加納家の事情 新装版 下巻 (IDコミックス REXコミックス)
「妹」という言葉が冠された瞬間、物理的距離が限りなくゼロになってしまった件」
描き下ろし「加納家の事情+」に加え、単行本未収録作品「セーラー服を脱がされたいの」を完全収録。中田ゆみ先生による応援イラストもこっそり入ってます。
非常に軽いノリの義理の兄妹のエロコメだった1巻に比べ、シリアス要素、ストーリー要素が増している。次女も彼氏と別れ、本当に好きな男が主人公であることに気付く。姉と同じ男を好きになってしまい、家庭内で禁断の三角関係が…という暗いお話がなかなかに重く、ストーリーには惹き付けられた。
このままだったら★5だったが、なぜか途中でまた最初の軽いテイストに戻ってしまい、非常にガッカリ。軽いというより、これは最早、ストーリーが薄いというより、”安っぽい”、安いと言ったほうが良い。そもそも前述の暗いストーリーの最中も、主人公の態度が軽過ぎて違和感があった。深刻な問題を抱えてるのに、性欲中心で物事を考え、セックスのことしか頭に無い。「勃起勃起」煩いし、恋愛漫画の主人公としても、全く共感できない。
ラストシーンもセックスが中断して(親の帰宅という、これまた古典的で安っぽいパターン…)中途半端だし、恋愛の結末が尻切れトンボなのも、中途半端。結局幸せって美少女たちに囲まれることだけかよっって話だし。
絵も中盤から劣化を始め、リアルだった頭身が縮み過ぎ。どのキャラもロリキャラっぽくなり、身長も20cmは縮んでしまった。
以上のマイナスファクターは致命的だが、それでも尚、漫画として面白い部類に入るから、結構凄い漫画。中途半端なことをせずシリアスに徹すれば名作になれた可能性もあるのに、非常に惜しい。作者には是非ともこの漫画の若干のシリアス要素を抽出した漫画を描いて欲しい。
しかしこの漫画、「加納家の事情」じゃなくて、「加納家の情事」だ。
【オリジナル版との違い】
今回もヒロイン視点の描き下ろし漫画を収録。こちらは仲良くなり始めた中盤が舞台で、上巻同様、本編にはちょっと無いような、胸キュンラブコメとなっている。作者が、画風だけではなく、作風も変わったのだろうな。
反面、致命的な劣化として、オリジナル版のカラーページが、全てモノクロに改悪されている。作者がわざわざカラーページならではの話を描いたのがオリジナル版だったので、この劣化はかなり酷い。
その他、上巻と同じく、作者のエロマンガが描き下ろしとして載っているが、下巻では更につまらないので、読み飛ばしてしまった。…そもそも、作風と一切関係無いこれを載せる必要性は?やはりレーベル変更のための、ページ埋めとしか思えない。
描き下ろし「加納家の事情+」に加え、単行本未収録作品「セーラー服を脱がされたいの」を完全収録。中田ゆみ先生による応援イラストもこっそり入ってます。
非常に軽いノリの義理の兄妹のエロコメだった1巻に比べ、シリアス要素、ストーリー要素が増している。次女も彼氏と別れ、本当に好きな男が主人公であることに気付く。姉と同じ男を好きになってしまい、家庭内で禁断の三角関係が…という暗いお話がなかなかに重く、ストーリーには惹き付けられた。
このままだったら★5だったが、なぜか途中でまた最初の軽いテイストに戻ってしまい、非常にガッカリ。軽いというより、これは最早、ストーリーが薄いというより、”安っぽい”、安いと言ったほうが良い。そもそも前述の暗いストーリーの最中も、主人公の態度が軽過ぎて違和感があった。深刻な問題を抱えてるのに、性欲中心で物事を考え、セックスのことしか頭に無い。「勃起勃起」煩いし、恋愛漫画の主人公としても、全く共感できない。
ラストシーンもセックスが中断して(親の帰宅という、これまた古典的で安っぽいパターン…)中途半端だし、恋愛の結末が尻切れトンボなのも、中途半端。結局幸せって美少女たちに囲まれることだけかよっって話だし。
絵も中盤から劣化を始め、リアルだった頭身が縮み過ぎ。どのキャラもロリキャラっぽくなり、身長も20cmは縮んでしまった。
以上のマイナスファクターは致命的だが、それでも尚、漫画として面白い部類に入るから、結構凄い漫画。中途半端なことをせずシリアスに徹すれば名作になれた可能性もあるのに、非常に惜しい。作者には是非ともこの漫画の若干のシリアス要素を抽出した漫画を描いて欲しい。
