むだい
ややおぼつかないギター・ロック・バンドだ。Vo.の秀吉の声は少し頼りなく、決してうまくなんかない。
だからこそ、「秀吉」なんて考え無しみたいなバンド名で「むだい」なんて気の利かないタイトルにして、おまけにボンヤリメガネの男の子ルックスで歌ったのだね。ジャケットもイノセントな少年のイラストにしちゃったんだね。
逆転マジックだ。「まだうまくないんですけどギターを抱えて歌い始めたんです、聞いてください、一生懸命歌いました」というメッセージがものすごいベクトルでリスナーの胸を打つ。くっそー、お前ら実は知能犯だな。
心に残るギター・リフや、大多数の心をつかんでしまうような必殺のサビは、まだない。だが、その片鱗は見える。「さざなみ」でシャープなカッティングとリズムによって表現される疾走感。現在の持てる力を総動員して工夫したらしい「夕の魔法」の曲展開とアレンジ変化。
これから伸びようとして今の精一杯を歌う。その未熟さ自体にこんなに魅力を感じたのは、私は初めてかもしれない。
だからこそ、「秀吉」なんて考え無しみたいなバンド名で「むだい」なんて気の利かないタイトルにして、おまけにボンヤリメガネの男の子ルックスで歌ったのだね。ジャケットもイノセントな少年のイラストにしちゃったんだね。
逆転マジックだ。「まだうまくないんですけどギターを抱えて歌い始めたんです、聞いてください、一生懸命歌いました」というメッセージがものすごいベクトルでリスナーの胸を打つ。くっそー、お前ら実は知能犯だな。
心に残るギター・リフや、大多数の心をつかんでしまうような必殺のサビは、まだない。だが、その片鱗は見える。「さざなみ」でシャープなカッティングとリズムによって表現される疾走感。現在の持てる力を総動員して工夫したらしい「夕の魔法」の曲展開とアレンジ変化。
これから伸びようとして今の精一杯を歌う。その未熟さ自体にこんなに魅力を感じたのは、私は初めてかもしれない。
ソラニン スタンダード・エディション [DVD]
原作が好きで、友人9人と劇場に行き、泣いてしまいました。
キャストを見たとき、「宮崎さんは可愛すぎるだろう」なんて思いましたが、映像になり、あのアパートで、あの仲間と談話している姿を見ると納得できます。
内容は、前半は二人の日常とかをだらだらと流していく感じ。
ここで「あー暇だなあ」と思う人も多いかもしれません。
起きる出来事も普通の20代にはありがちな事なので、飽きてしまうかも。
それでも後半の追い上げ、葛藤や追いかけてくる現実、無力さ、ここは浅野氏の得意とする描写を見事に映像化していて、若者達の日常に起きた大きな変化に伴う感情の不安定さ、狂気が伝わりました。
ライブシーンも、原作の芽衣子の服装まで再現された細かさ、プロではない女の子の歌声、演奏する姿に、監督・役者さんの作り上げた世界観の完成度の高さがうかがえます。
原作のあの浅野ワールドが好きなんだ!という人も、少し切ない青春映画が見たいんだ!という人も、勿論、宮崎あおいが、高良健吾が、その他の役者さんが好きなんだ!という人も、ぜひ見てみて下さい。
とても素敵な映画、ソラニンでした。
特典もとても良かったです。未公開シーンは「このカットされてたシーンも撮ってたのか!」と嬉しかったですし、ライブがちゃんと見れるのは個人的にすごく良かったです。
(映画本編では、最後のライブシーンでは回想が入り、歌の一部がBGMになるので)
上記のように特典も充実しており、DVDとしても大切な一枚になりました。
キャストを見たとき、「宮崎さんは可愛すぎるだろう」なんて思いましたが、映像になり、あのアパートで、あの仲間と談話している姿を見ると納得できます。
内容は、前半は二人の日常とかをだらだらと流していく感じ。
ここで「あー暇だなあ」と思う人も多いかもしれません。
起きる出来事も普通の20代にはありがちな事なので、飽きてしまうかも。
それでも後半の追い上げ、葛藤や追いかけてくる現実、無力さ、ここは浅野氏の得意とする描写を見事に映像化していて、若者達の日常に起きた大きな変化に伴う感情の不安定さ、狂気が伝わりました。
