黒い十人の女 [VHS]
大勢の女性を中心にした映画といえば、ペドロ・アルモドバルの「オール・アバウト・マイ・マザー」や、フランソワ・オゾンの「8人の女たち」なんかを思い浮かべます。両方とも作風は全然違うけど、大勢の女性が主体という点で、僕はあまり入り込めなかった記憶が。なんとなく反射的に身を引いてしまう。そんな筆者はまだまだ子供なのでしょうか。
で、この「黒い十人の女」もタイトル通り、10人の女性が出てきます。あっちから、こっちから、そっちから。冒頭のシーンから知らず知らず身震いが。しかも本作の女性は「黒い」のです。ここで言う「黒」とは、バイオレンスと芸能界、そして男です。元々黒いのか、それとも彼女たちが黒くするのか、とにかく男として笑えない展開。それに、いやらしいほどの過剰な演出が相まって、「黒」は更に色を深め、夜の闇に溶け込む「漆黒」へと変貌を遂げるのです。ひと気の無い所で10人の女性に囲まれたら、ビビるでしょ?泣くでしょ?わめくでしょ?ホラー映画は全然平気な僕も、この恐怖には参りました。
でも本作の面白いところは、それだけで終わらないところ。急に「白」を入れてくるのです。女性は「黒」を「漆黒」にするけど、また、「灰色」にも、「白」にも出来ることを伝えるさりげない演出が、妙に清々しい気分にさせてくれます。
「白」は「黒」によって最も映える。「女性」と「黒」が時折見せる不思議なコントラストに救われて平静を取り戻せたと思って一安心。するとどうでしょう。今度はまた「黒」に「黒」を上塗りする展開。結局いつものように頭がこんがらがって・・・。でも何故か星をあげたくなる。そんなマゾッ気レビュアーは僕だけでしょうか?
で、この「黒い十人の女」もタイトル通り、10人の女性が出てきます。あっちから、こっちから、そっちから。冒頭のシーンから知らず知らず身震いが。しかも本作の女性は「黒い」のです。ここで言う「黒」とは、バイオレンスと芸能界、そして男です。元々黒いのか、それとも彼女たちが黒くするのか、とにかく男として笑えない展開。それに、いやらしいほどの過剰な演出が相まって、「黒」は更に色を深め、夜の闇に溶け込む「漆黒」へと変貌を遂げるのです。ひと気の無い所で10人の女性に囲まれたら、ビビるでしょ?泣くでしょ?わめくでしょ?ホラー映画は全然平気な僕も、この恐怖には参りました。
でも本作の面白いところは、それだけで終わらないところ。急に「白」を入れてくるのです。女性は「黒」を「漆黒」にするけど、また、「灰色」にも、「白」にも出来ることを伝えるさりげない演出が、妙に清々しい気分にさせてくれます。
「白」は「黒」によって最も映える。「女性」と「黒」が時折見せる不思議なコントラストに救われて平静を取り戻せたと思って一安心。するとどうでしょう。今度はまた「黒」に「黒」を上塗りする展開。結局いつものように頭がこんがらがって・・・。でも何故か星をあげたくなる。そんなマゾッ気レビュアーは僕だけでしょうか?
安宅家の人々 [DVD]
1952年公開作品、主演した俳優 船越英二さん(当時29歳)の端整な顔立ち、あまりの男前ぶりに驚きました(彼の息子の船越英一郎も俳優)。知恵遅れの夫の妻を演じたのは演技派女優への転身を果たしていた女優の田中絹代さん(当時43歳)、この役柄を実に上手く演じていますね。そしてそんな知恵遅れの夫が強く惹かれる事になる弟の美しい若妻を演じたのが女優の乙羽信子さん(当時28歳)、彼女は本当に声も若々しく、何よりも実に魅力的で田中絹代さんと対比されて実に印象に残りました、脚本も実に素晴らしい心に強く残る名作、これは文句なしにお勧めですよ。