天国への階段〈下〉 (幻冬舎文庫)
父親と牧場、そして「天国への階段」を一緒に上ることを約束した最愛の恋人亜木子をも奪われ、失意の元に北海道を後にし、上京した柏木圭一郎。26年の歳月がたち、実業家として財をなした柏木は、彼からすべてを奪った江成への復讐劇を開始する。しかし、心ならずも片棒を担ぐ羽目になった犯罪が原因で、人生の歯車が狂い始めてくる。中巻では家のために自分を捨てた亜木子を26年たっても恨みきれない柏木と、26年間柏木への罪の意識を持ち続けた亜木子が、絵笛で劇的に再会し、下巻に突入する。
下巻では、柏木の復讐の行方と、一方桑田らによる捜査が交互に描かれる。そして、柏木の息子と娘の存在を本人が知ることとなり・・・。
文庫化に伴い、数年ぶりに再読したが、やはりページをめくる手を止めることができず、特に下巻は一気に読み終えてしまった。
しかしながら、本作の結末については賛否両論あるように思う。私自身は、もう少し別の終わり方を期待していた一人である。「傷ついた葦」は「天国の階段」を誰と登ることができるのか。最後の10数ページは、ちょっと力業がすぎないか?もう少しページを割いてもよいし、別の終わり方でもよいのではないか?という意見を私以外にも抱く人はいるのではないだろうか。しかし、このような感想を持つこと自体、本作に引き込まれた証拠かもしれない。いずれにせよ読んで損のない作品である。
下巻では、柏木の復讐の行方と、一方桑田らによる捜査が交互に描かれる。そして、柏木の息子と娘の存在を本人が知ることとなり・・・。
文庫化に伴い、数年ぶりに再読したが、やはりページをめくる手を止めることができず、特に下巻は一気に読み終えてしまった。
しかしながら、本作の結末については賛否両論あるように思う。私自身は、もう少し別の終わり方を期待していた一人である。「傷ついた葦」は「天国の階段」を誰と登ることができるのか。最後の10数ページは、ちょっと力業がすぎないか?もう少しページを割いてもよいし、別の終わり方でもよいのではないか?という意見を私以外にも抱く人はいるのではないだろうか。しかし、このような感想を持つこと自体、本作に引き込まれた証拠かもしれない。いずれにせよ読んで損のない作品である。
天国への階段 [DVD]
その昔TVで観て、終盤近くのワンカットが「惑星ソラリス」の、そして「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」の決定的なカットの元ネタになってるのは知っていた。それを再確認するために購入。
記憶以上の映画だった。地上世界と天上世界のそれぞれが別個に固有の論理的構造を持ちながら、主人公ピーター(と観客)の詩的幻覚の中で両者が絡み合い溶け合い、最後には地上と天井は愛の勇気で円満に和解する。宇宙論・脳神経医学・詩人の魂・アメリカの誇り・イギリスの矜持・フランスのチョッカイ・時間論・「猶予された時間」としての戦争、等々との超現実的対位法。それでいてお話はウィットとユーモアに溢れている。よくこんな映画を終戦翌年に作れたものだ。さすがにシェイクスピアと「2001年宇宙の旅」のお国である。
「天国への階段」という邦題は、誤訳とは言わないが原題ともかけ離れている。むしろ「創訳」と言うべきか。
記憶以上の映画だった。地上世界と天上世界のそれぞれが別個に固有の論理的構造を持ちながら、主人公ピーター(と観客)の詩的幻覚の中で両者が絡み合い溶け合い、最後には地上と天井は愛の勇気で円満に和解する。宇宙論・脳神経医学・詩人の魂・アメリカの誇り・イギリスの矜持・フランスのチョッカイ・時間論・「猶予された時間」としての戦争、等々との超現実的対位法。それでいてお話はウィットとユーモアに溢れている。よくこんな映画を終戦翌年に作れたものだ。さすがにシェイクスピアと「2001年宇宙の旅」のお国である。
「天国への階段」という邦題は、誤訳とは言わないが原題ともかけ離れている。むしろ「創訳」と言うべきか。
天国への階段〈中〉 (幻冬舎文庫)
(上巻のレビューの続き)
中巻はストーリー展開ももちろんだが、心の揺れの描写が秀逸である。孤独と絶望の淵に追いつめられて復讐を誓った柏木でも、愛情や憎悪を自由にひねり出すことは出来ない。もし彼が、冷酷非情に徹することが出来たのなら、この作品は単なる復習譚に終わっていただろう。しかし、柏木の復習劇は、当初描いていたのとは違う方向に向かっていく。一方で、執念の捜査を続けていた桑田は、事件の全貌をほぼ掴む。また、亜木子の抱えていた重大な秘密も明らかになり、先を読まずにいられなくなる展開が連続する中巻である。
(下巻のレビューに続く)
中巻はストーリー展開ももちろんだが、心の揺れの描写が秀逸である。孤独と絶望の淵に追いつめられて復讐を誓った柏木でも、愛情や憎悪を自由にひねり出すことは出来ない。もし彼が、冷酷非情に徹することが出来たのなら、この作品は単なる復習譚に終わっていただろう。しかし、柏木の復習劇は、当初描いていたのとは違う方向に向かっていく。一方で、執念の捜査を続けていた桑田は、事件の全貌をほぼ掴む。また、亜木子の抱えていた重大な秘密も明らかになり、先を読まずにいられなくなる展開が連続する中巻である。
(下巻のレビューに続く)
Led Zeppelin 4: Zoso
星はリマスター版としての評価です。作品自体は星千個です。
再生環境:ipod classic(ALAC)→Fostex HP-P1→Fiio E12→Sennheiser HD25-1 II
ヘッドホンでのインプレッションになります。ちなみに当方、アナログ盤はオリジナル盤含め一切聴いたことがございませんので、比較は94年版リマスターCD(国内版)となります。
さて、リマスターの効果ですが、はっきり感じられます(ヘッドホンで聴いた限りで、スピーカーで聴く分には後述)。以下、箇条書きで全体的なインプレッションを。
@レンジが広くなっている(94年版より大きなスタジオで演奏しているような感じに聴こえます)。
Aボーカル含め、各パートが分離がはっきりしており、パートごとの演奏を追いやすい。
B全体的に音質がクリアになっている。
CBにもかかわらず音圧も感じられる。
D総じて、立体感が出ている。
各曲ごとに感じたところを(94年版と比べて)
@Black Dog
プラントの声が透き通っている。まるですぐそこで歌っているよう。リバーブが鮮烈!
