鍵盤音楽の領域 vol.8 バッハ meets ジルバーマン・ピアノ
ヨハン・セバスチャン・バッハの生きていた、
当時のフォルテピアノによる演奏です。
このCDを聴くと、果たして現代の頑丈なグランド・ピアノが
前時代の貧弱なフォルテ・ピアノの欠点を改良して発展してきた
という通説が、ただしいものだったのか?と思わず考えさせられて
しまいます。
出てくる音は「予想通り」でもあり、「予想以上」でもあり、大変興味深い
ものです。
まだチェンバロみたいな、ちょっと金属的な音がしますが、聴く前に想像していたよりは、
ピアノ的な表現が出来、案外力強い、ドラマティックな表情も出せます。
チェンバロやオルガンではレバーや、多重鍵盤などによる『切り替え』でしか
多彩な表現が出来なかったことを考えると、ちょっとした指先のタッチの
仕方で強弱や表情の変化を付けられる新しいピアノがいかに画期的なもの
だったか、なのに大バッハはこの後すぐに亡くなってしまい、ほとんど
この楽器による音楽を残せなかったことなど、歴史の皮肉を感じさせられますね。
そんな、歴史的価値を抜きにしても、音色が非常に典雅な感じで
BGM的にも、リラックスできる良いCDだと思います。
参考までに指先で強弱の付けられるもう一つの鍵盤楽器、
クラヴィコードによる名演CDも紹介しておきます。
レオンハルト/クラヴィコード・リサイタル
当時のフォルテピアノによる演奏です。
このCDを聴くと、果たして現代の頑丈なグランド・ピアノが
前時代の貧弱なフォルテ・ピアノの欠点を改良して発展してきた
という通説が、ただしいものだったのか?と思わず考えさせられて
しまいます。
出てくる音は「予想通り」でもあり、「予想以上」でもあり、大変興味深い
ものです。
まだチェンバロみたいな、ちょっと金属的な音がしますが、聴く前に想像していたよりは、
ピアノ的な表現が出来、案外力強い、ドラマティックな表情も出せます。
チェンバロやオルガンではレバーや、多重鍵盤などによる『切り替え』でしか
多彩な表現が出来なかったことを考えると、ちょっとした指先のタッチの
仕方で強弱や表情の変化を付けられる新しいピアノがいかに画期的なもの
だったか、なのに大バッハはこの後すぐに亡くなってしまい、ほとんど
この楽器による音楽を残せなかったことなど、歴史の皮肉を感じさせられますね。
そんな、歴史的価値を抜きにしても、音色が非常に典雅な感じで
BGM的にも、リラックスできる良いCDだと思います。
参考までに指先で強弱の付けられるもう一つの鍵盤楽器、
クラヴィコードによる名演CDも紹介しておきます。
レオンハルト/クラヴィコード・リサイタル
DVD BOOK(1)チェンバロ〜歴史と様式の系譜
日本におけるチェンバロ製作の第一人者久保田彰によるチェンバロ解説のDVDBOOK。チェンバロの構造やメンテナンスなど、詳細は『図解チェンバロメンテナンス―チェンバリストと技術者のために』に詳しい。本書はカラー写真をふんだんに使って、目でも楽しめる本に仕上がっている。DVDではチェンバリストの曽根麻矢子、水永牧子が様々なチェンバロやヴァージナルを演奏して聞かせてくれる。しかし何と言っても圧巻は武久源造による即興演奏。前奏曲とフーガと思われる。フーガに入り、多声を緻密な構造で作り上げ、そして解決に導いていく腕の冴えは驚嘆的だ。自身としても会心の出来だったのであろう。演奏しながら笑みがこぼれている。武久という音楽家がこれほどの実力を持った人であったのか!と初めて知らされた。古楽はもはや珍しくも特別のものでもなくなったが、まだチェンバロに馴染みがなく、聞いてみたいと思っている人にお勧めしたい、と同時に、今までチェンバロ演奏を見たことのなかった愛好家にも是非お勧めしたい。
ゴールトベルク変奏曲
武久源蔵と言う名前をきいてはいた。
ある日とある古レコード店でコジマレコードのディスクを見つけた。
バッハ好きのわたしには目を奪われる選曲。
半音階的幻想曲が入ったそれが武久のCDだった。
聴いてみたら済みきった音が心に突き刺さった。
彼の2枚目がこの「ゴルトベルク」。
良い事は聴く前からうっすらと感じていて(第六感!)