しかしこの漫画、「加納家の事情」じゃなくて、「加納家の情事」だ。
【オリジナル版との違い】
今回もヒロイン視点の描き下ろし漫画を収録。こちらは仲良くなり始めた中盤が舞台で、上巻同様、本編にはちょっと無いような、胸キュンラブコメとなっている。作者が、画風だけではなく、作風も変わったのだろうな。
反面、致命的な劣化として、オリジナル版のカラーページが、全てモノクロに改悪されている。作者がわざわざカラーページならではの話を描いたのがオリジナル版だったので、この劣化はかなり酷い。
その他、上巻と同じく、作者のエロマンガが描き下ろしとして載っているが、下巻では更につまらないので、読み飛ばしてしまった。…そもそも、作風と一切関係無いこれを載せる必要性は?やはりレーベル変更のための、ページ埋めとしか思えない。
加納家の事情 新装版 上巻 (IDコミックス REXコミックス)
「見ているだけで幸せだった憧れの女の子が、ある日突然「妹」になってしまったら…!?」
小石川ふにが描く「加納家の事情」が新装刊行!美少女3姉妹“ちょっと”幸せな物語をあなたにお届けします。
主人公は浪人が決まった卒業の日の高校生。毎日電車内ですれ違う女の子に初恋し、片思いしていたが、明日から同じ電車に乗らないので彼女と毎朝会う(見てるだけだが)のも終わりか…と一人沈んでいたら…その日父親が連れてきた再婚相手の連れ子がまさにその子で、しかも妹が2人もいた…さあ今日から君たちは兄妹だ。好きになった女の子は妹だ。という導入部からスタートするラブコメ。
義理の兄妹というタブーなのか微妙な関係の恋愛だが(作中では一応タブーっぽい描き方をしているが、にも関わらず)、全体的に話もキャラも軽い…というか、最早軽薄なノリで、主人公もヒロインたちも最初からお互いに欲情しまくり。恋愛よりセックス目当てで、ストーリーも薄く、母親を亡くした筈の主人公だが、そんな暗さや陰は微塵も無く、そもそも母親については完全スルーだった。なので勿論、本当の家族やら本当の兄妹になるためのプロセスなんてセンシティブな要素は一切無い。家族ものを期待している人は要注意。序盤にはあった主人公の実の父親と娘達(つまり義理の娘)の関係にも、一切触れることはなく終わってしまった。
そんな主人公のキャラのせいで、かなり人を選ぶ漫画。主人公は親友のヤリ○ンチャラ男を軽蔑しているが、実際には、主人公のほうが、ずっと軽薄でチャラい人物(ヤリ○ンでないだけマシだが笑)。設定や見た目が「高杉さん家のおべんとう」のハルに似ているが、キャラづけは完全に真逆で、むしろ最後に今までのセフレを捨て、しっかり意中の女性を決めた親友のほうが、真っ当な男なのが何ともいえない気分。
設定が設定だけに、風呂や着替えなどで、全裸シーンも非常に多い。最初からストーリーではなく設定で選び、描き易い設定だから安易に義理の兄妹を選んだのだろう。
定義としては、ラブコメというより、エロコメかも?(次女の年齢にそぐわないありえない巨乳とか、三女の年齢にそぐわないロリっぽさも、エロ漫画そのもの。しかも幼女のあの部分まで描く作者はなんか”ガチ”っぽい。次女の巨乳はストーリー上の意味も一応あったが、三女は無意味にロリだった)
台詞もなかなか面白く、ギャグもキレてる。特に巻末漫画(オリジナル版からの収録作)のギャグは、最早本編より面白い。
【オリジナル版と新装版の違い】
上下巻ともにオリジナル版は連載期間の影響で表紙の絵が全く違ってしまっていたが(劣化して酷い絵柄)、今回は作者の技量が上がったのか、元の画風に戻ったのか、本編と遜色ない表紙になっているのが凄い。どっちの巻も、本編よりも随分と綺麗な絵だ。まるで爽やか青春ラブコメみたいな表紙になっているので、騙されて読んだ(笑)人も多いだろう。絵もロリコン漫画のようでエロコメ丸出しだったオリジナル版に比べると、ずっとキャッチーで手に取り易い表紙になった。これは良い改善。
更には描き下ろし新作として、「加納家の事情plus」が追加されており、主人公と出会う前のヒロイン視点でのプロローグが描かれている。「叶姉妹みたいで嫌だ」と言ってたり、最初から主人公に惹かれていた経緯が、今にやってやっと描かれて、納得の内容。だが、これも画風が違うので、たった一冊の本の同じ漫画なのにコロコロ絵が変わることには、かなり違和感があった。
