映画 許されざる者 オリジナル・サウンドトラック
メロディーの良い曲から、怒りや悔しさなどを感じられる曲まで、東洋的で現代風の曲風が好印象だと思います。。メロディアスな曲の特に1曲目と5曲目と8曲目と13曲目は素晴らしく好きな曲ですね。
許されざる者 上
日露戦争を背景に明治後期に生きる日本人を描いたボリューム感たっぷりの大作である。主人公の医師「ドクトル槇」は大逆事件で処刑された大石誠之助がモデルとなっており、幸徳秋水など実在の人物も多数登場するが、本書はあくまでフィクションであり歴史的事実とは異なる展開となっていく。
著者がNHKの週間ブックレビューに登場した際に、「トルストイの戦争と平和のような戦争を背景とした作品を書きたいと思っていた」という趣旨の発言があったと記憶しているが、読んでみるとその通りで、多数の登場人物が日露戦争に関わり、運命が変転していく様が描かれている。(蛇足だが、主人公の美貌の姪の千春のキャラクタは、戦争と平和のヒロインのナターシャを思わせる気がするのは私だけでしょうか)
読み始めた時には上下で800ページを超えるボリュームに圧倒され、またテーマが重そうなので最後までたどり着けるか危惧したが、登場人物が魅力的で、ドクトル槇と永野夫人の恋愛模様などストーリー自体も抜群に面白いし、更に明治時代の世相や当時のイベントも非常に興味深いので、読み応えはありましたが、一気に読み終えることができた。著者の作品を読むのは短編集の「枯葉の中の青い炎」、長編の「ジャスミン」に続いて3作目ですが、本書は過去読んだ2作を上回る傑作だと思います。
著者がNHKの週間ブックレビューに登場した際に、「トルストイの戦争と平和のような戦争を背景とした作品を書きたいと思っていた」という趣旨の発言があったと記憶しているが、読んでみるとその通りで、多数の登場人物が日露戦争に関わり、運命が変転していく様が描かれている。(蛇足だが、主人公の美貌の姪の千春のキャラクタは、戦争と平和のヒロインのナターシャを思わせる気がするのは私だけでしょうか)
読み始めた時には上下で800ページを超えるボリュームに圧倒され、またテーマが重そうなので最後までたどり着けるか危惧したが、登場人物が魅力的で、ドクトル槇と永野夫人の恋愛模様などストーリー自体も抜群に面白いし、更に明治時代の世相や当時のイベントも非常に興味深いので、読み応えはありましたが、一気に読み終えることができた。著者の作品を読むのは短編集の「枯葉の中の青い炎」、長編の「ジャスミン」に続いて3作目ですが、本書は過去読んだ2作を上回る傑作だと思います。
許されざる者 [Blu-ray]
近年のイーストウッドの映画は素晴らしい。
それは周知の事実となったが
それは一本一本の映画の価値以上に
イーストウッド自身の演じた自分に辻褄を合わそうとしているところにあると思う。
そして今日見直したこの映画あたりからそれははじまっていたのだと確信した。
西部劇から名を挙げたイーストウッドは撃つ事で人が死ぬ重みを描かずにはおれなかったのであろう。
これこそ作家というものであろう。
エンターテイメントも失わずに自戒も描いたいい映画です。
画質もよくなっているようでした。
それは周知の事実となったが
それは一本一本の映画の価値以上に
イーストウッド自身の演じた自分に辻褄を合わそうとしているところにあると思う。
そして今日見直したこの映画あたりからそれははじまっていたのだと確信した。
西部劇から名を挙げたイーストウッドは撃つ事で人が死ぬ重みを描かずにはおれなかったのであろう。
これこそ作家というものであろう。
エンターテイメントも失わずに自戒も描いたいい映画です。
画質もよくなっているようでした。
許されざる者 [DVD]
たくさんのレビューが寄せられています。なるほどという意見が多くみられます。
製作・監督・主演のすべてを勤めたイーストウッドが、本当に描きたかったのは、暴力の連鎖でしょうか。悪と正義でしょうか。
私は、西部劇という舞台を借りて、人間そのものの心理について、訴えたかったのではないかと思うのです。
愛妻を亡くしたマ-ニーは、二人の子とともに、慎ましくも平和な生活を送っていました。
ラストまでご覧になれば分かりますが、彼は凄惨な殺しを、初めからしてやろうと、町へ出向いたのか。
むしろ、期せずして降り注いだ宿命に追いやられ、殺人を犯さなければならなかった。
私は、このように理解しました。
マーニーは、かつて極悪非道のガンマンでした。悪の権化のような保安官により、殺人鬼としての本性が蘇ったのか。
