蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ DVD-BOX
第一章『人生って嘘みたい』★★★★愉快! <ネタバレ>
事故で死んでしまった恋人(=加瀬亮)が、ヒロイン(=蒼井優)の夢の中に現れ、夢うつつ状態で現実世界と混和して来る様子は愉快で切ない。かみさんに逃げられた喪失感で戸惑う男(=西島秀俊)が、唯一家に残された妻のブラジャーを着用することで不安感を中和するのもおもしろい。この3人がどう絡むのか→設定も再会もお見事! 深い喪失感が共通項。
三人とも好い味出してる。これで加瀬亮君のファン?になりました。けれど、何と言っても優ちゃんがやっぱ巧いなぁ……
1年後という設定の第3話では、それまでとは打って変わって二人芝居の舞台演劇になっている。部屋の前で煮干しで手懐けるとそのまま住み着いてしまったクロネコ=温水さんと、優ちゃんの会話が超楽しい。ようやく立ち直れてよかったネ。ちなみにメイキングを見ると、カメラには写っていないのに舞台の前には三、四段の観客席が設えられていた。その凝り様にはびっくりだが、生演劇の緊張感を作り出すにはきっと必要だったんだよね。
第二章 『バライロノヒビ』★★★シリーズ第2章も決して悪くはない
とにかくこのヒロインはひたすら走る! その走り方のバリエーションと、コスプレなどの服装、形相(表情)などの違いを大いに楽しもう。アパートをスタートして10分後の到達地点(肉屋の前だったり、花屋の前だったり…花屋はワタルの妄想だったかな)で、妄想した誰かとそのシチュエーションの緊張度が分るなんて愉快だ。
友人ワタルの想いが、もどかしくも少しずつ伝わって行く描写は悪く無いね。まあ平凡なワタルがアイデアを搾り出して求愛?しても、マコトちゃんは手に余る強敵だけどね(笑) でも決して難攻不落ではない筈だから、最後まで諦めるなワタル君。妄想ラブコメ楽しかった。
それにしても優ちゃんは走るのがとても上手だ。全力疾走の感じがびんびん。ゴールした時の苦しそうな演技はひょっとしてホンモノすか!? 実際現場では「もう走りたくない」とコメントするほど走らされ続けたみたいだ。
第三章 『アカバネ三姉妹』★★★★「やっぱり猫が好き」みたいなホームコメディかな
三姉妹がリビングルームだけで悲喜劇トークを繰り広げる。「やっぱり猫が好き」みたいな感じかな。私には「アカバネ三姉妹」の方が好み。この三章の三話、どの話も愉快だった。優ちゃんはもちろん好いが、特に長女役が最高(笑) 撮影後のインタビューで『アカバネ三姉妹』をもっと続けてみたいと答えた優ちゃん。シットコムが気に入ったようだ。
第1話……地元の同じ小学校を卒業した三姉妹は共通の恩師の葬儀に参列した。帰宅後、思い出話が盛り上がる内、破天荒な次女があるモノを持ち帰ったことが発覚する。恩師(ドリフの仲本工事)の幽霊が憑いて来てしまったのはそのせいだろう。爆笑トークで噴出したお茶などを何度も引っ掛けられた仲本が、頭に着けた三角巾を取り外しファブリーズしてる所など、細かいギャグ満載で最後まで笑える。
第2話……大映ドラマ系を目指したというが、寧ろシリアスな韓国ドラマを茶化しているように感じた(笑) リアリティを追求する優ちゃんのやり過ぎダイコン系演技が超愉快!
