チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲集
ルッジェーロ・リッチの思い出をたどりますと、パガニーニのカプリスやVn協奏曲、Vnの銘器聴き比べ「クレモノナの栄光」のLPで名人芸を聞き、1994年と1995年に訪日の際にはその演奏に接することができました。バッハの二つのVnのための協奏曲の一番Vnを日フィルの木野雅之、二番Vnをリッチが演奏し、その後でパガニーニのVn協奏曲を演奏しましたが、名人芸のリッチというばかりではなく、音楽性ある優れた超一流のバイオリニストとして認識する機会となりました。今回、このような立派な演奏のCDが残っていた幸運に感謝しています。リッチはイタリア生まれイタリア育ちと思っていましたが、カリフォルニアのイタリア系アメリカ人で、父親からVnを学んだあとカリフォルニアデビューし、カネギーホールデビューのあとヨーロッパで多くの素晴らしい師に恵まれ、また米軍にも入隊して慰問演奏ツアーも行っている苦労人で、晩年には教師として多くの音楽大学等で教えています。前述の木野雅之も弟子の一人です。リッチは2012年8月に心不全のため94歳でなくなっています。
このCDの録音はデッカ特有の自然な音場の中にバランスよくVnが収録され、リッチの楽器グァルネリ・デル・ジェスの鳴らし方がよくとらえられています。メンデルスゾーンは1957年1月、チャイコフスキーは1961年1月、ロンドン、キングスウェイ・ホールでの収録で、その響きからマルチマイクではなく、デッカツリー・マイクロフォン配置を主体にしていると思われます。
このCDの録音はデッカ特有の自然な音場の中にバランスよくVnが収録され、リッチの楽器グァルネリ・デル・ジェスの鳴らし方がよくとらえられています。メンデルスゾーンは1957年1月、チャイコフスキーは1961年1月、ロンドン、キングスウェイ・ホールでの収録で、その響きからマルチマイクではなく、デッカツリー・マイクロフォン配置を主体にしていると思われます。
パガニーニ:24のカプリース
パガニーニの難曲を華麗に弾きこなしている。とくに第24番は有名で、リストなどがその主題を用いている。全体的にみると、多少音がずれているような感じがしたので、星3つとした。24曲全てが難しいのでしかたがないが。