ではなくて、人の心理の奥底にある潜在的なもの。それは、課せられた運命の元においては、人は容易に殺人行為を犯すことができる。
これがテーマだと思われてなりません。
一旦、話は映画からそれます。
イラク戦争の従軍兵士から、帰還して、PTSD ( 心的外傷後ストレス障害 ) を発症した者が多くでました。さらに自殺者も数多く。
一体なぜでしょう。元通りの平温な暮らしに戻ったというのに、戦火から脱して生き延びたというのに。彼らを苦しめたのは何だったのか。
自分こそは家族や国家、平和を愛する人間だと、自負していたのにもかかわらず、イラクの戦場では銃で、ためらいもなく人を殺した。
そして帰還兵として祖国に戻るやいなや、自ら犯した罪の意識から逃れられなかった。それが、彼らを苦しめたのです。
マーニーは、誰もが何処かで眠っている心理であり、許されざる者は、自己でもあり他者でもある。これが、私なりの解釈です。
製作・監督・主演のすべてを勤めたイーストウッドが、本当に描きたかったのは、暴力の連鎖でしょうか。悪と正義でしょうか。
私は、西部劇という舞台を借りて、人間そのものの心理について、訴えたかったのではないかと思うのです。
愛妻を亡くしたマ-ニーは、二人の子とともに、慎ましくも平和な生活を送っていました。
ラストまでご覧になれば分かりますが、彼は凄惨な殺しを、初めからしてやろうと、町へ出向いたのか。
むしろ、期せずして降り注いだ宿命に追いやられ、殺人を犯さなければならなかった。
私は、このように理解しました。
マーニーは、かつて極悪非道のガンマンでした。悪の権化のような保安官により、殺人鬼としての本性が蘇ったのか。
ではなくて、人の心理の奥底にある潜在的なもの。それは、課せられた運命の元においては、人は容易に殺人行為を犯すことができる。
これがテーマだと思われてなりません。
一旦、話は映画からそれます。
イラク戦争の従軍兵士から、帰還して、PTSD ( 心的外傷後ストレス障害 ) を発症した者が多くでました。さらに自殺者も数多く。
一体なぜでしょう。元通りの平温な暮らしに戻ったというのに、戦火から脱して生き延びたというのに。彼らを苦しめたのは何だったのか。
自分こそは家族や国家、平和を愛する人間だと、自負していたのにもかかわらず、イラクの戦場では銃で、ためらいもなく人を殺した。
そして帰還兵として祖国に戻るやいなや、自ら犯した罪の意識から逃れられなかった。それが、彼らを苦しめたのです。
マーニーは、誰もが何処かで眠っている心理であり、許されざる者は、自己でもあり他者でもある。これが、私なりの解釈です。
許されざる者 [DVD]
USのアカデミー賞受賞作を日本語化してリメイクなんて...。
はたしてどんな必要性があるのやら?
と、とてもとても懐疑的に観たのだが。
クリント・イーストウッドの役どころを渡辺謙さんが、ジーン・ハックマンの役どころを佐藤浩市さんが演じて、
更にモーガン・フリーマンの役どころを柄本明さんが演じるというキャスティング。
これ、オリジナルと比べてしまうから、やっぱりスケール小さいなと感じてしまうところはあるのかもしれないが、オリジナルなら相当高いレベルでは?
もちろん、オリジナルと比べてあらゆる意味で劣っているならリメイクの意味はないのだが、現実にはオリジナルを上回るケースの方が少ない。
この作品は、日本っぽくて、実話だったとしてもおかしくないくらい上手に手を加えられている。
脇役である國村隼さんとか柳楽優弥さんらの俳優陣(小池栄子さん、忽那汐里さんたち女優陣含む)の演技の良さも含めて、いや日本映画悪くないじゃん、という印象を与えてくれる作品であった。
はたしてどんな必要性があるのやら?
と、とてもとても懐疑的に観たのだが。
クリント・イーストウッドの役どころを渡辺謙さんが、ジーン・ハックマンの役どころを佐藤浩市さんが演じて、
更にモーガン・フリーマンの役どころを柄本明さんが演じるというキャスティング。
これ、オリジナルと比べてしまうから、やっぱりスケール小さいなと感じてしまうところはあるのかもしれないが、オリジナルなら相当高いレベルでは?
もちろん、オリジナルと比べてあらゆる意味で劣っているならリメイクの意味はないのだが、現実にはオリジナルを上回るケースの方が少ない。
この作品は、日本っぽくて、実話だったとしてもおかしくないくらい上手に手を加えられている。
脇役である國村隼さんとか柳楽優弥さんらの俳優陣(小池栄子さん、忽那汐里さんたち女優陣含む)の演技の良さも含めて、いや日本映画悪くないじゃん、という印象を与えてくれる作品であった。