500ピース 美箔 キス クリムト作 500-101
ふっと見かけたジグソーパズルで、最近気になっている『クリムト』の作品だったので購入しました。 全体的に暗く落ちついた色で『箔印刷』という特殊な印刷のため、金色が引き立っていて(ギラギラしているという意味ではなく)部分的にメタリックな感じのところもあります。 特殊なカッティングの為繋ぎ目が目立ちにくく、飾る際にいかにも『ジグソーパズルです』という感じがしないところがいいと思います。 実は、購入する際に他社のものと比較し散々悩み(色とかピース数とか出来上がりサイズなど)ましたが、出来上がりの状態がとても美しかったのでとても満足しています。
ダナエ
藤原伊織は僕の好きなハードボイルド作家の一人だが、新刊が出たのでさっそく読んでみた。藤原伊織は長編が多いのだが、この本は短編集。いずれも中年男性が主人公で、彼らの生き様と彼らを取り巻く人間関係を捌く上での様々な心の葛藤を、藤原伊織独特の絶妙なタッチで描写している。ただ、藤原伊織はやはり長編の方が合う作家だと思う。短編だとどうしてもワサワサしてしまい、主人公に感情移入した途端に話が終わってしまう感じ。
ダナエ (文春文庫)
収められているのは「ダナエ」「まぼろしの虹」「水母(くらげ)」の中篇3篇。
タイトルとなった「ダナエ」の主人公・宇佐見は萩原朔太郎の詩の一節に象徴される「何物をも喪失せず、同時に一切を失ってしまった男」として描かれている。人もうらやむ成功を収めた今も、過去を引きずりどこか世捨て人のような生き方しかできない男。伊織さんは溢れんばかりのロマンティシズムとリリシズムをもって描ききっています。主人公の想いに思わず涙してしまったほどです。
こうした男のリリシズムは、この本に収められている「水母(くらげ)」の主人公にも共通しています。昼日中から酒場の椅子に腰掛け酒を飲んでいる男、酒を愛し、博打を愛し、考え方は堅苦しく礼儀正しいくせに放蕩を愛する男、仕事にはけっして妥協しないくせに私生活には逸脱を愛する男。自堕落に見えても矜持だけは持ち続けている男。直木賞を受賞した伊織さんの名作『テロリストのパラソル』の主人公であったアル中のバーテンダー・島村もそうでしたが、とにかく切ないほどにカッコイイのです。
タイトルとなった「ダナエ」の主人公・宇佐見は萩原朔太郎の詩の一節に象徴される「何物をも喪失せず、同時に一切を失ってしまった男」として描かれている。人もうらやむ成功を収めた今も、過去を引きずりどこか世捨て人のような生き方しかできない男。伊織さんは溢れんばかりのロマンティシズムとリリシズムをもって描ききっています。主人公の想いに思わず涙してしまったほどです。
こうした男のリリシズムは、この本に収められている「水母(くらげ)」の主人公にも共通しています。昼日中から酒場の椅子に腰掛け酒を飲んでいる男、酒を愛し、博打を愛し、考え方は堅苦しく礼儀正しいくせに放蕩を愛する男、仕事にはけっして妥協しないくせに私生活には逸脱を愛する男。自堕落に見えても矜持だけは持ち続けている男。直木賞を受賞した伊織さんの名作『テロリストのパラソル』の主人公であったアル中のバーテンダー・島村もそうでしたが、とにかく切ないほどにカッコイイのです。