第3話……行かず後家系長女への見合い話を切っ掛けに、セックスの意味を追求する長女と三女(蒼井優)の喧嘩で大爆笑。
第四章 『都民・鈴子 −百万円と苦虫女 序章−』★★★★この第4章も悪くないよ
監督は「百万円と苦虫女」のタナダユキ。本編の映画を撮っていた時の話の中で、蒼井優だけ写していてもシーンが十分に持ってしまうと言っていた。この第3話ではコトバ通り実験を試みたようだ。
第1話……女子大生の仲良しグループの一人がウソツキ女で、ついに仲間から愛想をつかされるのだが、最後の話だけはホントだった。オオカミ少年のお話ですね。確かにこの話は映画の序章みたいだった。優ちゃんのアライグマのキグルミはなかなかキュート。
第2話……人生の目標を既に失っているのに、二人だけの世界を作り上げたと勘違いしている、コンビニで働く哀れな恋人達の話を舞台演劇風に映像化。原案の「賢者の贈り物」は知らないが結構おもしろかった。それでも優ちゃんの役どころが黒子的存在になっていたのがやや寂しいかな。
第3話……第2話と打って変わって、優ちゃんしか写してないという大胆な設定。三角関係に絡む友情の話で展開も愉快だが、優ちゃんの表情変化や様々な仕草がたっぷり観られて大満足。
事故で死んでしまった恋人(=加瀬亮)が、ヒロイン(=蒼井優)の夢の中に現れ、夢うつつ状態で現実世界と混和して来る様子は愉快で切ない。かみさんに逃げられた喪失感で戸惑う男(=西島秀俊)が、唯一家に残された妻のブラジャーを着用することで不安感を中和するのもおもしろい。この3人がどう絡むのか→設定も再会もお見事! 深い喪失感が共通項。
三人とも好い味出してる。これで加瀬亮君のファン?になりました。けれど、何と言っても優ちゃんがやっぱ巧いなぁ……
1年後という設定の第3話では、それまでとは打って変わって二人芝居の舞台演劇になっている。部屋の前で煮干しで手懐けるとそのまま住み着いてしまったクロネコ=温水さんと、優ちゃんの会話が超楽しい。ようやく立ち直れてよかったネ。ちなみにメイキングを見ると、カメラには写っていないのに舞台の前には三、四段の観客席が設えられていた。その凝り様にはびっくりだが、生演劇の緊張感を作り出すにはきっと必要だったんだよね。
第二章 『バライロノヒビ』★★★シリーズ第2章も決して悪くはない
とにかくこのヒロインはひたすら走る! その走り方のバリエーションと、コスプレなどの服装、形相(表情)などの違いを大いに楽しもう。アパートをスタートして10分後の到達地点(肉屋の前だったり、花屋の前だったり…花屋はワタルの妄想だったかな)で、妄想した誰かとそのシチュエーションの緊張度が分るなんて愉快だ。
友人ワタルの想いが、もどかしくも少しずつ伝わって行く描写は悪く無いね。まあ平凡なワタルがアイデアを搾り出して求愛?しても、マコトちゃんは手に余る強敵だけどね(笑) でも決して難攻不落ではない筈だから、最後まで諦めるなワタル君。妄想ラブコメ楽しかった。
それにしても優ちゃんは走るのがとても上手だ。全力疾走の感じがびんびん。ゴールした時の苦しそうな演技はひょっとしてホンモノすか!? 実際現場では「もう走りたくない」とコメントするほど走らされ続けたみたいだ。
第三章 『アカバネ三姉妹』★★★★「やっぱり猫が好き」みたいなホームコメディかな
三姉妹がリビングルームだけで悲喜劇トークを繰り広げる。「やっぱり猫が好き」みたいな感じかな。私には「アカバネ三姉妹」の方が好み。この三章の三話、どの話も愉快だった。優ちゃんはもちろん好いが、特に長女役が最高(笑) 撮影後のインタビューで『アカバネ三姉妹』をもっと続けてみたいと答えた優ちゃん。シットコムが気に入ったようだ。
第1話……地元の同じ小学校を卒業した三姉妹は共通の恩師の葬儀に参列した。帰宅後、思い出話が盛り上がる内、破天荒な次女があるモノを持ち帰ったことが発覚する。恩師(ドリフの仲本工事)の幽霊が憑いて来てしまったのはそのせいだろう。爆笑トークで噴出したお茶などを何度も引っ掛けられた仲本が、頭に着けた三角巾を取り外しファブリーズしてる所など、細かいギャグ満載で最後まで笑える。
第2話……大映ドラマ系を目指したというが、寧ろシリアスな韓国ドラマを茶化しているように感じた(笑) リアリティを追求する優ちゃんのやり過ぎダイコン系演技が超愉快!