もう一つのオマケとして、作者が成年漫画雑誌に連載していた作品が載っているが、こちらは本当にページ埋めのためのただのエロマンガで、非常につまらないので、ここでは言及しない。
小石川ふにが描く「加納家の事情」が新装刊行!美少女3姉妹“ちょっと”幸せな物語をあなたにお届けします。
主人公は浪人が決まった卒業の日の高校生。毎日電車内ですれ違う女の子に初恋し、片思いしていたが、明日から同じ電車に乗らないので彼女と毎朝会う(見てるだけだが)のも終わりか…と一人沈んでいたら…その日父親が連れてきた再婚相手の連れ子がまさにその子で、しかも妹が2人もいた…さあ今日から君たちは兄妹だ。好きになった女の子は妹だ。という導入部からスタートするラブコメ。
義理の兄妹というタブーなのか微妙な関係の恋愛だが(作中では一応タブーっぽい描き方をしているが、にも関わらず)、全体的に話もキャラも軽い…というか、最早軽薄なノリで、主人公もヒロインたちも最初からお互いに欲情しまくり。恋愛よりセックス目当てで、ストーリーも薄く、母親を亡くした筈の主人公だが、そんな暗さや陰は微塵も無く、そもそも母親については完全スルーだった。なので勿論、本当の家族やら本当の兄妹になるためのプロセスなんてセンシティブな要素は一切無い。家族ものを期待している人は要注意。序盤にはあった主人公の実の父親と娘達(つまり義理の娘)の関係にも、一切触れることはなく終わってしまった。
そんな主人公のキャラのせいで、かなり人を選ぶ漫画。主人公は親友のヤリ○ンチャラ男を軽蔑しているが、実際には、主人公のほうが、ずっと軽薄でチャラい人物(ヤリ○ンでないだけマシだが笑)。設定や見た目が「高杉さん家のおべんとう」のハルに似ているが、キャラづけは完全に真逆で、むしろ最後に今までのセフレを捨て、しっかり意中の女性を決めた親友のほうが、真っ当な男なのが何ともいえない気分。
設定が設定だけに、風呂や着替えなどで、全裸シーンも非常に多い。最初からストーリーではなく設定で選び、描き易い設定だから安易に義理の兄妹を選んだのだろう。
定義としては、ラブコメというより、エロコメかも?(次女の年齢にそぐわないありえない巨乳とか、三女の年齢にそぐわないロリっぽさも、エロ漫画そのもの。しかも幼女のあの部分まで描く作者はなんか”ガチ”っぽい。次女の巨乳はストーリー上の意味も一応あったが、三女は無意味にロリだった)
台詞もなかなか面白く、ギャグもキレてる。特に巻末漫画(オリジナル版からの収録作)のギャグは、最早本編より面白い。
【オリジナル版と新装版の違い】
上下巻ともにオリジナル版は連載期間の影響で表紙の絵が全く違ってしまっていたが(劣化して酷い絵柄)、今回は作者の技量が上がったのか、元の画風に戻ったのか、本編と遜色ない表紙になっているのが凄い。どっちの巻も、本編よりも随分と綺麗な絵だ。まるで爽やか青春ラブコメみたいな表紙になっているので、騙されて読んだ(笑)人も多いだろう。絵もロリコン漫画のようでエロコメ丸出しだったオリジナル版に比べると、ずっとキャッチーで手に取り易い表紙になった。これは良い改善。
更には描き下ろし新作として、「加納家の事情plus」が追加されており、主人公と出会う前のヒロイン視点でのプロローグが描かれている。「叶姉妹みたいで嫌だ」と言ってたり、最初から主人公に惹かれていた経緯が、今にやってやっと描かれて、納得の内容。だが、これも画風が違うので、たった一冊の本の同じ漫画なのにコロコロ絵が変わることには、かなり違和感があった。
もう一つのオマケとして、作者が成年漫画雑誌に連載していた作品が載っているが、こちらは本当にページ埋めのためのただのエロマンガで、非常につまらないので、ここでは言及しない。
センセイあのね? (2) (まんがタイムコミックス)
1巻に引き続き一途な先生ラブの内容です。読んでいてこっぱずかしいほどです。
先生・生徒という立場上、お互い言いたいことが言えないもどかしさが良いです。
(追記)作品に責任はありませんが、出版社の、恋愛の結末を見たいなら単行本を
買ってくださいという姿勢には不満を持ちました。
先生・生徒という立場上、お互い言いたいことが言えないもどかしさが良いです。
(追記)作品に責任はありませんが、出版社の、恋愛の結末を見たいなら単行本を
買ってくださいという姿勢には不満を持ちました。