聴いてみてやはり納得。
「弾くと演歌になる」と彼が言っている事は
他の方のレビューでもおわかりのように
謳い上げる「ゴルトベルク」(ゴールトベルク変奏曲)だ。
いいなぁ、素敵だなぁ。
邦人演奏家だっていいものはいいのである。
間違いなく星五つ。
ある日とある古レコード店でコジマレコードのディスクを見つけた。
バッハ好きのわたしには目を奪われる選曲。
半音階的幻想曲が入ったそれが武久のCDだった。
聴いてみたら済みきった音が心に突き刺さった。
彼の2枚目がこの「ゴルトベルク」。
良い事は聴く前からうっすらと感じていて(第六感!)
聴いてみてやはり納得。
「弾くと演歌になる」と彼が言っている事は
他の方のレビューでもおわかりのように
謳い上げる「ゴルトベルク」(ゴールトベルク変奏曲)だ。
いいなぁ、素敵だなぁ。
邦人演奏家だっていいものはいいのである。
間違いなく星五つ。
鍵盤音楽の領域vol.3
1996年10月に山梨県北杜市で録音された、武久源造による、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)の小品集のCDです。収録曲は…
●2声のインヴェンション、BWV.772-786
●3声のシンフォニア、BWV.787-801
●前奏曲 ハ長調、BWV.924
●前奏曲 ニ長調、BWV.925
●前奏曲 ニ短調、BWV.926
●前奏曲 ヘ長調、BWV.927
●前奏曲 ヘ長調、BWV.928
●前奏曲 ト短調、BWV.929
●前奏曲 ト短調、BWV.930
●前奏曲 イ短調、BWV.931
●前奏曲 ホ短調、BWV.932
●小前奏曲 ハ短調、BWV.934
●小前奏曲 ニ長調、BWV.936
●小前奏曲 ホ長調、BWV.937
●小前奏曲 ハ長調、BWV.939
●小前奏曲 ニ短調、BWV.940
●小前奏曲 ホ短調、BWV.941
●小前奏曲 イ短調、BWV.942
です。総収録時間は74分19秒です。曲はBWV順ではなく調性ごとに並べられていて、ハ長調(4曲)→ハ短調(3曲)→へ長調(4曲)→…などと続いていきます。これらの曲を武久は、小型オルガン、チェンバロ、クラヴィコードを使い分けて弾いています。その音色の違いを楽しむのも一興でしょう。
短い曲では40秒、長い曲でも4分足らずなので飽きません。バッハのミクロコスモス(小宇宙)を堪能できる一枚です。
●2声のインヴェンション、BWV.772-786
●3声のシンフォニア、BWV.787-801
●前奏曲 ハ長調、BWV.924
●前奏曲 ニ長調、BWV.925
●前奏曲 ニ短調、BWV.926
●前奏曲 ヘ長調、BWV.927
●前奏曲 ヘ長調、BWV.928
●前奏曲 ト短調、BWV.929
●前奏曲 ト短調、BWV.930
●前奏曲 イ短調、BWV.931
●前奏曲 ホ短調、BWV.932
●小前奏曲 ハ短調、BWV.934
●小前奏曲 ニ長調、BWV.936
●小前奏曲 ホ長調、BWV.937
●小前奏曲 ハ長調、BWV.939
●小前奏曲 ニ短調、BWV.940
●小前奏曲 ホ短調、BWV.941
●小前奏曲 イ短調、BWV.942
です。総収録時間は74分19秒です。曲はBWV順ではなく調性ごとに並べられていて、ハ長調(4曲)→ハ短調(3曲)→へ長調(4曲)→…などと続いていきます。これらの曲を武久は、小型オルガン、チェンバロ、クラヴィコードを使い分けて弾いています。その音色の違いを楽しむのも一興でしょう。
短い曲では40秒、長い曲でも4分足らずなので飽きません。バッハのミクロコスモス(小宇宙)を堪能できる一枚です。