DREAM PRICE 1000 久保田早紀 異邦人
2003年に流れたSANYOのテレビCMを見てこの曲「異邦人」を知りました。当時、卒業論文でアルベール・カミュの同名小説「異邦人」を読んでいたこともあり、また、夏に南アジアを3ヶ月旅したこともあり、この曲は非常に深く僕の心に染み入りました。日常生活の中でふと心をよぎる異国の風景、そしてそこをさまよう旅人のイメージがとても心地よい印象を心に残します。その他、「夢飛行」「ねがい」など、オリエンタルな異国情緒漂う曲は心の中にだけ存在する異国への憧れをうまく歌にしてあらわしているようです。
実際、インドの首都ニューデリーの近くにある町、アグラからジャイプールへ向う道でCMと同じような風景の中を通った時、心の中で「異邦人」が流れつづけていました。
実際、インドの首都ニューデリーの近くにある町、アグラからジャイプールへ向う道でCMと同じような風景の中を通った時、心の中で「異邦人」が流れつづけていました。
夢がたり
もはや説明不要の「異邦人」(近年までSANYOの企業CMで使用されたのも当然であろう)収録の久保田早紀嬢の1stアルバム。
(情報誌「ぴあ」の読者人気投票"ぴあテン"で1979年アルバム部門第1位にもなった)
編曲はすべて萩田光雄氏が担当したが、僕はその世界の素晴らしさにも虜になり、無謀にも一時は編曲家の道を志した程である。
故ハネケンさんのピアノにポルトガルの空気を感じた「夢がたり」〜「朝」、
ケーナ・ダルシマの音色さえ中近東の楽器に思えてくる「異邦人」、
大陸を越えて吹き抜ける偏西風のようなギターソロの「サラーム」「幻想旅行」、
階段の暗がりや部屋の空間まで見えそうな「ナルシス」。 久保田嬢の歌の世界を音でここまで再現できるのは、やはり編曲の力があってこそだろう。
アレンジ面で一番好きなのは「白夜」と「星空の少年」だ。鐘の音、星が降り注ぐようなシンセサイザー、そして風のようなフルートとストリングスには、何度聴いても鳥肌が立つほどである。
ドラムのリズムにしても単純な8ビートでなくいくつものパターンで1曲が仕上げられているので、本気で音楽を志す人には参考書としてお勧めしたい。
(それにしても時流とはいえ、打ち込みとBeing以降の“タイアップ至上主義”、さらに聴き手のターゲット化がいかに音楽の価値を落としたかを、改めて実感してしまうのは僕だけだろうか)
なおこのBlue-spec CD2は、2007年に紙ジャケ仕様で限定発売された際リマスタリングされた音源を使用しています。
(情報誌「ぴあ」の読者人気投票"ぴあテン"で1979年アルバム部門第1位にもなった)
編曲はすべて萩田光雄氏が担当したが、僕はその世界の素晴らしさにも虜になり、無謀にも一時は編曲家の道を志した程である。
故ハネケンさんのピアノにポルトガルの空気を感じた「夢がたり」〜「朝」、
ケーナ・ダルシマの音色さえ中近東の楽器に思えてくる「異邦人」、
大陸を越えて吹き抜ける偏西風のようなギターソロの「サラーム」「幻想旅行」、
階段の暗がりや部屋の空間まで見えそうな「ナルシス」。 久保田嬢の歌の世界を音でここまで再現できるのは、やはり編曲の力があってこそだろう。
アレンジ面で一番好きなのは「白夜」と「星空の少年」だ。鐘の音、星が降り注ぐようなシンセサイザー、そして風のようなフルートとストリングスには、何度聴いても鳥肌が立つほどである。
ドラムのリズムにしても単純な8ビートでなくいくつものパターンで1曲が仕上げられているので、本気で音楽を志す人には参考書としてお勧めしたい。
(それにしても時流とはいえ、打ち込みとBeing以降の“タイアップ至上主義”、さらに聴き手のターゲット化がいかに音楽の価値を落としたかを、改めて実感してしまうのは僕だけだろうか)
なおこのBlue-spec CD2は、2007年に紙ジャケ仕様で限定発売された際リマスタリングされた音源を使用しています。