青梅雨 (新潮文庫)
『見上げれば星は天に満ちて―心に残る物語 日本文学秀作選』(浅田次郎編)で『青梅雨』を読み、永井龍男という作家を知った。家族愛で優しく包みながらも人生の悲哀を静かに掴み出すようなこの作品が印象的で、もっと読み広げたく本書を購入した。
本書の中では、『青梅雨』は勿論のこと、『一個』と『冬の日』が良かった。定年を控えて気を病んだ男が自殺してしまう『一個』では、虚実が倒錯する様が見事。可笑しくも怖くもあるユニークな作品。
対して、禁忌を破った女主人が想いを断ち切って家を出て行く日を描く『冬の日』では、情念と邪な気持ちが精一杯の善意で覆い隠される様が伝わってくる。複雑な心情も直接表現されることはなく、情景描写と会話の行間だけで表される。
本書の中では、『青梅雨』は勿論のこと、『一個』と『冬の日』が良かった。定年を控えて気を病んだ男が自殺してしまう『一個』では、虚実が倒錯する様が見事。可笑しくも怖くもあるユニークな作品。
対して、禁忌を破った女主人が想いを断ち切って家を出て行く日を描く『冬の日』では、情念と邪な気持ちが精一杯の善意で覆い隠される様が伝わってくる。複雑な心情も直接表現されることはなく、情景描写と会話の行間だけで表される。
昭和こどもキネマ DVD-BOX
今の子供たちは、昭和の古い映像を見せると、怖がることがあるらしい。
昭和生まれの私自身も、昔の色の付いていない映像などを観ると、恐れた覚えがある。
やがて成長し、その歴史価値、映像が残ることの奇跡さを知る子が、必ず出てくると思う。
歴史の語り部として、数十年おきに再販を繰り返してほしい。
昭和生まれの私自身も、昔の色の付いていない映像などを観ると、恐れた覚えがある。
やがて成長し、その歴史価値、映像が残ることの奇跡さを知る子が、必ず出てくると思う。
歴史の語り部として、数十年おきに再販を繰り返してほしい。
教科書に載った小説
店頭でタイトルにすっとひかれ、編者が「クリック」の佐藤雅彦さんだったので
すぐ決めました。期待を裏切りませんでした。
教科書に載っている話ってどうして面白いんでしょう。
お父さんから手紙を受け取る話、どばどば泣きました。
「ベンチ」では衝撃といっていいほどの読後感を覚えました。
「教育」を目的として選ばれた小説ですから一線を踏み外さない
内容ではあると思いますが、それぞれが不思議な力にあふれたお話だと思います。
ちなみに自分が学んだ教科書小説で一番印象に残っているのは宮沢賢治「やまなし」です。
すぐ決めました。期待を裏切りませんでした。
教科書に載っている話ってどうして面白いんでしょう。
お父さんから手紙を受け取る話、どばどば泣きました。
「ベンチ」では衝撃といっていいほどの読後感を覚えました。
「教育」を目的として選ばれた小説ですから一線を踏み外さない
内容ではあると思いますが、それぞれが不思議な力にあふれたお話だと思います。
ちなみに自分が学んだ教科書小説で一番印象に残っているのは宮沢賢治「やまなし」です。
一個・秋・その他 (講談社文芸文庫)
1970年代後半から80年代全般の短編が収められている。高名な割にはなかなか読まない作家のひとりだが、改めて読んでみると若いころには分からない感覚、それは「死」に向かう感覚が随所にあらわれ、しばし立ち止り何度も読み返してしまう。そんな作品が集められている。おそらく、芥川や志賀直哉などの短編作品の王道からは随分と離れたろで彫琢された、一つ一つがゆったりとした時間を刻むささやかな幸せと思いもかけない悲劇が、まるで小津映画のフィルムのように立ち現われる。その陰影の手法は見事なまでだ。