ライブシーンも、原作の芽衣子の服装まで再現された細かさ、プロではない女の子の歌声、演奏する姿に、監督・役者さんの作り上げた世界観の完成度の高さがうかがえます。
原作のあの浅野ワールドが好きなんだ!という人も、少し切ない青春映画が見たいんだ!という人も、勿論、宮崎あおいが、高良健吾が、その他の役者さんが好きなんだ!という人も、ぜひ見てみて下さい。
とても素敵な映画、ソラニンでした。
特典もとても良かったです。未公開シーンは「このカットされてたシーンも撮ってたのか!」と嬉しかったですし、ライブがちゃんと見れるのは個人的にすごく良かったです。
(映画本編では、最後のライブシーンでは回想が入り、歌の一部がBGMになるので)
上記のように特典も充実しており、DVDとしても大切な一枚になりました。
ゴールドマッシュ(初回限定盤)(DVD付)
とちぎテレビで「今夜野宿になりまして」を見て主題歌の入ったCDを購入しました。
一回目は聞き流したのですが、二回目以降はハンサムケンヤの力量(ポテンシャル)に圧倒されました。
正直杉真理や大滝詠一の楽曲に触れた時の衝撃に近いものがありました。
曲に独特の変化があり、口ずさむと達成感のような快感があります。
頑固な陶芸家が気に入らない焼き物を割り、気に入ったものだけ世に出したというような節操の強さを感じました。
いつか自分の造った壁を自分の手で壊すのでしょうが現時点においてはとても良い作品です。大衆の耳に入らないのがとても残念です。
追記:DVDの中のポテトの栃木弁も良かった。
一回目は聞き流したのですが、二回目以降はハンサムケンヤの力量(ポテンシャル)に圧倒されました。
正直杉真理や大滝詠一の楽曲に触れた時の衝撃に近いものがありました。
曲に独特の変化があり、口ずさむと達成感のような快感があります。
頑固な陶芸家が気に入らない焼き物を割り、気に入ったものだけ世に出したというような節操の強さを感じました。
いつか自分の造った壁を自分の手で壊すのでしょうが現時点においてはとても良い作品です。大衆の耳に入らないのがとても残念です。
追記:DVDの中のポテトの栃木弁も良かった。
うみべの女の子 2 (F×コミックス)
待ちに待った2巻発売です。
1巻を読んでいる時から思っていましたが、私は磯辺みたいな子、好きです。
変態な人が好きだし(笑)
おとなしい感じで、顔の薄さとかも凄く好きです。
1巻では磯辺が小梅を好きで。
2巻では小梅が磯辺を好きで。
結局この2人、キスはしてないんですよね。
私はそれが凄く悲しくて。
磯辺が小梅をフった時、きっと磯辺は小梅のこと好きだったんだと思います。
でも、ちょっと大人になった最後の章では、小梅には別の彼氏がいて、鹿島と小梅が海で話してる途中に出てきたキスシーンは、海辺の女の子と磯辺ですよね?(私はそうだと思ったのですが‥)っていう、2人とも別々の道を進んでいるんだなあって。
磯辺にふられたときの小梅の気持ちが痛いほどわかって、私まで気がついたら泣いてしまいました。
でもその痛みも大人になるにつれて薄れていくこともわかっています。
それでも、磯辺と小梅にはくっついてほしかった。
浅野先生の描く漫画は本当にりあるで
人の感情がもろに伝わってくるから、主人公にすごく感情移入してしまうんです。
綺麗事でも、磯辺と小梅にはくっついてほしかった。
私が失恋した気分になってしまったんですもん。
でも、きっとこの作品はこの形でこそ意味を成すのかな、って思いました。
子供の頃の恋愛って、大人になったら忘れてしまうけど、あの頃の自分にはそれが全てで、失恋したらもう世界の終わりってほど傷つきますよね。
その気持ちを思い出して苦しくなってしまいました。
忘れるって怖いですね。
悲しいですね。
でも、皆さんがいうように、読後感は確かに良かったけれど、やっぱり私は悲しくて苦しくて仕方ないです。
何事もなかったかのように新しい彼氏のいる小梅が、それでも心のどこかではきっと磯辺を想っていて。
初めから磯辺と小梅が体の関係ではなく、付き合っていれば良かったのに、なんて思ってしまいました。
