夜の大捜査線 [Blu-ray]
ミシシッピーの田舎町で殺人事件が起きた夜に、バージル・ティップス(シドニー・ポワチエ)が通りかかり、駅で乗り換えの列車を待っていたときに、黒人だというだけの理由で逮捕される。バージルはフィラデルフィアの殺人課の刑事だった。
警察署長のギレスピー(ロッド・スタイガー)はバージルと反目しあいながらもコンビを組んで犯人逮捕にこぎつける。署長の誤認逮捕やバージルの合理的で緻密な捜査、黒人に対するあからさまな蔑視の風潮、バージルをおそう白人グループの暴力等を織りこんで、サスペンスをはらみつつストーリーは興味深く展開する。
冷静で毅然としたシドニー・ポワチエもいいが、ロッド・スタイガーの演技が卓抜している。レイ・チャールスの歌もいい。南部の暑苦しい夜と閉ざされた田舎町の雰囲気をもりあげている。
警察署長のギレスピー(ロッド・スタイガー)はバージルと反目しあいながらもコンビを組んで犯人逮捕にこぎつける。署長の誤認逮捕やバージルの合理的で緻密な捜査、黒人に対するあからさまな蔑視の風潮、バージルをおそう白人グループの暴力等を織りこんで、サスペンスをはらみつつストーリーは興味深く展開する。
冷静で毅然としたシドニー・ポワチエもいいが、ロッド・スタイガーの演技が卓抜している。レイ・チャールスの歌もいい。南部の暑苦しい夜と閉ざされた田舎町の雰囲気をもりあげている。
夜の大捜査線 [VHS]
70年代アメリカの田舎で続けられている黒人差別。
そこへたまたま休暇でその町にいて殺人容疑者として黒人というだけで連行された黒人警察官。
彼は優秀な刑事であり、その町の白人所長は戸惑いつつ小さな町で起こった殺人事件に協力するように頼む。
その町ではまだ人種差別として黒人を奴隷として扱っていたり
捜査の一環として黒人に話し掛けられることに戸惑う町の人々。
一歩間違えれば銃で殺されかねない状況の中事件解決に挑んでいく。
2003年の今でも反黒人街という感じの町があるという。
アメリカといっても広い。小さな町から大きな町、開けた町、保守的な町とさまざまだ。
この映画はそんなアメリカ社会を鋭くついたものでもあるし
事件をといていく過程がスリリングで楽!しめる。
見ている限り主演はシドニー・ポワチエだと思いがちだ。
だがこの映画でアカデミー主演男優賞を獲ったのは白人警察署長役ロッド・スタイガーであり明らかにおかしいと言う人がいるが
これはあくまで白人の視点からとらえ、白人に問題を突きつける白人のための映画である。
そこへたまたま休暇でその町にいて殺人容疑者として黒人というだけで連行された黒人警察官。
彼は優秀な刑事であり、その町の白人所長は戸惑いつつ小さな町で起こった殺人事件に協力するように頼む。
その町ではまだ人種差別として黒人を奴隷として扱っていたり
捜査の一環として黒人に話し掛けられることに戸惑う町の人々。
一歩間違えれば銃で殺されかねない状況の中事件解決に挑んでいく。
2003年の今でも反黒人街という感じの町があるという。
アメリカといっても広い。小さな町から大きな町、開けた町、保守的な町とさまざまだ。
この映画はそんなアメリカ社会を鋭くついたものでもあるし
事件をといていく過程がスリリングで楽!しめる。
見ている限り主演はシドニー・ポワチエだと思いがちだ。
だがこの映画でアカデミー主演男優賞を獲ったのは白人警察署長役ロッド・スタイガーであり明らかにおかしいと言う人がいるが
これはあくまで白人の視点からとらえ、白人に問題を突きつける白人のための映画である。
夜の大捜査線 [DVD]
第40回アカデミー作品賞を獲得した名作です(R.スタイガーが主演男優で、後の名監督H.アシュビーが編集でオスカーを得ています)。当時のハリウッドは大作主義と停滞・硬直化(典型は『クレオパトラ』の大失敗)から少しずつ脱却し、ニューシネマが開花しようとしていました(同年のアカデミーで賞争いをしたのは『俺たちに明日はない』と『卒業』だったのです)。公民権運動云々を抜きにしても、この映画の隅々に原題通りの「熱い」息吹が見え隠れしています。監督達による音声解説は、そんなこの映画先鋭性を伝えて素晴らしいものです。御法度だった女性のセミヌード、黒人が白人を殴るという衝撃、セットから離れて野外で撮影を行い、赤狩りで追放されていたリー・グラントを起用し…。夜の描写も素晴らしい。考えてみればそれまでのハリウッドのカラー作品は、夜であっても全方位からライトが当たってペカペカした印象があります。この映画はカラー作品で光と影の織りなす陰影を見事に表現出来るということを示した、初期の代表的映画なのです(この頃フィルムやカメラの性能が向上したことも要因)。
そして何より、この映画は刑事・探偵ものの転換点になったのだと言えましょう。この映画はマーロウ作品のように、町の2大勢力の暗闘とその結果として起こる悲劇、愛憎、無力感を描いても良かったと思えます。しかしそういうお約束的な筋書きを外し、サイコキラー的な意外な犯人が明らかになるのです。また、アイルランド系のタフな刑事とは別個に、凄腕でスタイリッシュな黒人刑事、という流れが出来る画期にもなったと思うのです。社会悪を追うのではなく個人の内面に巣くう闇を追い、そしてE.マーフィーやD.ワシントンの活躍を用意し…。人種間の融和という大テーマとともに、様々なものがこの映画から受け継がれています。名作と呼べるものはそういったものなのだと思います。
そして何より、この映画は刑事・探偵ものの転換点になったのだと言えましょう。この映画はマーロウ作品のように、町の2大勢力の暗闘とその結果として起こる悲劇、愛憎、無力感を描いても良かったと思えます。しかしそういうお約束的な筋書きを外し、サイコキラー的な意外な犯人が明らかになるのです。また、アイルランド系のタフな刑事とは別個に、凄腕でスタイリッシュな黒人刑事、という流れが出来る画期にもなったと思うのです。社会悪を追うのではなく個人の内面に巣くう闇を追い、そしてE.マーフィーやD.ワシントンの活躍を用意し…。人種間の融和という大テーマとともに、様々なものがこの映画から受け継がれています。名作と呼べるものはそういったものなのだと思います。