flick! digital(フリックデジタル) 2015年1月号 Vol.39[雑誌] flick! Digitalシリーズ
Ingressを遊んでいるので買いましたが、この値段でこのボリュームなら大満足です。
幻想水滸伝幻想真書 (Vol.3(2000冬号))
幻想水滸伝の「腐れ縁」ことビクトールとフリックの特集。
彼等が好きなら楽しめるはず。
目玉はビクトールとフリックの1・2それぞれの台詞集。
ゲーム進行や1から2へコンバートした場合の台詞もちゃんとのっている。
だが、別々の台詞集なので、二人の会話(漫才?)を同時に読めないのは残念。ページをめくりながら読めばいいのだが、後半部分のキャラクター紹介はガイドからの再録中心なので、目新しい感じはない。
ともかくビクトール&フリック好きにはお薦めです!
彼等が好きなら楽しめるはず。
目玉はビクトールとフリックの1・2それぞれの台詞集。
ゲーム進行や1から2へコンバートした場合の台詞もちゃんとのっている。
だが、別々の台詞集なので、二人の会話(漫才?)を同時に読めないのは残念。ページをめくりながら読めばいいのだが、後半部分のキャラクター紹介はガイドからの再録中心なので、目新しい感じはない。
ともかくビクトール&フリック好きにはお薦めです!
フリック・ストーリー [Blu-ray]
この時代の役者たちは日仏米を問わずいい顔をした連中が多い。こういう犯罪実録ものだと今風の
衛生的なイケメン役者たちにはとてもじゃないが演じきれないのではないか。この作品には今や絶滅
に瀕した「シブい顔」の役者たちが勢ぞろいしているので嬉しい。
ボレックを演じたモーリス・バリエ(1934〜)にエミールの兄アンドレ・プース(1919〜2005)。
暗黒街を知り抜いたニヒルな感じがたまらない。密告屋に仕立て上げられたレーモンのマリオ・ダヴィ
ッド(1927〜96)。イタリア野郎マリオを演じたレナート・サルヴァトーリ(1933〜88)。『ル・ジタン』
や『Z』でもいい演技だった。ヤクザ顔といえばジャノを演じたアドルフォ・ラストレッティ(1937〜)
を忘れちゃいけない。あの目のパッチリしたところに凄みがある。サルヴァトーリやマリオもそうだが、
イタリア系の俳優は顔が濃くてこの手の作品にはもってこいだと思う。そして忘れちゃならないのが
「猫背のポーロ」のポール・クロシェ(1920〜)だ。メルヴィルの作品の常連だが、のちにイヴ・ロベ
ールの『プロヴァンス物語』でこの人が密猟者の役で出てきた時には本当に嬉しかったな。まだ現役で
活躍しているようだ。
刑事の方も負けちゃいない。暴力的なリュシアンを演じたのはドゥニ・マニュエル(1934〜93)で、
メルヴィルの『ギャング』での演技は絶品だった。本作でも神経質ですぐにキレやすいが職務には忠実
な刑事という難しい役どころをみごとにこなしている。売春専門ホテルの亭主を演じたモーリス・ビロー
(1922〜82)はいつもこんな感じでつくづくうまい役者だ。ヤクザでも刑事でも、こういう芸達者な面々
が(そして裏方さんたちの努力が)映画を盛り立てているのだ。監督と主役だけがいくら頑張っても
どうにもならない。
冒頭、舗道を早足で歩くボルニッシュの足元だけをキャメラは追い続け、ボルニッシュ=ドロンの語りが
それにかぶさる。クロード・ボランの情感あふれる音楽がいい。街並みや衣装、大道具小道具類も戦争
直後のフランスの感じがよく出ていると思う。エミールの逮捕に向かった国家警察の刑事たちが田舎の
宿でとる食事がじつにうまそうで、メシがうまそうにみえるのはいい映画の条件だ。
ボルニッシュの語りで始まるこの映画は、ボルニッシュがキャメラを通じて観客にエミールの最期を
告げる異例の終わり方をする。最後のこのひねりでもって、この映画は絵空事ではなくひとつの時代の
証言であることを、映画みずからが告げることになるのだろう。占領下とその直後の時代の困難な生活、
ゲシュタポの恐怖、いつの世でも変わらぬ金持ちたちの享楽主義、裏切りと仁義、下積み警官の苦節、
などなど、フランスの観客たちはここで過去を振り返って胸に迫るものを感じたのではないか。ドロンが
たんなる美男スターではなく、国民を代表する名優となれたのは、フランス人の琴線に触れるこういう作
