として86年にリリースされたものです。
前作は特にドゥーワップを中心にしたアルバムになっているが、今作は様々な音源の
一人多重録音にチャレンジしています。
当時、ここまでの完成度のアカペラ音源は国内では皆無で、しかも一人多重録音という手法は
現在に至るまで類を見ません。
出色はSo much in Love と2曲のクリスマスソングです。
So much in Loveは確か30年近く前にパイオニアだったかのCMで流れていたのを
達郎さんが聴いて、これなら自分の方が上手い!とライバル心を燃やしたそうです。
確かに素晴らしい出来です。
また、クリスマスソングは荘厳なクリスマスミサの雰囲気を感じさせてくれるアレンジと歌いまわしです。
おごそかな気持ちにさせてくれる出来に仕上がっています。
ドゥーワップからジャンルを広げた事で、ポピュラー感が増して、明るい雰囲気を感じます。
文句無し!☆5つです。
ベルリン・天使の詩【字幕ワイド版】 [VHS]
喧騒のなか、僕が”当時男子校であった”仙台二高に電車で通っていた頃、一見してシスターとわかる女性の、あきらかに意識のトビラを閉ざして座席にいる姿が妙に気に掛かり、しばし眺め続けていたことがある。
『きっとこの人たちは尊い意思を持って奉仕されているのだろう』とは思う一方、俗世間でのいろいろにこのように心を閉ざすことが果たして神の御意思なのだろうかと疑問に思った。もっと世間に降りてきて傷つき、泣き、わめき、笑い、汗をかき、悩み、泥のように眠り、歌を歌い、そんな中で信仰も深まっていくのではないのかなあと妙に気になり、そんなことを感じていた。
この映画は、人生のあるディテールを知りすぎてしまい、却って動けなくなってしまった世の中のおおぜいの主人公たち【わたしたち】に穏やかに、しかし確信をともなった勇気を運んでくれる。僕にとって当時のできごとと完全に重なって映りました。よい作品です。
このレビューが2002/10/10に掲載されその後スクラッチ書込みでいたずらされており、ひどく嫌な思いを致しました。犯人は反省してくれ。するわけ無いか‥