第3話……行かず後家系長女への見合い話を切っ掛けに、セックスの意味を追求する長女と三女(蒼井優)の喧嘩で大爆笑。
第四章 『都民・鈴子 −百万円と苦虫女 序章−』★★★★この第4章も悪くないよ
監督は「百万円と苦虫女」のタナダユキ。本編の映画を撮っていた時の話の中で、蒼井優だけ写していてもシーンが十分に持ってしまうと言っていた。この第3話ではコトバ通り実験を試みたようだ。
第1話……女子大生の仲良しグループの一人がウソツキ女で、ついに仲間から愛想をつかされるのだが、最後の話だけはホントだった。オオカミ少年のお話ですね。確かにこの話は映画の序章みたいだった。優ちゃんのアライグマのキグルミはなかなかキュート。
第2話……人生の目標を既に失っているのに、二人だけの世界を作り上げたと勘違いしている、コンビニで働く哀れな恋人達の話を舞台演劇風に映像化。原案の「賢者の贈り物」は知らないが結構おもしろかった。それでも優ちゃんの役どころが黒子的存在になっていたのがやや寂しいかな。
第3話……第2話と打って変わって、優ちゃんしか写してないという大胆な設定。三角関係に絡む友情の話で展開も愉快だが、優ちゃんの表情変化や様々な仕草がたっぷり観られて大満足。
キュリアス・クリーチャー
キューピーライトのCMソングが気に入り、CDを購入してみました。とにかく気持ちいいです。優しい声です。素敵な曲です。リラックスできます。キューピーライトのCMソングがCDになるのが待ち遠しくてなりません。
映画パンフレット 「クワイエットルームにようこそ」 原作/脚本/監督 松尾スズキ 出演 内田有紀/宮藤官九郎/蒼井優/りょう/妻夫木聡/大竹しのぶ
いろいろな裏話が読めて楽しかったです。劇場で見たかったなあ・・・
蒼井優 写真集「トラベル・サンド」
自然体で、ものすごくかわいい。
写真もきれい。すごい合ってると思う。
服とかすごくすき。
優ちゃんの日記も入ってて、それがおもしろい。
ぼーっとした顔もあるので
そんなのがファンにとってはうれしい笑
写真もきれい。すごい合ってると思う。
服とかすごくすき。
優ちゃんの日記も入ってて、それがおもしろい。
ぼーっとした顔もあるので
そんなのがファンにとってはうれしい笑
リリイ・シュシュのすべて [VHS]
はじめに、非常に好き嫌いの分かれる映画であることを断っておく。
まず、映画は娯楽であると考える人には、楽しむのが難しい作品である。
かといって、ドキュメンタリー作品では決して無い。
リアリティを期待して鑑賞すると、裏切られることになるだろう。
むしろ、現実を下敷きにしたファンタジー映画と捉えるくらいが丁度良いのかもしれない。
ただ、残るのである。
強烈な何かが、良い意味でも、悪い意味でも、残るのだ。
このもやもやした後味を、単なる嫌悪感や共感で片づけず、その正体を考え込んでしまったら、
この作品はその人にとって、忘れられない作品になるだろう。
この作品の見所は2つある。
一つは、青春映画として優れている点だ。
思春期の描写を得意とする岩井俊二は、本作でも遺憾なく、その才能を発揮している。
学校の持つ、あの独特の閉塞感や、幼さと背伸びのギャップの間で揺れ動く思春期の心理描写は、見事に岩井節炸裂といった所である。
出演者のぎこちない演技も、却って中学生の人間関係のぎこちなさがダイレクトに伝わってきて、むしろ良い。
物語の前半は、淡々と進行し、中だるみを感じる点もあるように思える。
