華氏451 [レンタル落ち]
フランソワ・トリュフォー監督が、レイ・ブラッドベリ原作の同名のSF小説を映像化した作品(1966年製作)。
読書が禁じられた近未来の架空社会を舞台に焚書官の男と本を所持している女性の心の交流が描かれている。
言論や思想統制の恐怖をテーマに現代文明への警鐘と批判、「焚書」に皮肉が込められた作風である。
<ネット依存で活字離れが進む現代を予見していた傑作とも言われているが...。>
家々の屋根に立てられたテレビアンテナの数々や火炎放射器によって燃やされる書物の映像。
文字を読むことが禁じられた洗脳社会の不気味さを暗示する幕開けを思わせる。
本をこよなく愛する作り手側が、テレビの普及は文化破壊とばかりに観客の視線を釘付けにする。
殆どは原作者の考えに沿って作られた内容で、怪奇映画からも部分的な影響も見受けられる。
色や美術もさることながら、燃えていく本のページ一枚一枚が消えていく光景は、「肉の蝋人形」(53)で
火を放たれた時に溶け出す蝋人形の光景と重なるのである。<特殊効果はレス・ボウイ。>
大切なものを奪われることは、命を奪われることと同じくらい苦痛である。「本は生き物よ」と自ら本の山の中に
立ち、焚書隊の制止を聞かず、マッチで火をつけた老婦人が自殺を遂げる光景は痛烈な悲しみが伝わってくる。
火炎放射器で人間を焼くというホラー映画並みの衝撃的な場面もある。<撮影はニコラス・ローグ。>
テクノロジーや物質文明に翻弄される世界と人間に対する危機感、又はテクノロジーと物質に支配された
現代社会への警鐘という点では、後のクローネンバーグ監督に影響を与えている作品でもある。
だがしかし、本作は文化と自由についての映画だとか、社会批判であるとか、焚書が行われている国々に対する
告発だ、などと言われているが、実はそんなことはどうでもいい(笑)。<トリフォー自身も関心が薄い。>
SF嫌いのトリュフォー(有名)は、原作を読むや否や大いに興味を抱き、本作の映画化権を得たのは事実だ。
それは、書物が禁じられた世界というよりも、人間が生き抜くための知恵として書かれた素晴らしい発想に
感銘を受けたからである。<全体的な流れを観ると、本作はSFというよりも寓話映画である。>
場面に合わせた多彩な音色を駆使する変幻自在な編曲を発揮したバーナード・ハーマンの音楽は圧巻。
主人公モンターグ(オスカー・ウェルナー)が、エドガー・アラン・ポーの「怪奇と幻想の物語」を暗記する姿は、
物事の本質や真理を理解し、それを実践する「自立の大切さや理想の生き方」を教えてくれる。
ジュリー・クリスティーが一人二役(リンダとクラリス)に扮し、表裏一体の関係にある人物を好演している。
モンターグの役には、テレンス・スタンプも候補に挙がったが、元恋人だったクリスティとの共演は断ったらしい。
また、オスカー・ウェルナーの我儘な態度に撮影中トリュフォーが、散々手を焼いたという逸話もある。
読書が禁じられた近未来の架空社会を舞台に焚書官の男と本を所持している女性の心の交流が描かれている。
言論や思想統制の恐怖をテーマに現代文明への警鐘と批判、「焚書」に皮肉が込められた作風である。
<ネット依存で活字離れが進む現代を予見していた傑作とも言われているが...。>
家々の屋根に立てられたテレビアンテナの数々や火炎放射器によって燃やされる書物の映像。
文字を読むことが禁じられた洗脳社会の不気味さを暗示する幕開けを思わせる。
本をこよなく愛する作り手側が、テレビの普及は文化破壊とばかりに観客の視線を釘付けにする。
殆どは原作者の考えに沿って作られた内容で、怪奇映画からも部分的な影響も見受けられる。
色や美術もさることながら、燃えていく本のページ一枚一枚が消えていく光景は、「肉の蝋人形」(53)で
火を放たれた時に溶け出す蝋人形の光景と重なるのである。<特殊効果はレス・ボウイ。>
大切なものを奪われることは、命を奪われることと同じくらい苦痛である。「本は生き物よ」と自ら本の山の中に
立ち、焚書隊の制止を聞かず、マッチで火をつけた老婦人が自殺を遂げる光景は痛烈な悲しみが伝わってくる。
火炎放射器で人間を焼くというホラー映画並みの衝撃的な場面もある。<撮影はニコラス・ローグ。>
テクノロジーや物質文明に翻弄される世界と人間に対する危機感、又はテクノロジーと物質に支配された
現代社会への警鐘という点では、後のクローネンバーグ監督に影響を与えている作品でもある。
だがしかし、本作は文化と自由についての映画だとか、社会批判であるとか、焚書が行われている国々に対する
告発だ、などと言われているが、実はそんなことはどうでもいい(笑)。<トリフォー自身も関心が薄い。>