品があるからだと思う。本作はもしかすると、『パリの灯は遠く』と並ぶ俳優ドロンの最高傑作かもしれ
ない。
例によってDVDをもっているのに魔が差してBlu-rayも買ってしまった。貧乏なのに。DVDもかなりの
高画質だが、見比べてみるとその画質の差は歴然としている。役者たちの表情、背景の街並み、衣服の
柄など、DVDとは格段の違いがある。特典はDVDと同じで予告篇のみ。『パリの灯は遠く』もBlu-rayに
してくれないかな。それはそうと、Roger Bornicheはまだ存命らしい(1919〜)。Youtubeでその姿をみる
ことができる。原作の翻訳は絶版だが、古書なら1000円くらいで入手可だ。
衛生的なイケメン役者たちにはとてもじゃないが演じきれないのではないか。この作品には今や絶滅
に瀕した「シブい顔」の役者たちが勢ぞろいしているので嬉しい。
ボレックを演じたモーリス・バリエ(1934〜)にエミールの兄アンドレ・プース(1919〜2005)。
暗黒街を知り抜いたニヒルな感じがたまらない。密告屋に仕立て上げられたレーモンのマリオ・ダヴィ
ッド(1927〜96)。イタリア野郎マリオを演じたレナート・サルヴァトーリ(1933〜88)。『ル・ジタン』
や『Z』でもいい演技だった。ヤクザ顔といえばジャノを演じたアドルフォ・ラストレッティ(1937〜)
を忘れちゃいけない。あの目のパッチリしたところに凄みがある。サルヴァトーリやマリオもそうだが、
イタリア系の俳優は顔が濃くてこの手の作品にはもってこいだと思う。そして忘れちゃならないのが
「猫背のポーロ」のポール・クロシェ(1920〜)だ。メルヴィルの作品の常連だが、のちにイヴ・ロベ
ールの『プロヴァンス物語』でこの人が密猟者の役で出てきた時には本当に嬉しかったな。まだ現役で
活躍しているようだ。
刑事の方も負けちゃいない。暴力的なリュシアンを演じたのはドゥニ・マニュエル(1934〜93)で、
メルヴィルの『ギャング』での演技は絶品だった。本作でも神経質ですぐにキレやすいが職務には忠実
な刑事という難しい役どころをみごとにこなしている。売春専門ホテルの亭主を演じたモーリス・ビロー
(1922〜82)はいつもこんな感じでつくづくうまい役者だ。ヤクザでも刑事でも、こういう芸達者な面々
が(そして裏方さんたちの努力が)映画を盛り立てているのだ。監督と主役だけがいくら頑張っても
どうにもならない。
冒頭、舗道を早足で歩くボルニッシュの足元だけをキャメラは追い続け、ボルニッシュ=ドロンの語りが
それにかぶさる。クロード・ボランの情感あふれる音楽がいい。街並みや衣装、大道具小道具類も戦争
直後のフランスの感じがよく出ていると思う。エミールの逮捕に向かった国家警察の刑事たちが田舎の
宿でとる食事がじつにうまそうで、メシがうまそうにみえるのはいい映画の条件だ。
ボルニッシュの語りで始まるこの映画は、ボルニッシュがキャメラを通じて観客にエミールの最期を
告げる異例の終わり方をする。最後のこのひねりでもって、この映画は絵空事ではなくひとつの時代の
証言であることを、映画みずからが告げることになるのだろう。占領下とその直後の時代の困難な生活、
ゲシュタポの恐怖、いつの世でも変わらぬ金持ちたちの享楽主義、裏切りと仁義、下積み警官の苦節、
などなど、フランスの観客たちはここで過去を振り返って胸に迫るものを感じたのではないか。ドロンが
たんなる美男スターではなく、国民を代表する名優となれたのは、フランス人の琴線に触れるこういう作
品があるからだと思う。本作はもしかすると、『パリの灯は遠く』と並ぶ俳優ドロンの最高傑作かもしれ
ない。
例によってDVDをもっているのに魔が差してBlu-rayも買ってしまった。貧乏なのに。DVDもかなりの
高画質だが、見比べてみるとその画質の差は歴然としている。役者たちの表情、背景の街並み、衣服の
柄など、DVDとは格段の違いがある。特典はDVDと同じで予告篇のみ。『パリの灯は遠く』もBlu-rayに
してくれないかな。それはそうと、Roger Bornicheはまだ存命らしい(1919〜)。Youtubeでその姿をみる
ことができる。原作の翻訳は絶版だが、古書なら1000円くらいで入手可だ。