ARock And Roll
ジョーンズのベースラインがくっきり聴き取れ、凄い迫力。ボンゾのラストのドラムソロ(みたいなところ)は脳みそをこん棒でしばかれているみたいだ。
BThe Battle Of Evermore
ペイジのマンドリンがキラキラしている。分離がよくなったことでボーカルオーケストレーションがより映える。
CStairway To Heaven
各楽器の立体感が凄い。3分過ぎのシンセベースの存在は何回もこの曲を聴いているにもかかわらず始めて意識させられたかも。この曲のジョーンズのベースはこんなにグルーブしてたのか・・・。
DMisty Mountain Hop
ボンゾのドラムの音がくっきり。スネアーのロール一音一音が聴こえる。凄いドラム!
EFour Sticks
結構楽器が重ねなれているのだなと再確認。
FGoing To California
アコギとマンドリンがくっきりした。ボーカルもより立体的になった。
GWhen The Levee Breaks
Dと同じような感想。個人的なベストトラック。
リマスター効果はかなり効いている。ペイジさん、スタッフのみなさん本当にお疲れ様でした。
ただ、今回94年版を聴きなおしたが、94年版のリマスター具合もかなり優秀です。正直、スピーカーでながら聴きする分にはあまり違いは感じられないかもしれません。ただ、ヘッドホンで聞き込むと違いが発見できて面白いです。
久々に、このアルバムを腰をすえて聴きましたが、すばらしいですね。一音一音に魂がこもっています。アナログでいうA面にロッククラッシクが叩き込まれているだけでなく、B面の玄人っぷり・・・。本当にお化けバンドです。
正直やっすいラジカセで聴いてもこのアルバムはすばらしいと思います。はい。
コンパニオンディスクは、完成間近のテイクが並んでおり、ちょっと期待はずれです。時間のあるときにゆっくり聴きます。
再生環境:ipod classic(ALAC)→Fostex HP-P1→Fiio E12→Sennheiser HD25-1 II
ヘッドホンでのインプレッションになります。ちなみに当方、アナログ盤はオリジナル盤含め一切聴いたことがございませんので、比較は94年版リマスターCD(国内版)となります。
さて、リマスターの効果ですが、はっきり感じられます(ヘッドホンで聴いた限りで、スピーカーで聴く分には後述)。以下、箇条書きで全体的なインプレッションを。
@レンジが広くなっている(94年版より大きなスタジオで演奏しているような感じに聴こえます)。
Aボーカル含め、各パートが分離がはっきりしており、パートごとの演奏を追いやすい。
B全体的に音質がクリアになっている。
CBにもかかわらず音圧も感じられる。
D総じて、立体感が出ている。
各曲ごとに感じたところを(94年版と比べて)
@Black Dog
プラントの声が透き通っている。まるですぐそこで歌っているよう。リバーブが鮮烈!
ARock And Roll
ジョーンズのベースラインがくっきり聴き取れ、凄い迫力。ボンゾのラストのドラムソロ(みたいなところ)は脳みそをこん棒でしばかれているみたいだ。
BThe Battle Of Evermore
ペイジのマンドリンがキラキラしている。分離がよくなったことでボーカルオーケストレーションがより映える。
CStairway To Heaven
各楽器の立体感が凄い。3分過ぎのシンセベースの存在は何回もこの曲を聴いているにもかかわらず始めて意識させられたかも。この曲のジョーンズのベースはこんなにグルーブしてたのか・・・。
DMisty Mountain Hop
ボンゾのドラムの音がくっきり。スネアーのロール一音一音が聴こえる。凄いドラム!
EFour Sticks
結構楽器が重ねなれているのだなと再確認。
FGoing To California
アコギとマンドリンがくっきりした。ボーカルもより立体的になった。
GWhen The Levee Breaks
Dと同じような感想。個人的なベストトラック。
リマスター効果はかなり効いている。ペイジさん、スタッフのみなさん本当にお疲れ様でした。
ただ、今回94年版を聴きなおしたが、94年版のリマスター具合もかなり優秀です。正直、スピーカーでながら聴きする分にはあまり違いは感じられないかもしれません。ただ、ヘッドホンで聞き込むと違いが発見できて面白いです。
久々に、このアルバムを腰をすえて聴きましたが、すばらしいですね。一音一音に魂がこもっています。アナログでいうA面にロッククラッシクが叩き込まれているだけでなく、B面の玄人っぷり・・・。本当にお化けバンドです。
正直やっすいラジカセで聴いてもこのアルバムはすばらしいと思います。はい。
コンパニオンディスクは、完成間近のテイクが並んでおり、ちょっと期待はずれです。時間のあるときにゆっくり聴きます。