SF嫌いのトリュフォー(有名)は、原作を読むや否や大いに興味を抱き、本作の映画化権を得たのは事実だ。
それは、書物が禁じられた世界というよりも、人間が生き抜くための知恵として書かれた素晴らしい発想に
感銘を受けたからである。<全体的な流れを観ると、本作はSFというよりも寓話映画である。>
場面に合わせた多彩な音色を駆使する変幻自在な編曲を発揮したバーナード・ハーマンの音楽は圧巻。
主人公モンターグ(オスカー・ウェルナー)が、エドガー・アラン・ポーの「怪奇と幻想の物語」を暗記する姿は、
物事の本質や真理を理解し、それを実践する「自立の大切さや理想の生き方」を教えてくれる。
ジュリー・クリスティーが一人二役(リンダとクラリス)に扮し、表裏一体の関係にある人物を好演している。
モンターグの役には、テレンス・スタンプも候補に挙がったが、元恋人だったクリスティとの共演は断ったらしい。
また、オスカー・ウェルナーの我儘な態度に撮影中トリュフォーが、散々手を焼いたという逸話もある。
狩られ道豪黒毛 モンスターハンターポータブル2nd/2nd G プレイログ
私は大塚角満さんの逆鱗日記シリーズも全て読みましたが、同じプレイ日記としてはこちらの方がより実践的な記述が多いです。
角満さんはサクサク読めるコメディチックな文章ですが、倉西さんは自分のプレイを少し詳しめに書いており、モンハン初心者の私としては倉西さんの方が役にたちました。
もちろん、倉西さんもユーモアたっぷりです。
ただ文字が小さく普段あまり活字に慣れていない方には少し読みにくいかもしれません。
角満さんはサクサク読めるコメディチックな文章ですが、倉西さんは自分のプレイを少し詳しめに書いており、モンハン初心者の私としては倉西さんの方が役にたちました。
もちろん、倉西さんもユーモアたっぷりです。
ただ文字が小さく普段あまり活字に慣れていない方には少し読みにくいかもしれません。
華氏451 [DVD]
短く言えば、近未来の焚書(歴史で習いましたね)の話です。SFの叙情詩人ブラッドベリ原作、トリュフォー監督です。昔々原作を読んで映画があるのを知り、深夜のTV映画欄を毎日チェックし、数年後に見ることができた作品でした。それから、二十年ほど経ちました。今、廉価版で見ることができて感無量です。ただ気がかりだったのが、廉価版だと英語字幕のみのノイズの入った汚い画像かも…と思っていました。吹き替え版ありの高画質(デジタル処理されてると思われる)でした。これは、嬉しい誤算でした。特典映像もたっぷり。・ジュリー・クリスティによる音声解説・原作者レイ・ブラッドベリのインタビュー・メイキング・「華氏451」と音楽・オリジナル・タイトルとシークエンス・フォトギャラリー難点は、特典映像は字幕なしです。トリュフォーだからフランス語と思っていたら、すべて英語ですが、やはり字幕は欲しいところ。それで星4つです。ラストの方で、ブラッドベリファンに嬉しいオチもありました。燃え盛る数々の本。白鯨、カラマーゾフの兄弟、高慢と偏見、月と6ペンス、地下鉄のザジ、パロディ雑誌MAD等々。かつて純文学も読んだけど、最近は本といえば実用書ばかりだなという方にもお勧めです。以前見たときは気付かなかったけど、DVDで再認識できたのは、ファッション、建築物、乗り物、インテリアが大変おしゃれなことでした。レトロなデザインが好きな方は楽しめると思います。(この映画は1966年の作品です)原題が"Fahrenheit451"なので、見終わって、ふと、ディオールにファーレンファイトという香水があったのを思い出しました。
華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)
旧訳は未読なので比較はできていないのですが、物語の内容で言えば非常に面白かったです。
焚書というテーマだけに、紙の本が電子リーダーに置き換わろうとしている2014年現在、出版関係者はこの新訳をどんな思いで送り出したのかと思いを馳せるとなかなか複雑な気持ちになるところです。
思索にふけるために本を読み、知識を身に付けることをこよなく愛する紙の本好きの読書家様方は、一度目を通しておくと良いのではないでしょうか。
焚書というテーマだけに、紙の本が電子リーダーに置き換わろうとしている2014年現在、出版関係者はこの新訳をどんな思いで送り出したのかと思いを馳せるとなかなか複雑な気持ちになるところです。
思索にふけるために本を読み、知識を身に付けることをこよなく愛する紙の本好きの読書家様方は、一度目を通しておくと良いのではないでしょうか。