状況劇場 劇中歌集
唐の舞台を見たあと、劇中の歌がいつまでも耳に残った。今回、数十年ぶりに聞いた歌もあるが、舞台を吹き抜けた70年代の風が蘇ってきた。愛聴版になりそうだ。CD 化してくれてありがとう。
少女コレクション序説 (中公文庫)
最初の処こそ、少女をコレクションすることとはとか、美少女の本質とはといった少女の美やエロチシズムに関する、確かに独創的で興味深い考察があるのだが、途中から、ディープかつ背信的ではあっても割にありふれた、文学、絵画、彫刻などにおける性愛論、官能論のようなものとなってしまっている。その方面における著者の博識や情熱は理解できるのであるが、あくまで少女コレクションという題材をもっと極めたい者としてはいささか騙された感じもする。
また、時代を考えればやむを得ないが、当時は主観や幻想的観念と対立、昇華できるものとしてはフロイト精神分析学くらいしかなかったが、それを真に受けた考察を大真面目に書かれても少し困る。フロイトがダメなわけではないが、本書でされているようなストレートな適用はさすがに時代遅れである。
ただ、この著者の文学者としての歪み具合、病み具合はなかなかのものと思われ、本書のような評論や一般的考察よりは、独断に突っ走った文芸作品や、同じく精神に影を有する1人の奇人に同調した賛美的評論はさぞや痛快であろうとは思った。
また、時代を考えればやむを得ないが、当時は主観や幻想的観念と対立、昇華できるものとしてはフロイト精神分析学くらいしかなかったが、それを真に受けた考察を大真面目に書かれても少し困る。フロイトがダメなわけではないが、本書でされているようなストレートな適用はさすがに時代遅れである。
ただ、この著者の文学者としての歪み具合、病み具合はなかなかのものと思われ、本書のような評論や一般的考察よりは、独断に突っ走った文芸作品や、同じく精神に影を有する1人の奇人に同調した賛美的評論はさぞや痛快であろうとは思った。
快楽主義の哲学 (文春文庫)
非常に読みやすく爽快感のある本です
この本ではまず、幸福と快楽は全く別ものであることが述べられており、幸福が嫌なことがない日常を目指す消極的なものであることに対して、快楽は積極的に一瞬の爆発を求めていくことであることが書かれています。誰もが心のどこかで求めてるはずなのに、なぜかうざい倫理観などに阻害されてしまいがちな「快楽」ですが、この本ではタイトルのワイルドの言葉や、ジットの「僕は快楽のなかに、書物のなかより以上の教訓を見出したのである。」などの言葉を使いながら、清々しいほど快楽を肯定しきっていきます。
あまりに肯定しすぎて、全身を性感帯にすれば単純労働の仕事も快楽とイコールで結びついてみんな幸せになれるなど斬新すぎる発想にまで逝ってしまいますw
今の世の中は既に快楽主義だという人もいますがそうでしょうか?
5章の「快楽主義の巨人たち」のように覚悟を決めて快楽主義を極めてる人がいるでしょうか?
相変わらずポルノや暴力は敬遠されがちですし、何か中途半端にちびちびと必要最小限の快楽を満たしているだけの気がします
この本に出てくる快楽主義者のように快楽を極めてると悟りに近い精神に行きついたり、快楽は死と楯の両面であるという話も印象に残りました
快楽って奥が深いんですね。現代がこのレベルまで逝ってるとはとても思えません
自分自身の中に確かに存在する快楽を恥じることなく、誇りを持って極めていくことが大切なのだとこの本をよんで思いました
息苦しさを感じてたり、満たされない気持ちを抱えている人がいたら、この本を読めばすっきりするかもしれません
この本ではまず、幸福と快楽は全く別ものであることが述べられており、幸福が嫌なことがない日常を目指す消極的なものであることに対して、快楽は積極的に一瞬の爆発を求めていくことであることが書かれています。誰もが心のどこかで求めてるはずなのに、なぜかうざい倫理観などに阻害されてしまいがちな「快楽」ですが、この本ではタイトルのワイルドの言葉や、ジットの「僕は快楽のなかに、書物のなかより以上の教訓を見出したのである。」などの言葉を使いながら、清々しいほど快楽を肯定しきっていきます。
あまりに肯定しすぎて、全身を性感帯にすれば単純労働の仕事も快楽とイコールで結びついてみんな幸せになれるなど斬新すぎる発想にまで逝ってしまいますw
今の世の中は既に快楽主義だという人もいますがそうでしょうか?
5章の「快楽主義の巨人たち」のように覚悟を決めて快楽主義を極めてる人がいるでしょうか?
相変わらずポルノや暴力は敬遠されがちですし、何か中途半端にちびちびと必要最小限の快楽を満たしているだけの気がします
この本に出てくる快楽主義者のように快楽を極めてると悟りに近い精神に行きついたり、快楽は死と楯の両面であるという話も印象に残りました
快楽って奥が深いんですね。現代がこのレベルまで逝ってるとはとても思えません
自分自身の中に確かに存在する快楽を恥じることなく、誇りを持って極めていくことが大切なのだとこの本をよんで思いました
息苦しさを感じてたり、満たされない気持ちを抱えている人がいたら、この本を読めばすっきりするかもしれません
高丘親王航海記 (文春文庫)
作者の小説の中で、一番純粋で美しい小説だと思っています。
そして色気があって慈しみに満ちていて。
人生は旅のようなもの、という言葉があるけれど、少し俗っぽくて好きではありませんでした。しかし、この小説を読み終えて、再び頭をよぎりました。今度は、この言葉が浄化され神聖なものとして。
愛おしい物語です。
そして色気があって慈しみに満ちていて。
人生は旅のようなもの、という言葉があるけれど、少し俗っぽくて好きではありませんでした。しかし、この小説を読み終えて、再び頭をよぎりました。今度は、この言葉が浄化され神聖なものとして。
愛おしい物語です。