しかし、目を逸らすことの出来ない後半の怒号の展開は、一見の価値ありだろう。
思春期の暗い側面を見事に描いた傑作である。
もう一つの見所は、現代カルチャーの無力さを真摯に描いた点である。
作中のカリスマ歌手は、結局、作中の現実の救いにはなれなかった。
そして同様に、この映画も結局、現実の救いにはなれないのだ。
この作品のあちらこちらに、こういったメタ構造を備えたパーツが散りばめられている。
撮影者の存在をあえて強調したカメラワークやライティング、少年達が傾倒する歌手、リリイ・シュシュの薄っぺらさ。
「リリイ・シュシュのすべて」というタイトルが示すとおり、リリイ・シュシュはただの人で、エーテルも存在しない。
この映画は現代カルチャーの空虚さを見事に浮き彫りにしている。
そして、この映画自体が空虚な現代カルチャーの一部であるということに自覚的だ。
そこには、岩井俊二の作り手としての苦悩と自嘲が感じ取れる。
生きてゆくこと、物を生み出すことの根拠が次々と失われていく現代日本。
その一面を、作り手として実直に描いたことが、この映画が単なる社会問題を描くにとどまらなかった理由であろう。
まず、映画は娯楽であると考える人には、楽しむのが難しい作品である。
かといって、ドキュメンタリー作品では決して無い。
リアリティを期待して鑑賞すると、裏切られることになるだろう。
むしろ、現実を下敷きにしたファンタジー映画と捉えるくらいが丁度良いのかもしれない。
ただ、残るのである。
強烈な何かが、良い意味でも、悪い意味でも、残るのだ。
このもやもやした後味を、単なる嫌悪感や共感で片づけず、その正体を考え込んでしまったら、
この作品はその人にとって、忘れられない作品になるだろう。
この作品の見所は2つある。
一つは、青春映画として優れている点だ。
思春期の描写を得意とする岩井俊二は、本作でも遺憾なく、その才能を発揮している。
学校の持つ、あの独特の閉塞感や、幼さと背伸びのギャップの間で揺れ動く思春期の心理描写は、見事に岩井節炸裂といった所である。
出演者のぎこちない演技も、却って中学生の人間関係のぎこちなさがダイレクトに伝わってきて、むしろ良い。
物語の前半は、淡々と進行し、中だるみを感じる点もあるように思える。
しかし、目を逸らすことの出来ない後半の怒号の展開は、一見の価値ありだろう。
思春期の暗い側面を見事に描いた傑作である。
もう一つの見所は、現代カルチャーの無力さを真摯に描いた点である。
作中のカリスマ歌手は、結局、作中の現実の救いにはなれなかった。
そして同様に、この映画も結局、現実の救いにはなれないのだ。
この作品のあちらこちらに、こういったメタ構造を備えたパーツが散りばめられている。
撮影者の存在をあえて強調したカメラワークやライティング、少年達が傾倒する歌手、リリイ・シュシュの薄っぺらさ。
「リリイ・シュシュのすべて」というタイトルが示すとおり、リリイ・シュシュはただの人で、エーテルも存在しない。
この映画は現代カルチャーの空虚さを見事に浮き彫りにしている。
そして、この映画自体が空虚な現代カルチャーの一部であるということに自覚的だ。
そこには、岩井俊二の作り手としての苦悩と自嘲が感じ取れる。
生きてゆくこと、物を生み出すことの根拠が次々と失われていく現代日本。
その一面を、作り手として実直に描いたことが、この映画が単なる社会問題を描くにとどまらなかった理由であろう。