そう思ってしまうほど漫画の世界に入りこんでしまった、
ということでこの作品は私の中では☆五つです。
1巻を読んでいる時から思っていましたが、私は磯辺みたいな子、好きです。
変態な人が好きだし(笑)
おとなしい感じで、顔の薄さとかも凄く好きです。
1巻では磯辺が小梅を好きで。
2巻では小梅が磯辺を好きで。
結局この2人、キスはしてないんですよね。
私はそれが凄く悲しくて。
磯辺が小梅をフった時、きっと磯辺は小梅のこと好きだったんだと思います。
でも、ちょっと大人になった最後の章では、小梅には別の彼氏がいて、鹿島と小梅が海で話してる途中に出てきたキスシーンは、海辺の女の子と磯辺ですよね?(私はそうだと思ったのですが‥)っていう、2人とも別々の道を進んでいるんだなあって。
磯辺にふられたときの小梅の気持ちが痛いほどわかって、私まで気がついたら泣いてしまいました。
でもその痛みも大人になるにつれて薄れていくこともわかっています。
それでも、磯辺と小梅にはくっついてほしかった。
浅野先生の描く漫画は本当にりあるで
人の感情がもろに伝わってくるから、主人公にすごく感情移入してしまうんです。
綺麗事でも、磯辺と小梅にはくっついてほしかった。
私が失恋した気分になってしまったんですもん。
でも、きっとこの作品はこの形でこそ意味を成すのかな、って思いました。
子供の頃の恋愛って、大人になったら忘れてしまうけど、あの頃の自分にはそれが全てで、失恋したらもう世界の終わりってほど傷つきますよね。
その気持ちを思い出して苦しくなってしまいました。
忘れるって怖いですね。
悲しいですね。
でも、皆さんがいうように、読後感は確かに良かったけれど、やっぱり私は悲しくて苦しくて仕方ないです。
何事もなかったかのように新しい彼氏のいる小梅が、それでも心のどこかではきっと磯辺を想っていて。
初めから磯辺と小梅が体の関係ではなく、付き合っていれば良かったのに、なんて思ってしまいました。
そう思ってしまうほど漫画の世界に入りこんでしまった、
ということでこの作品は私の中では☆五つです。
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 1 (ビッグコミックススペシャル)
浅野いにお氏は氏特有のカウンターの視点から本作品に、国民的アニメーションのパロディから3.11のパロディまで幅広いジャンルを落とし込んでいます。アニメーションのポップな印象と日本人が共有した悲惨な事件、ガンツ的サイエンスフィクション(しかし戦闘の悲惨はない)と不安定な情勢の奥に垣間見える戦争の予感、それらの中心にあるのは、浅野いにお的としか形容しがたい、どこか斜に構えて全てを見透かしているような気分にある、カウンターカルチャーの泥に深く沈んだ女性たちです。そして、彼女達の存在、あるいは作品全体に浅野いにお氏の存在が透けて見えます。おやすみぷんぷん、しかり、海辺の女の子、しかり、おざなり君、しかり、ソラニン、しかり、それら作品の影が見えます。良くも悪くもと書きますが、それは氏の持つ作家としてのアイデンティティであり一部の読者を強く引きつける要因です。そして同時に、くどさと飽きを感じさせ全ての展開と全ての台詞に浅野いにお氏の顔と声と匂いとを感じさせるような要因でもあります。
物語の筋について述べることはできませんが、作中のアイテムは少々後者に寄り過ぎているように感じられました。今後の展開に関しても、ある意味でおざなり君やぷんぷんの延長にあるという意味で、読者としては慎重になった方が良いかもしれません。この作家さんについては、作品の好き嫌いではなく、作家の好き嫌いで手にするかどうかを考えるべきかと思います。
物語の筋について述べることはできませんが、作中のアイテムは少々後者に寄り過ぎているように感じられました。今後の展開に関しても、ある意味でおざなり君やぷんぷんの延長にあるという意味で、読者としては慎重になった方が良いかもしれません。この作家さんについては、作品の好き嫌いではなく、作家の好き嫌いで手にするかどうかを考えるべきかと思います。